これは、派遣社員として働く得田さんのお話です。
得田さんは監査法人で公認会計士 の秘書業務をしていましたが、現在は2人の娘さんを育てながらテンプスタッフを通じてベンチャー企業で働いています。
正社員としてバリバリ働いていたところから一転し2人の娘さんを育てながら派遣社員として働くことに、得田さんは何を思うのでしょうか。詳しく伺っていきました。

派遣ママ:得田(とくだ)さん長年、監査法人で公認会計士の秘書業務を担当。2人の娘を育てながら、現在はベンチャー企業で秘書業務を担当している。
得田さんは、もともと監査法人で働いていたとか?
そうなんです。新卒で、ある監査法人に事務職員として入社しました。そこでは、公認会計士の秘書業務を担当していましたね。スケジュールを調整したりですとか、色々なサポートを。

ずっとその業務を担当されて。
いえ、4年目にジョブローテーションでバックオフィスに異動になりました。海外に駐在する人たちのサポートをする感じです。そこで5年くらい働いていましたね。
じゃあ9年くらい。そもそも、なんで監査法人を選んだんですか?
それで言うと、野球ですかね。
大好きな「野球」を軸に自分の進路を決めていった
野球?
私、小学生ぐらいからずっと野球を観るのが大好きで。だから「野球観戦」をするためには終業後の時間が取れるかどうかが大事だったんです。
なるほど。仕事帰りに観戦に行けるのか、と。
ええ。それで、知り合いの公認会計士の方から「監査法人の秘書は割と、終業後は充実しているみたいだよ」と言われたので、一気に志望度が上がりましたね。
それで入れちゃうのもすごいですけど、そんなに野球が好きなんですね。
そうですね。高校も「野球が強いところ」で選びましたし。
あ、高校野球の応援で甲子園に行きたかったわけですか。
そうです、そうです。それも叶ったんですよ。同級生が春の大会に出場して。それから、大学時代もラジオの野球中継のアルバイトをしていましたね。

わあ、本当に野球好きなんですね。すごい。じゃあ実際に社会人になってからも野球をずっと観に行って。
ええ、自分の仕事もしっかりやりながら、野球観戦も充実させてました。今でいう「ワークライフバランス」の先駆けみたいな感じですかね。ただ……
保育園に落ちて焦り、「枠が空いた」と急に言われる
ただ?
実は入社2年目で同期と結婚したんです。それからしばらくして子どもができまして。
あ、そこから子育てがはじまるわけですね。
はい。でも、保育園に落ちてしまって。まあ、周りも落ちる人だらけの時期だったので「まあ、しょうがないよね」という感じではありました。ただ、2年目も落ちたんですよ……。
うーん、それは大変ですよね。

まあ育休は延長できそうだったんですけど、「どうしよう……」という状況で。私自身も子どもと一緒にいる生活が心地よくなって、「離れがたいなぁ」という気持ちにもなってきてて。
おっと。
ただ、そんなとき「枠が空きました」って連絡が来たんです。しかも「すぐに返事をください」って。
ああ、引っ越しとかで居なくなった人の枠だし、待ってる人も多いから急かされるって聞いたことありますけど、本当なんですね。
ええ、そんな急に言われても「仕事復帰の準備はできていないし、どうしよう」って感じで。もう、急遽「家族会議」をしまして。
どうなったんですか?
無理に復帰しても、時短で気を遣うばかりは嫌だった
戻る環境としてはとてもいい職場だったんです。でも、無理に戻って「すいません、今日はもう帰ります」みたいなことを言い続ける自分に耐えられるのかって思って。
ああ、わかります。どうしても時短になるでしょうしね。
夫のほうが抜けられない仕事が多いし、夫も「辞めてもいいんじゃない」って言ってくれたので、仕事は育児が落ち着いてからでもいいかと考えて会社は辞めることにしたんです。 名残惜しい気持ちもありましたけどね。
子育てを優先させたわけですか。
ええ、その後ちょうどコロナ禍になったので、「やっぱり無理に復帰しなくてよかったのかな」なんて思ったりもしました。

で、そこから数年経って「そろそろお仕事もはじめられそうかな」と思っていたらまた妊娠しまして。
あ、今日も隣に座ってもらってますけど、次女ちゃんですね。そこからまた子育てで。
そうなんです。夫も「まあ、無理して働く必要はないよ」と言ってくれるので、それに甘えながら育児をしていました。それで、下の子が3歳になった時に転機があって。
転機、というと。
幼稚園の『満3歳児クラス』に通い始めたんです。時間に余裕ができたので「よし、いよいよ仕事をはじめるか」と考えたわけです。
ようやく落ち着いて、いよいよ仕事を。

ただ、いざ仕事を探すと言っても、ブランクが8年あるわけです。しかも下の子は3歳児なので何があるか分からないですし……。上の子は小学校2年生ですけど、なぜか帰ってくるのが下の子より早くて(笑)
低学年だと謎に早かったりしますよね(笑)
人気の条件を探しては応募し、“打席”に立ち続けた
それに、「どんな仕事をしたらいいんだろう」と。私は接客業も経験がないし、事務系のバイトしかしたことがないし、前職も事務系だし。それで、ネットで調べていったんです。「事務 時短 週3日」とかで検索して。
なるほど、希望を入力して。
そうしたら「派遣」という働き方で実現できるって知って。「じゃあ派遣会社に登録しよう」と思って、「どんな会社があるの?」って調べていったら、「あ!パーソルがある!」って。
え?なぜパーソルに反応を?
「パーソルといえばパ・リーグだ!」「野球だ!」って(笑)
ああ、スポンサーですね!そこでまた野球に繋がるわけですか(笑)
これはもうテンプスタッフしかないって思って、すぐに登録したんです。

ただ、登録したものの「事務 時短 週3日」で検索してもなかなか出てこないんですよね、お仕事が。
まあ、正直その辺りは人気の条件なのですぐに決まってしまうことが多いかもしれませんね……
そうですよね。でも諦めずに、探しては応募して探しては応募してって繰り返しました。とにかく打席に立ち続けることが大事ですからね。
お、さすが野球好き。バットを振っていったわけですね。
送り迎えや買い物だけでなく、自分の時間も欲しい
それで2カ月半くらい過ぎた頃に、お電話をいただいて今の就業先を紹介してもらいました。粘った甲斐があり、ベンチャーのコンサルティング会社で週3日・4時間半・完全在宅のお仕事でした。
完全在宅ですか。それはすごい。どうですか、久々に働いてみて。
いやあ、TeamsだとかSlackだとか、ツールが色々と新しくなっていて最初はついていくので必死でした。ただ、仕事の内容は秘書業務で調整役がメインなので、前職での経験を活かすことができました。
そういえば得田さん、就業先から「もっと日数を増やしてほしい」という要望を受けたと聞きました。
ええ、求められるのは大変ありがたいことなんですけど……
増やしはしない?
そうですね。今、長女も習いごとをしていて割と時間がタイトなんですよね。次女の幼稚園の送り迎えだけでも勤務時間の前後の分単位で動いていて。長女は学校からすぐ帰ってきますし。
長女ちゃん:3年生になったらちょっと時間が遅くなるよ。

そうだよね。だから、いま勤務日数や時間を増やしてしまうと習い事の送り迎えも難しくなりますし、買い物とか家のことが何もできなくなりそうですし、自分の時間も欲しいですし……
ママもたまには、ゆっくりランチとかしたいですもんね。
そうなんですよ。
休む時に恐縮するより、子ども達を優先したかった
働くのも好きだから日数や時間を増やしてもいいかなという気持ちもあるんですけどね。
ただ、何かあって休む時に恐縮してしまったり、私の仕事のせいで子ども達がやりたいことを躊躇してしまったりするよりは、自分にも子ども達にも無理をさせない働き方をしたいなって。
なるほど。じゃあ、お断りをしたんですか。
ええ、「現時点では今のままの働き方でいきたいです」ってお伝えしました。時間にもっと余裕ができたら、そのタイミングで増やす方がいいかなって。
確かに、そうかもしれませんね。
やっぱり、色々と自分の理想を考えてみたら、自分自身が「働きたい」っていう気持ちよりも、「この子達のやりたいことを優先してあげたい」っていう気持ちの方が強いのもあって。長女はいま習い事も2つ頑張っていますし。
長女ちゃん:うん。チアとバスケをやってるんだ。

そっか。じゃあ、次女ちゃんもこれから習い事とかやりたくなるでしょうしね。
そうなんです。でも、今の派遣という働き方だと子どもに無理をさせることなく私のほうで何とかコントロールができるので、ありがたいですね。
それは良かったです。
子ども達とも野球観戦に行ったりして楽しみながら、これからも柔軟に働いていきたいと思ってます。
