わたしの生きる道

第15話 ダンスに銀ブラ 19・20歳はあっという間

1クラスが30~40人でモデルを目指す人もいた。そんな中から私には3人の友人ができた。仲良し4人娘はスクールが終わると、そろって銀ブラに出かけた。資生堂パーラーでお茶を飲んだり、おしゃれな店で食事をしたり。それぞれ会社は違っていても同じ年ごろだから話は弾む。仕事のことも話題になったが、何と言っても盛りあがったのは気になる男性のことだった。彼女たちとはいまでも友情が続いている。

あのころはダンスがとても盛んで、私も教習所でワルツ、ジルバ、ブルース、タンゴ、ルンバなどのステップを覚えた。そして休日になると横浜・元町のダンスホール「クリフサイド」に行く。

横浜のYMCAで英会話も習っていた。高校の語学部以来、ずっと英語の勉強は好きだった。将来、英語で身を立てようとは思っていなかったけれど、手は抜かなかった。
白楽にあった生け花教室で草月流を習っていたし、夏には海にも行った。大菩薩峠とか奥日光とかでキャンプもした。それに会社の運動会に慰安旅行。
思えば随分と忙しかった。

19、20歳はこうして過ぎていった。

(日本経済新聞朝刊2013年6月5日掲載の『私の履歴書』より引用)