派遣のメリット・デメリットとは? 他の雇用形態との違い

2025.06.26更新
今まで派遣社員としてはたらいた経験がないと、気になる仕事を見かけても派遣のはたらき方が分からず、応募を少しためらってしまうのではないでしょうか。
ここでは、派遣のしくみや、派遣社員のメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
派遣と他の雇用形態との違い
そもそも派遣とは、どのようなはたらき方なのでしょうか。正社員や契約社員、パート・アルバイトなど、その他の雇用形態とは何が異なるのでしょうか。
雇用契約を結ぶ相手
派遣は、派遣元企業(派遣会社)と雇用契約を結び、派遣先の企業ではたらく雇用形態です。仕事の指示は派遣先の企業から直接受けますが、給与は派遣元の企業から支払われます。
実際にはたらいている企業ではなく、派遣元企業と雇用契約を結んでいる点が、企業に直接雇用される正社員やパート・アルバイトとの大きな違いです。
雇用期間
派遣の雇用期間は、原則として同じ就業先において最長3年となります。これは派遣3年ルールとも呼ばれます。派遣社員が同じ派遣先企業の同じ部署ではたらくことのできる期間を制限しているのは、雇用の安定やキャリアアップを図るためです。
正社員、契約社員、パート・アルバイトと比較すると、雇用期間には以下のような違いがあります。
雇用期間 | |
---|---|
派遣社員 | 有期雇用(数ヶ月単位、最長3年) |
正社員 | 無期雇用 |
契約社員 | 有期雇用(年単位) |
パート・アルバイト | 有期雇用 |
就業日数・就業時間
派遣では、週4日だけや1日6時間勤務など、ライフスタイルの変化やそのときどきの状況に合わせて、はたらく日数や時間が選べます。
就業日数や就業時間を他の雇用形態と比較すると以下の通りです。
就業日数・就業時間 | |
---|---|
派遣社員 | 契約による |
正社員 | フルタイム |
契約社員 | フルタイム |
パート・アルバイト | 契約によるが、週20~30時間以内が一般的 |
福利厚生
派遣会社では派遣社員が安心してはたらけるように、健康保険や厚生年金などの各種社会保険、有給などの各種休暇制度、定期健康診断などの福利厚生を用意しています。
- 加入資格を満たす場合
他の雇用形態でも条件を満たせば福利厚生を利用できますが、自由度の高いはたらき方を実現しつつ利用できる点は派遣社員のメリットです。

派遣社員のメリット
雇用形態それぞれの魅力があるように、派遣だからこそ生まれるメリットがあります。
自分に合ったはたらき方を叶えられそうか、派遣社員のメリットを詳しく見ていきましょう。
そのときどきの希望で仕事を選べる
正社員の場合、フルタイムでのはたらき方が基本であり、出勤時間やはたらく場所を自分で自由に選ぶことは基本的にできません。契約社員やパート・アルバイトも同様で、雇用されている企業の就業規則や契約に従ったはたらき方をすることになります。
一方、派遣社員の場合は、勤務時間や勤務期間、勤務地などについて、ライフスタイルなどに合わせた柔軟なはたらき方ができるという大きなメリットがあります。派遣会社に自分の希望条件を伝え、その条件に沿った仕事を紹介してもらうのが基本的な流れです。
そのため、「17時半までに退社したい」「自宅から45分以内の職場がいい」「扶養内ではたらきたい」など、そのときどきの希望条件で仕事を探せます。
毎日4〜5時間だけの短時間や6ヶ月だけなどの期間限定ではたらけたりもするため、「子どもの帰宅時間や介護の都合で、夕方までには帰りたい」「結婚や家族の転勤で引っ越す予定があるので、それまでの期間だけはたらきたい」など状況に合わせてはたらき方を調整できます。
他にも、残業なし、週3日、短期間、在宅勤務可、髪・ネイル自由など、こだわりの条件で仕事を探すことも可能です。
さまざまな職場を経験できる
派遣では取り扱う業種・職種も幅広く、さまざまな職場経験を積むことができます。また、正社員の採用ではハードルが高い大手企業でもチャレンジしやすい仕事があります。
想定外の業務が発生しにくい
派遣では、想定外の業務が発生しにくいメリットがあります。事前に派遣会社と仕事内容をすり合わせているため、本来の仕事から大きく外れた契約以外の業務を任されることはありません。
仮に契約を大幅に超える業務量を指示されたり、担当外の仕事を指示されるなどの想定外の事象があった場合は、派遣会社に相談すれば解決に向けて対応してもらえます。
未経験からスタートできる仕事がある
派遣では、未経験からチャレンジできる仕事も多くあります。はじめての職種や業界での仕事に派遣でチャレンジし、あらたなキャリアを築くことも可能です。また、未経験でも安心してはたらけるよう、スキルアップの研修が用意されているので安心です。
時給が高い
一般的にアルバイトやパートに比べて時給が高い傾向にあります。そのため、短い期間で効率よく収入が得られます。
厚生労働省によると、短時間労働者の1時間あたりの賃金は平均 1,476 円(男性 1,699 円、女性 1,387 円)となっています。
一方、テンプスタッフにおける派遣スタッフ全体の平均時給は1,609円です。短期労働者の時給と比較すると、平均で1時間あたり130円以上も高いことになります。
- 2024年度 パーソルテンプスタッフ(株)求人掲載実績
転勤や異動がない
正社員のように勤務先企業からの辞令で転勤や異動が求められることはありません。会社都合による環境の変化に左右されたくない方にとっては、メリットになります。
派遣会社のサポートが受けられる
派遣会社では、派遣社員をサポートするさまざまな制度が整えられています。仕事探しのときだけでなく、仕事をしている間も相談に乗ってくれるなど、常に寄り添ってサポートしてくれます。また、業務に必要なツールの使い方や英語が学べる研修が受けられるなど、キャリアサポートも充実しているので安心です。
以下は、テンプスタッフが用意している充実したキャリアサポート・研修の一例です。
サポート・研修内容 | 内容 |
---|---|
自宅で好きなときに学べる | Excel、Word、PowerPointなどのOfficeソフトの使い方を中心に、仕事に必要なスキルが学べる |
講師からみんなと学べる | 企業目線で講座を展開。オンライン開催のため、どこからでも参加ができる |
専門知識を身に付けてキャリアアップ | 専門性の高い理系やCAD、経理・貿易事務などの知識が学べる |
キャリアアドバイザー | 専任の担当者に、仕事探しから就業中、その先のキャリアまでをワンストップでサポートしてもらえる |
資格取得お祝い金 | 指定の資格を取得すると祝い金を受け取れる |
パソコン割引サービス | 高性能かつ安価な中古パソコンを特別価格で購入できる |
提携校 | 提携校のカリキュラムを特別価格で受講できる |
日本マイクロソフトの人材育成プログラム | デジタル人材育成プログラムを無料で受講できる |

派遣社員のデメリット
派遣社員のメリットを知った上で、デメリットと思われる点を知っておくことも大切です。ただし、メリット・デメリットはあくまでも個人の価値観や、そのときの状況によって異なります。
まずはメリット・デメリットの両面から、派遣への理解を深めましょう。
派遣期間に上限がある
派遣で同じ会社の同じ部署ではたらける期間は、原則最長3年です。同じ職場ではたらき続けたい方にとってはデメリットとなる一方、3年経ったら別の企業ではたらけたり、異なる業種・職種にチャレンジしたりできるので、さまざまな経験を積みたい方にはメリットになります。
裁量の大きい仕事をする機会が少ない
派遣では、契約の時点で仕事の範囲が決まっています。自分で判断できる仕事を任せてほしい方には物足りなく、デメリットと感じることもあるでしょう。一方、決められた範囲内で仕事をしたい方には、負担が少なくはたらけるメリットになります。
時給制の場合、時期により収入が左右される
時給制が多い派遣では、連休や夏季・年末年始の休暇など、実際にはたらく時間が短くなる時期には収入が減ってしまいます。休日が多い月でもうまくやりくりできるよう、計画的な支出を心がけましょう。
ボーナスや賞与がない
ボーナス(賞与)とは、夏(6月や7月)や冬(12月)に受け取れる、通常の給与とは別に支給される給与のことです。
正社員の場合、企業の規定に基づいてボーナスを受け取れる可能性がありますが、派遣社員は基本的にボーナスや賞与としての支給はありません。
企業が派遣社員を受け入れるメリットとは
派遣社員というはたらき方には労働者側に多くのメリットがありますが、派遣社員を受け入れる企業(派遣先企業)にとっても複数のメリットがあります。
派遣社員を受け入れる企業の主なメリットは以下の通りです。
- 必要なスキルや経験を持つ人にすぐに活躍してもらえる
- 派遣会社を通して双方の希望をすり合わせた上ではたらいてもらうためミスマッチが起きにくい
派遣先企業は社員教育のコストをかけることなく、求めるスキルを持つ人材を派遣してもらえます。
また、派遣先企業と派遣会社で派遣社員の仕事内容のすり合わせや、はたらく環境の共有などをした上で就業が開始されるため、スキルや労働条件のミスマッチが起きにくいというメリットもあります。

自分に合ったはたらき方を見つけよう
ここでは、派遣のしくみやメリット・デメリット、他の雇用形態との違いなどを理解した上で、実際どのような方が派遣社員に向いているのかをご紹介します。
派遣社員のメリットに魅力を感じる方
派遣社員のメリットが、自分の希望条件に当てはまるかどうか確認してみましょう。
- はたらきやすさを重視する方
仕事内容、勤務時間や場所、即日スタートなど、細かい希望条件に合わせて仕事が探せるため、自分らしさや、はたらきやすさを重視する方にはおすすめです。
- 未経験の仕事にチャレンジしてみたい方
未経験歓迎の仕事も多いので、職歴の浅い方やあらたな業界ではたらきたい方など、派遣をキャリアの入り口としてはじめての仕事にチャレンジできます。
派遣社員のデメリットへの対策
派遣社員としてはたらく上で、”派遣期間の上限”や”裁量範囲の狭さ”、”収入の変動”などの不安を感じることもありますが、事前の準備や工夫で対応ができます。
まず、同じ部署での派遣期間には原則3年という制限がありますが、早めに次の仕事について考えておくことで不安を軽減できるでしょう。紹介予定派遣を利用したり、派遣会社に今後の希望を伝えておくのも一つの方法です。
裁量の大きい仕事に就く機会は少ないですが、任された業務に丁寧に取り組みながらスキルを磨くことで、より専門的な仕事を任せてもらえる可能性が広がります。派遣会社が提供する研修やキャリアサポートも活用しましょう。
また、時給制では祝日や勤務日数により収入が変動することもありますが、その点も考慮して収入が多い月に備えをしておいたり、交通費支給などの条件面を確認して仕事を選ぶことが大切です。
雇用形態別のメリット・デメリット一覧
正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトのメリット・デメリットを一覧にまとめると以下のようになります。
メリット | デメリット | |
正社員 |
|
|
---|---|---|
契約社員 |
|
|
派遣社員 |
|
|
パート・アルバイト |
|
|

派遣社員のメリット・デメリットを踏まえて、テンプスタッフで自分に合ったはたらき方を見つけてみませんか?
派遣社員のメリット・デメリットや、正社員やアルバイト・パートなど他の雇用形態との違いをまとめてきました。それぞれの違いを踏まえた上で、派遣社員を検討してみるのも一つの選択かもしれません。
テンプスタッフは業界最大級の求人数で、数多くの選択肢から、あなたにぴったりの仕事をご案内できます。
さまざまな雇用形態や職種・業界が用意されているので、細かい条件に合わせ、自分に合ったはたらき方が選べる
勤務時間、勤務地、仕事内容、就業先、在宅勤務など、さまざまな希望条件で仕事を選べる
紹介予定派遣という雇用形態で、まず派遣として就業し、職場環境を見極めてから正社員を目指すこともできる
仕事に必要なスキルや専門知識を身に付ける講座などを通し、キャリアアップができる制度やサポートがあるので、スキルが不安な方でも安心
社会保険はもちろん、有給などの休暇制度、定期健康診断などのヘルスケアに加え、日常から休日までをサポートするお得な優待サービスもご用意しているため、安心してはたらくことができる
派遣がはじめての方でも安心してはたらけるよう、コーディネーターがあなたの希望やこれまでの経験を丁寧にヒアリングし、より希望に沿った仕事をご案内します。まずは気軽にテンプスタッフに相談することからはじめてみませんか。