本記事では派遣営業の1日のスケジュールを通じて、派遣営業が日々「何を考えながら仕事をしているのか」を紐解いていきます。

今回の派遣営業:森田 伊万里(モリタ イマリ)2019年4月パーソルテンプスタッフ入社
所属:新宿6課 クライアントサービス
勤務地:新宿
担当エリア:新宿
担当スタッフ数:85名(2021年11月現在)

派遣営業の1日(森田 伊万里の場合)

朝9時

電車で30分くらいかけて新宿のオフィスに通勤して、出社してからはまずメールを確認します。メールはクライアントとスタッフの方から来ることがほとんどですね。クライアントからは新しい派遣の依頼連絡であるとか、スタッフの方への業務成果について連絡をいただきます。

スタッフの方からは業務の相談や近況報告が多いでしょうか。就業時間後や就業時間前にメールを書いてくださるので、朝の時間に確認して返信をさせていただいてます。

朝10時

10時くらいには外に出て、クライアントやスタッフの方に会いに行くことが多いです。就業中のスタッフの方がいるところであれば、クライアントから今の業務成果を聞くようにします。クライアントから求められる業務内容も変化していきますので、そういったところをキャッチアップしながらスタッフの方との打ち合わせでフィードバックして、より良く働ける環境を目指していきます。

スタッフの方との打ち合わせでは、キャリアの相談をよく受けますね。最近では、「司法書士になりたくて、スクールに通って勉強しながら働きたい」という相談を受けました。司法書士に関するアドバイスはできませんが、派遣として働く部分に関しては少しでもお手伝いできるところがないかな、と考えながら対応させていただきました。

スタッフの方からキャリアの相談を受けつつも、クライアント側にもスタッフのことをお伝えするようにしています。「あのスタッフの方はこんな思いで働いてらっしゃいますよ」とかですね。担当者のなかには、今後も継続してくれるのかと気にされていることも多いのですが、直接は聞きづらいと思っている人も多いんです。そのため、スタッフの方向性や業務についての感想などはスタッフとも相談のうえ、お伝えするようにしています。

派遣というのは契約してもらったら終わりということではなく、長期的に気持ちよく働いていただくことが大事になるので、クライアントとスタッフの方で良い関係を築いてもらえるような動きを心掛けています。

お昼すぎ

私の場合、クライアントの業種は決まっていなくて担当地域が決まっているだけなんですが、地域は新宿全域です。ちなみに新宿2丁目とか新宿3丁目近辺は多国籍料理店が多いので、ランチはその辺りで済ませることが多いですね。特にお気に入りのタイ料理屋さんがあって、よく通っています。

午後になるといろんな仕事をしています。職場見学の対応や、新しく働く場を見つけるために、新規の企業に訪問して営業活動をするとか。

営業的な会議も定期的にあって、社内で顔を合わせて数値の確認や情報の共有をしています。成功事例のシェアなどもされるので、私たちのような若手にとっては良い勉強の機会になっていますね。

あと、スタッフの方が応募してきた際に対応するコーディネーターからの連絡もあります。「こんなスタッフからエントリーが来てます」「紹介してみようと思うんだけどどうだろう」といった感じですね。

夕方以降

営業先から戻ってきたら、コーディネーターからの連絡をもとにスタッフの方について話し合ったりします。たとえば、クライアントからの要望として「業務スキルや経験などは譲れない」と私たちが伺ったとします。一方で、スタッフの方に接したコーディネーターからは「そこには至らない部分もあるけど、他の部分が優れているから、ぜひ紹介して欲しい」という要望を受ける場合もあるわけです。

こういった場合、お互いに自分の主張を無理に通そうとするわけではなくて、「クライアントとスタッフのどちらもが幸せになるにはどうしたらいいか」という道を探すための議論をしています。変えられないものと変えられるものがありますので、適切なマッチングをしていかないと、どちらにも不満を持たれてしまいますからね。

そんなこともあって、夜は20時くらいになってしまうこともあります。それと、「契約の切り替わりのタイミング」も、書類が多くなるので忙しいですね。契約は四半期ごとに結んでいるクライアントが多いので、その前の月はどうしても書類に追われてしまいます。

派遣営業になったのは、両親の影響があるかもしれない

なぜ派遣営業の仕事を選んだのか

私が中学三年生の時に、自分の両親がちょうど転職するタイミングだったんです。でも、なかなか上手くいかなかったみたいで毎日ツラそうにしているのを目の当たりにしていて「大変そうだな……」と思っていました。その時に、「人生の大部分を占める『仕事』が安定しているか、充実しているか、というのはとても大事なんだな」と中学生ながらに感じたものでした。

それで、いざ就職するときにその記憶が頭をよぎって、「自分がどこかに介することで、仕事が少しでも楽しいものになったり、豊かな気持ちになったりするようなことをしたいな」と思って“仕事を紹介する仕事”を選んでいくことになりました。
ただ、いざその職に就いてはみたものの、そう簡単ではなかったですね。

苦い経験を経て、スタッフの方を深く知りたいと思うように

最初の頃は目の前の業務のことしか考えられなくて、スタッフの方を悲しい気持ちにさせてしまうこともありました。

詳しくは言えませんが、スタッフの方から仕事のことで相談されていたにも関わらず、そのことをクライアントの担当者に上手く伝えることができていなくて……。それで、担当者からの業務指示がスタッフの方を苦しめることになってしまい、そのスタッフの方は長期的に就業することが難しくなってしまったことがありました。

その時は私もすごく落ち込んでしまいましたが、そのスタッフから相談を受けた時に「本当の気持ちが何なのか」「それをクライアント側が対応できるのか」「クライアント側にはどう伝えるべきか」というのをしっかり判断するために、もっと深く話を聞かなければいけなかったと反省しました。

だから、派遣営業という仕事は単に案件を紹介するとか仕事内容の紹介をするだけでなく、スタッフの嗜好性や価値観などを含め、いかに自分たちが深いところまで知っていて、スタッフと信頼関係を構築できているかがすごく大事だなと思いますね。

「仕事が楽しいです」という言葉が、とにかく嬉しかった

最近の話なんですが、新宿区のとある公共施設で働きはじめて4カ月経ったスタッフの方からメールが届きまして。そのメールには、こう書かれていたんです。

森田さん

突然ですが、わたし最近、仕事が楽しいです。今までは、仕事はとても大変でしたし、生活も大変でした。けれど、今の職場はとても楽しいし、業務もやりがいがあります。

そんな書き出しのメールをくださって、グッときました。

そもそも派遣スタッフは就業先の担当者から評価されることも少ないし、直接的な面談がない会社も多いので、担当者の人がどう思っているかを知る機会が少ないんですね。なので、私が訪問して様子を伺った際に、スタッフの行動や対応方法など良い点についてお話をしてくださった場合には、しっかりとスタッフの方に伝えるようにしていたんです。

そうしたら、そのメールにもこんなことを書いてくださって。

担当者の方がそんな風に見てくれているというのはとても励みになりますし、
これからも頑張っていきたいと思っています。
森田さんもいつも来てくれてありがとうございます!

このメールは、とにかく嬉しかったですね。仕事を楽しんでくれていることがものすごく伝わってきました。

私の両親もそうでしたが、仕事って大変なことが多いから、「楽しい」って感じることができるのはスゴイことですよね。でも、自分が一生懸命考え抜いてご紹介した会社で、その「楽しい」って感情を抱いてくれたというのは、派遣営業としてすごく光栄なことだと思いましたし、それをわざわざ私に伝えてくれたというのがさらに嬉しいことでした。

こういったスタッフをもっと増やすために、頑張っていきたいですね。