これは、テンプスタッフを通じて派遣社員として働いている鈴木さん(仮名)のお話です。
鈴木さんはもともと派遣会社に複数登録しており、別の派遣会社を通じて就業されていましたが、現在はテンプスタッフに乗り換えて活躍されています。
なぜ鈴木さんが派遣を選び、テンプスタッフに乗り換えたのか。詳しく伺っていきました。
鈴木さんは、学校を卒業後に正社員として働いていたんですか?
卒業してから就職はしたんですけど、「なんか違うな」と思って辞めました。私は昔から海外に興味があって、海外に行きたかったんです。
海外に憧れ、お金を貯めるためにアルバイトの登録へ
海外に行きたかったのは、子どもの頃に行っていたとか?
いえ、ご存じないかもしれませんが、テレビでやっていた『兼高かおる世界の旅』って番組が大好きで。それで憧れて「私も海外のいろんなところに行きたい」って。

そうでしたか。でもいろんな国へ、となるとお金がかかりますよね。
そうなんです。それで、「お金を貯めなきゃ」ということで、駅前にある百貨店にアルバイトの登録に行きました。
百貨店でのアルバイト。
はい。そうしたら、その百貨店にあるラグジュアリーブランドに配属になって。「そんな高級な商材を扱えるかな……」って不安だったんですけど「みんな何も分からないところから始めてますよ」って言われて「じゃあやります」と。
ラグジュアリーブランドはすごいですね。そこでアルバイトを始めたと。
それで、しばらくしたら社員である店長から「副店長をやってほしい」とお声をかけていただきまして。ありがたいことですのでお受けして、それで社員になりました。
副店長! じゃあ、社員になってお金を貯めて、それで海外へ。
いえ。それが、社員研修旅行で海外に行く機会に恵まれまして。
ラグジュアリーブランドの店舗で接客を学んだ
そうなんですか。さすがラグジュアリーブランドですね。
研修はパリに行きました。社員研修旅行はオーストラリアや香港、グアムやハワイにも連れて行っていただきました。
ええっ!? じゃあ、プライベートで行く必要がなくなりましたね。
そうなんです。やっぱり、高級なものを扱いますので「世の中のアッパー層の方たちを知っておかなければいけない」ということで、本当に待遇は良かったですね。泊まるホテルも五つ星のところばかりで。
う、うらやましすぎる……。でも、その経験が接客にも活かされていったわけですね。
そうかもしれません。例えば、店舗では「商品の説明」をするような接客はまったくしませんでした。とにかくお客様に注目をするんです。
お客様に注目を。
ええ。例えば、来店された際のバッグの大きさを見て「普段からそのサイズをお持ちですか?」と聞いたり、財布であれば「どういった使い方をされていますか?」と聞いたり。
単に目の前の商品をセールスするわけではないと。
そう。なにか質問をしますと、答えが返ってきます。その答えから価値観を見たり、お客様の商品選びに結びつく点を考えたりするんです。ですから、こちらが一方的に話をするということはしていなかったですね。
なるほど。
精神的にも大変になり、スパッと退職
それと、長くいるとお客様とも長いお付き合いになるんですが、アプローチの仕方もお客様によって変えていました。この方にはお手紙を書こうとか、この方には新商品をすぐにご案内したほうがいいとか。
へえ。やっぱり、ラグジュアリーブランドの接客は深いですね。
ええ、ただ接客は大好きだったんですけど、長く勤めていると大変なことも増えていきましたね。
大変なことというのは、どんなことでしょう。

やはり役職についていくと、部下のスタッフが増えていくわけです。その子たちを評価しなきゃいけないとか。店舗の売上を作っていかなきゃいけないとか。
ああ、よく耳にする悩みですね。部下となる方はどのくらいいたんですか?
札幌の店舗を担当していた時は2フロアで60名くらいですね。商材も多くて、適材適所を考えてあげなきゃいけなかったり、それでも不満が出てしまったり、本当に精神的にも大変でした。
それは確かに負担が大きそうですね。
なので、「これはストレスだな」と思ってスパッと辞めました。まあ、子どもも欲しかったですし、私自身の人生を大切にしたいなと。
派遣会社に複数登録し、テンプスタッフに乗り換え
わあ、思い切りがいいですね。じゃあ、そこからは仕事を離れて。
そうですね。15年近くは働いてなくて、子どもが中学2年の時に「派遣で働こう」と思ってテンプスタッフではない他の派遣会社に登録していました。そこでコールセンターのお仕事を3年くらいやっていました。
コールセンターを3年。
ええ、それで「契約社員になりませんか」とお話をいただきましたが、その時のコールセンターはクレームも受けるように業務内容が変わってしまい、毎日のように電話越しに怒られていたんですね。
それはまた、きつそうですね。
本当にきつくて。突発性難聴にもなって、一時期は耳も聞こえなくなっちゃって……。それで「これは無理だ」と思って、他の派遣のお仕事に変えようと考えました。

そうでしたか。派遣会社の登録は何社ほどしていたんですか?
もともとお仕事をしていたところを含め4社ですね。その中からテンプスタッフに乗り換えることにしました。
なぜその中からテンプスタッフを選んでいただけたんでしょうか。時給が良いお仕事でしたか?
いえ。時給ではないですね。最初の派遣会社からもお仕事を紹介されていました。最初の担当者とは別の方でしたけれども。ただ、それが……。
選んだ理由は時給ではなく「親身になってくれる」から
どうしたんですか?
「線」ではなく「点」で見ている、といいましょうか。私がコールセンター経験者ということになるので、コールセンターのお仕事しか紹介がなくて。もっと過去もさかのぼって「この人だったら、こんな仕事もできるんじゃないか」と可能性を探っていただきたいなって。

先ほどのラグジュアリーブランドの接客でいうところの「お客様に注目をする」という視点が欲しい、と。
そうですね。私はコールセンター以外のお仕事がいいなと思っていて、それで新しいところを探していたんです。それで、ある時ネット上のテンプスタッフの評判で『年齢が高めの方でも、その人のキャリアを考えた職に就かせてくれる』みたいなのがあって。
そんな評判がありましたか。
ええ、それで「年齢が高くても、親身になってくれるんだ」と思ってテンプスタッフに乗り換えようと考えたわけです。
そうだったんですね。
ただ、派遣スタッフ側としても注意しなきゃいけないことがあるなと思いました。
派遣スタッフも自分のキャリアをきっちり提示すべき
え、なんですか?
登録の際は自分の情報をスマホで入力していましたけど、自分のやってきたことはしっかりと書くべきだな、と。

テンプスタッフの営業の方が「鈴木さんは色々と細かく書いてくださったので、すごくお仕事を紹介しやすい」って言ってくださったので。
仕事を紹介してもらう側として、細かく情報を伝えることはやらなきゃいけない、と。
ええ、自分自身のキャリアを無駄なく使っていただけるように、きっちりと提示する必要もあるのかなって思いました。
そこまで考えていただけるなんて、派遣会社としては嬉しい限りです。今のお仕事はいかがですか?
今は、自動車会社の扱っている製品のお客様サポート窓口です。それに付随して、経理や営業のサポートなど様々な業務を担当させていただいてます。
まさにキャリアを無駄なく活かしている、と。
そうですね。ただ“これまでのキャリア”も大事ですけど、職場で働くうえでも大事なことがあると思っていまして。
なんでしょう。
私は職場でも年齢が一番上だと思うんですけど、変にプライドを持たずに分からないことは素直に「分からないので教えてください」って若い人に聞くことも大事かなと。若い人から学ぶことも、たくさんありますからね。
わあ。その学ぶ姿勢も素敵ですね。
いえいえ、丁寧に教えてくださる方も多くて助かっています。本当に良い職場を紹介してくださって、テンプスタッフの皆さんには感謝しています。これからもこの会社で頑張っていきたいですね。
鈴木さんの今後の活躍も期待しています。ありがとうございました!
