これは、パーソルマーケティングを通じて派遣社員として働く池田さんのお話です。
埼玉で育った池田さんは、正社員で不動産会社の事務職をしていましたが、現在は派遣社員として販売職に従事しています。
池田さんがなぜ事務職から販売職へと移り、正社員から派遣社員という働き方に変えたのか。詳しくお話を聞いていきました。
池田さんはもともと、正社員として不動産会社に入られたとか?
はい、高卒で事務職として入社しました。商業高校の出身だったので、パソコンの勉強もしていましたし簿記などの検定も受けていたんです。
人間関係が激しい職場で誰にも相談できず
そもそも商業高校に入ったのは何か目的があったんでしょうか。
うちは片親で母親に育てられたんですけど、やっぱり他の家の子よりも少し貧しいところがあって……。「自分で自由に使えるお金がほしいな」という気持ちが強くて早く働きたかったんです。

なるほど、いざ社会人として会社に入ってみていかがでしたか。
それが、私には合わなくて。
どんなところが?
その不動産会社が割と『体育会系』な感じで厳しい方たちばかりで、最初の1カ月で「辞めたいな」と思ってしまいました。
事務職でも体育会系だったんですか。
事務職のほうは女性同士の人間関係が激しかったです。なんだかドラマで見るような、もう結構なドロドロ具合で……。私は割と穏やかに働きたいタイプだったので、「失敗したかなあ」と思いました。
誰かに相談とかはできなかったんですか?
その会社はずっと「新しく入ってきた人が厳しくされる」という環境だったようなので、上の人には相談しても、まともに取り合ってもらえませんでしたし、友達に時々話を聞いてもらうことくらいしかできなくて……。

販売職に目覚め、正社員で店長へ
それで、1カ月で「辞めたい」と思って、結局は……?
あ、でも3年続けました。最初の職場ということもありましたし、勉強になる部分もあるのかなと思って耐えましたね。まあ、仕事を教わるというより、“自分で見て学ぶ”という感じでしたけど。
すごい。自分で学びながら3年も耐えたんですね。
ええ。でも、それで「もう事務職はいいかな」と思ってしまって、今度はスーパーのパートで半年ぐらい働きました。
スーパーのパートで。
はい。週5日でお給料は少なかったですけど、当時は実家暮らしだったのでまあ良いかなって。そこで販売の仕事に携わったら結構楽しくて、「販売職っていいな」と気づくきっかけになりました。
それで、次はどうしたんですか?
その当時、天然石が好きだったんですけど、その縁もあって天然石のお店に正社員として入らせてもらうことになったんです。

好きなものの販売に携わるって、楽しそうですね。
ええ、すごくいいお店を見つけた感じがしましたね。そこで店長も任せてもらえるようになって、仕事への意識も変わっていきました。ただ……。
ただ?
再び人間関係に苦しみ、抜け出すことに
今までのお仕事の経験からも、なかなか自分に自信が持てなくて、人間関係の部分で悩んでしまうことが多く……。精神的に落ち込んでしまうこともよくありました。
なんと、また人間関係ですか……。
店長という立場だと、何か不安なことがあっても相談しにくいんですよね。相手も同じ立場でないと目線も違うので、話が伝わりにくかったり。
じゃあ、一人で抱えこんでしまった感じで。
はい、そういったことも少なくなかったですね。それだけじゃなくて、お休みの日にも連絡が入ってくるとか、残業もしなきゃいけないとか、結構仕事のことが常に頭のどこかにある状態で。それで、色々と考えてしまいました。
考えてしまった、というと?
今後のキャリアのことですね。お仕事は楽しかったんですけど、お給料もほとんど上がらないですし……。このままずっと同じ仕事をして、同じ生活をして、何も変えずにいいのかなって。

それで、今の環境を抜け出そう、と。
そうですね。高校を卒業してからずっと仕事のことで頭がいっぱいだったので、ちょっと「自分の時間」を作ってみたいなって思ったんです。
なるほど。
派遣で大手百貨店の地下の食品売り場へ
なので、お給料もそれなりに良くて、自分の時間も作れるような環境ってないのかなと思っていた時に、知り合いの人が「それなら派遣はどう?」って教えてくれて。それで探してみようかなって思いました。
じゃあ、まずは仕事から探した感じですか?
そうですね。ネットでお仕事情報を探して、その中で「この仕事がいいな」と思って応募したら、パーソルマーケティングが扱っていたんです。

ちなみに「いいな」と思った仕事はどういった?
洋菓子の販売でした。ただ、応募した時にはその仕事が終わってしまっていたんです。そうしたら、その際にすごくいろんな条件面を細かく聞いてくださって。
代わりのお仕事を提案された、と。
ええ、提案されたのが和菓子の販売でしたけど、お店を見に行ったら大手百貨店の地下の食品売り場で、すごく雰囲気も良くて。いい所を紹介していただけたなって思いました。
派遣は「常に相談できる人がいる」という安心感
実際に働いてみて、いかがでしたか?
お仕事自体は本当にすごく楽しいです。お客様といろんな話をしながらご要望に応じた提案をしたりして。
会話を楽しみながら。いいですね。
あと、何よりも自分がリラックスして落ち着いて働けるっていうのは良かったですね。派遣で働くと時間も守られてますし。
残業も少ないですか。
はい。あと、一番大きかったのはやっぱり常に話を聞いてくださる方がいるっていうのが、私にはすごく心強かったです。「何か相談したいことがあったら連絡できる担当営業さんがいる」というのは安心感が全然違うな、と。
これまでは相談する人がいなかったって、おっしゃってましたもんね。
派遣って、仕組みとして間に人が入ってくれて仕事に対して同じ目線で相談に乗ってくださるので、私にとってはそこが一番良かったと思うところですね。担当の方はどの人も優しくて話しやすいですし。
それは良かったです。

派遣で和菓子販売のお仕事を始めたわけですけど、実は私の大叔父が東京で和菓子屋さんをやっていたってことを最近知って。
へえ、すごい! じゃあ池田さんにもそういう血が流れてるんですかね。
親戚にも言われましたね。この仕事がすごく好きなので、本当にそうなんだろうと思います。
いずれは人の相談に乗るような仕事をしてみたい
最初の不動産会社の事務は大変そうでしたけど、合う仕事が見つかって良かったですね。
あ、でも不動産会社の事務の時に学んだことは今のお仕事にも間違いなく活きていますね。だから、「あの時の経験も無駄じゃなかったんだな」って思います。
なるほど。「自分の時間を作ってみたい」とおっしゃっていましたが、今はどうですか?
実は、派遣で働く前から「自分の好きなことを自分で仕事にしていきたいな」っていう気持ちがあって、そのためにも派遣を選んだんですけど、今はその準備をしつつあります。

その、仕事にしていきたい「自分の好きなこと」ってお伺いしてもいいですか?
ええ。私は人の話を聞くのも好きで、自分と同じような大変な思いをしてきた人がいたら、少しでもそういう人たちの相談に乗って支えになれたらいいなって思っていて。
わあ、素晴らしい。
なので、心理学とか占いの勉強をしています。今後は派遣と並行しながらでも自分で何かビジネスができたらな、と。
いいですね。楽しそう。
そうですよね。やっぱり仕事をしている時間が一番人生で長いと思うので、せっかくなら楽しみながら働きたいなって思っています。