本記事では派遣営業の1日のスケジュールを通じて、派遣営業が日々「何を考えながら仕事をしているのか」を紐解いていきます。

メンタルを整え営業の仕事がうまくいかない状態を脱した尾崎

今回の派遣営業:尾崎 亮(オザキ リョウ)2006年ピープルスタッフ入社
(現:パーソルテンプスタッフ)
所属:中部第一営業部 浜松オフィス
勤務地:浜松
担当エリア:浜松
担当スタッフ数:80名ほど(2024年6月現在)

派遣営業の1日尾崎 亮の場合)

浜松のオフィスから家まで歩いて15分くらいの近いところに住んでいますので、朝は遅いですね。夜型でギリギリまで寝ていたいタイプですし、8時半ぐらいに起きて9時に出社しています。

その日のスケジュールは大体頭に入っているので、ざっと確認したらすぐに動きはじめます。オフィスにいるのは1時間くらいで、すぐに営業先に向かって外出しますね。営業先には車で出ていくことが多いでしょうか。

メンタルを整え営業の仕事がうまくいかない状態を脱した尾崎

ランチ

車に乗って営業先を回っていますので、お昼はコンビニでお弁当を買って食べたりすることが多いです。

浜松にはおいしいお弁当屋の『知久屋(ちくや)』さんっていうチェーンがあるんですよ。浜松に本社があって、静岡にしかないお弁当チェーンです。

健康面も考えてくれてるメニューですし、味も良いので気に入っています。

午後

担当しているスタッフの方は80名くらいいるんですが、できる限り対面でお会いしてフォローしたいので、そこに時間を使っています。

それから夕方にオフィスに戻って、事務処理であったりグループ会社向けの資料を作ったり、打ち合わせをしたりと何だかんだ夜は遅くなってしまうことが多いです。

それに、夜になってスタッフの方から電話をもらって、仕事のことを相談されたりすることもありますからね。もちろん会社としては残業を推奨していませんけども、僕としてはまったく苦じゃなかったりします。

メンタルを整え営業の仕事がうまくいかない状態を脱した尾崎

僕には働きたい強い気持ちや目的がなかった

スタッフの方からはいろんな相談を受けますし、僕自身も喜んで対応をしていますが、もともと仕事に積極的なタイプではありませんでした。

僕は岐阜出身ですけど、大学を卒業してから京都でフリーターをしていたんです。少し斜に構えているところがあって、皆がやる『就職活動』を一緒にやるのが嫌で、かといって別にやりたいこともなかったので、ずっと飲食のバイトをしていて。

でも「さすがにそろそろ正社員で働かなきゃマズイかな」と思ってきて「就職するか……」という気持ちになったんですけど、何をしたらいいか分からない。第二新卒もなかなか受け入れてもらえない。それで、考えた結果、法律事務所に行こうと思ったんです。

というのも、当時好きだった海外ドラマで『アリー my Love』っていうのがあって、法廷モノで弁護士の秘書みたいな人が出てきたんです。その姿がいいなと思って、新聞に載っていた法律事務所の求人に片っ端から履歴書を送りました。100通くらいは出しましたね。

そうしたら1社だけ大阪の小さな法律事務所が拾ってくださって、未経験なのにありがたかったですが、問題は法律事務所に憧れていただけだったところ。もともと働きたい強い気持ちというか仕事の目的がなかったんです。

メンタルを整え営業の仕事がうまくいかない状態を脱した尾崎

だから、しばらくして岐阜の親から「戻ってこい」って言われて辞めてしまいました。ただ、実家は田舎だから戻りたくはないけど「まあ、そういうなら少し近くに行くか」ってことで名古屋に移り住んだんです。

次は社労士事務所を選んだんですが、社労士の先生とウマが合わなくて、そこもすぐに辞めてしまって……。

仕事は充実。ただ、収入を重視して転職することに

どの仕事も長く続かなくて「どうしよう……」と思いましたね。それで「きちんと強い気持ちを持って仕事と向き合おう」と考えて探していったら、派遣会社の営業職を募集しているのが気になってきました。

それで何社か受けてみたんです。そのうちの1社に『ピープルスタッフ』という会社があって、面接を受けてみたら自分のことをすごく知ろうとしてくれて、距離感も近く感じて、「いいな」と思って。

そうしたら採用してもらえたので、入社しました。それが、のちの『テンプスタッフ・ピープル』で、現在の『パーソルテンプスタッフ』ですね。

メンタルを整え営業の仕事がうまくいかない状態を脱した尾崎

入社して7年くらいが経って、結婚もして、仕事も充実してきましたが、ちょっとした「変化」が来てしまいました。仕事はすごく楽しくなっていったんですけど30代になったばかりですし、収入がそこまで多いわけではありません。

ちょうど子どもも間もなく生まれそうだというタイミングでもあったので、収入を重視して転職エージェントに登録したんです。それで、自動車部品メーカーの人事の仕事が見つかって、転職することになりました。ただ、その転職先ですぐに限界が来てしまって……。

仕事が合わず体調も崩し、メンタルも限界に

会社の社風とか仕事の進め方が合わなくて、徐々に苦しくなっていきました。逆に「テンプスタッフは良かったな。働きやすかったな……」ってどんどん思えてきて。上長とも距離が近くて話しやすかったし、何より風通しが良かった。

「残っていたらもっとチャレンジができたかもしれない」という後悔の念も強く沸いてきました。自分を責めるようにもなってしまって、徐々にメンタルも追い詰められていきましたね。本当に、“最期の一歩”を踏み出してしまいそうな感覚で。

会社の入り口に行くと動悸がするようにもなるし、体調も崩すし、「これはダメだ」と。それで病院に行ったら、お医者さんからも「休みなさい」と言われたので休みました。ただ、ずっと突っ走ってきたのに急に休んだもんだから、反動で何もする気が起きなくなってしまいましたね。

でも段々と、「このままじゃマズイ」と気持ち的にも焦ってきて、「やっぱりテンプスタッフに復帰したい」という思いを強くしていきました。家族に迷惑を掛けられないし、『気持ちの面でも充実していた頃の自分』を取り戻したくなったんです。

メンタルを整え営業の仕事がうまくいかない状態を脱した尾崎

それで、辞めた時の上司を居酒屋に呼んで、頭を下げて「もう1回、テンプスタッフに戻らせてください」ってお願いをしました。実はその上司は、僕に営業のイロハを教えてくれた人なんですが、辞める時も引き止めてくれていたんです。

その人が引き止めてくれたのに裏切って辞めて、それでまた「戻りたい」なんて虫が良すぎるんですが……。それでも気持ちを伝えて頭を下げて、何とか戻らせてもらうことになりました。

メンタルを整えないと仕事はうまくいかない

そうしてテンプスタッフに戻ってから、もう10年が経ちました。

戻ってからすぐに順調だったわけではなく、仕事で空回りをして迷惑を掛けてしまうことも多くありました。でも今は、いろんな人からアドバイスをもらって冷静になり、視野も広く仕事と向き合うことができるようになってきたと思います。

メンタルを整え営業の仕事がうまくいかない状態を脱した尾崎

グループ会社との連携を強化したことで、それを評価いただいて賞をもらうこともありました。また、スタッフやお客様にも満足してもらって売上にもつなげることができ、昨年には社長賞もいただきました。

そして、気が付けば担当する派遣スタッフの方も増え、様々な相談をされるようになっていきました。初めの頃はスタッフの方が言うことを何でも聞いて、何でも言うとおりにしてあげていたんです。でもそれは「結局、スタッフのためにならないな」と思うようにもなりました。

そもそもスタッフご自身が目の前の仕事に立ち向かう姿勢だったり、困難が降りかかっても諦めない心だったり、そういったメンタル部分を整えておかなきゃいけない。僕自身の仕事がうまくいかなかった経験からも、そんなことを思うんです。

本当にメンタル次第というか、気持ちの持ち方で結果は変わってきますからね。ですので、スタッフの方に対してもメンタル面の部分からしっかり話を引き出したうえで自立ができるお手伝いをしたいと思うようになっています。

そんな支援において、僕のこれまでの経験を少しでも活かすことができたら、嬉しいですね。

メンタルを整え営業の仕事がうまくいかない状態を脱した尾崎