東京で働いていた丸山さんは、結婚を機に退職。その後、双子を出産されますが、現在は愛知で派遣社員として学校事務のお仕事をされています。
双子の育児は大変ではないのか、ワンオペで苦しんでいらっしゃらないのか、詳しく伺ってみました。

派遣ママ:丸山(まるやま)さん男の子と女の子の双子を出産・育児するママ。派遣スタッフとして名古屋にある大学に勤務し、事務業務を行っている。
丸山さんは、もともと東京で働いていたとか?
そうです。東京で働いていて、結婚しまして。夫の転勤で仙台に行くことになりました。
双子の出産は大変なのに、里帰りは断念
転勤で仙台に。
ええ。その後しばらくして、妊娠が分かったんですが、それと同時にまた転勤で、今度は愛知に。
あらら、大変ですね。旦那さんは転勤が多いんですか?
そうですね。5~6年スパンで転勤がある会社みたいで。

じゃあ、愛知で出産されたわけですね。
そうなんです。双子なので大変でした。
え、双子!
珍しいですよね。しかも、男女なんですよ。
双子で男女!病院では普通に対応してもらえました?
あ、大きい病院に転院になりましたね。紹介状を書いてもらって。
そうですよね。大変だ……。里帰り出産をされたんでしょうか。
里帰りするか迷ったんですけど、私の実家が青森で、夫の実家が横浜で、それぞれ遠いんですよ。それに、愛知への転勤も決まったタイミングだったし、どうしようって……。
わあ……。
そうしたら夫が「自分が何とかするから」って言うので里帰りはやめて、愛知の病院に入ることにしたんです。
双子の育児は記憶がなくなるくらい壮絶だった
双子の場合、病院での対応も長くなるんじゃないですか?
ええ、結果的に2カ月ぐらい入院になってしまいましたね。でも無事に出産して。
無事に産まれて良かったです。旦那さんも手伝ってくださったんですか。
はい。毎日病院に来てくれて、日々の着替えやら何やら世話してくれました。
2カ月の入院ということですけど、退院した後も大変なんじゃないですか?
とにかく忙しいですね。何をするにも2人分なので。

ベビーカーも2人用ですもんね。
ええ、うちは縦型にしました。横型だと改札で引っかかる駅があったりするので。
そうなんですね。あとは何が大変ですか?
寝たり、ご飯食べたり、という生活のリズムが2人でも違う感じがするんですよね。それで忙しくて。
へえ。違うんですね。
2人の性格も全然違うので、片方をフォローすると、もう片方のフォローが足りなくなったりして。今もそうなんですけど、同じことを言っても言うことを聞くほうと聞かないほうがいるんです。

わあ、それは大変。
あとは、授乳だとかオムツ替えも2倍になるので、今となっては記憶がないくらい慌ただしかったです。よく乗り越えたなって……。
……壮絶ですね。保育園にはいつ頃から?
派遣で働くうえでの第一希望は「家から近い」
保育園は1歳半からですね。
すぐに入園できました?
いえ、すごく待機児童が多い地域だったので大変でした。何回も区役所に行って、情報をもらってっていうのを繰り返してましたね。点数がどれぐらいで、とか。
あの点数を稼ぐの大変なんですよね。
そうなんです。それで、結局は3歳までの「小規模保育園」ってところに入れて、その後に転園させる形にしました。

じゃあ、小規模保育園に入れて、そこから仕事探しを。
そうですね。私は「もうちょっとゆっくりしてもいいんじゃないかな」って、のんびり考えていたんですけど、夫が「今の時代は2人とも働くのがスタンダードだよね」みたいなタイプで。
「一緒に頑張ろうよ」と。
はい。それで、「じゃあ、家から近い職場がいいな」ってことでテンプスタッフに登録して派遣で働こうと思いました。
第一希望は、とにかく「家から近い」でしたか。
そうですね。「家から近い」「残業なし」を第一希望に探してました。
子ども以外のことを考える感覚が久しぶり
お仕事はすぐに見つかりましたか?
最寄り駅からいくつか目星をつけていて、テンプスタッフのオフィスに登録に行ったときに「もうこれがいいなと思っている希望求人があるんですけど」って伝えて。
なるほど、早い。
その場で相談に乗ってくださって、すぐに決まったので「テンプスタッフにして良かったなあ」と思いました。

それは良かったです。じゃあ、いよいよお子さんを預けてお仕事に。
ええ、学校事務のお仕事で決まったんですけど、最初に預ける時は不安がありましたね。正直「預けたくない」とも思うくらいで。
最初は落ち着かないですよね。
そうなんですよ。「どうしてるかな?」「今ごろ何してるんだろう」って常に考えちゃうんですけど、こちらは仕事のことを考えなきゃいけないので、「あ、考えなくていいんだ」って。そういう感覚がすごく久しぶりで戸惑いましたね。
分かります。子ども以外のことを考えるのが不思議なんですよね。
ええ、もう本当にそわそわして、パソコンに向かいながら「あ、私は今、仕事してるんだ!」「すごい!」みたいな(笑)。不思議な感覚になりました。
夫の協力もあり、ワンオペせずに済んだ
家事などはワンオペにはなりませんでしたか?
それが、私以上に夫が色々とやってくれて。家事も育児も「私よりも何もかもやってるよね」っていうぐらいなんです。

それは素敵。じゃあ、寝不足とかにもならず。
そうなんです。しっかりと寝る時間も確保されたんですよ。夫がフレックス勤務で朝早くに家を出ていたので、私が寝ている間に朝のミルク担当をやって。
ミルクをあげてから出勤、と。
ええ。だから私が起きると夫はいなくて。ちょっとした逆転生活というか、早番と遅番のシフト制みたいな(笑)
シフト制(笑)
まあでも、里帰りせずに一緒に頑張ろうって言ってただけあって、人一倍いろいろとやってもらってるなと思います。子どもはもう5歳になりますけど、5年間ワンオペせずに済んで助かってますね。
宣言された通りに動いてくださって、良かったですね。
あと、地域のコミュニティで「多胎育児の会」みたいなのがあって、そこでの情報交換も助かっています。
そういうコミュニティがあるんですね。
そうなんですよ。そこで三つ子のお母さんと友だちになったんですけど、同じように派遣で働いているみたいで、ご縁を感じました。

仕事が楽しいからこそ、子どもにも向き合える
そうでしたか。三つ子のママ友は心強いですね。
はい。働きながら子育てをしてる仲間がいると、「自分だけじゃないんだな」って心強いですし、色々と工夫しているところは参考になりますよね。
職場はどうですか?
おかげさまで職場はすごく楽しくて、結構やりがいもあって。
それは何よりです。
仕事していて「楽しいな」って思えるので、本当に自分に合っている職場なんだなと思います。それに、職場の先輩方もお子さんがいる家庭が多いので。
じゃあ、相談に乗ってもらったりするわけですか。
そうなんです。子どものことで相談に乗ってもらったり、いろんなアドバイスをもらったりして。仕事だけじゃなくて、生活のこともいろいろ聞けて助かってますね。

素晴らしいですね。お仕事も充実して、しっかり子育てもされて。
そうですね。働いているからこそ、子どもにしっかり向き合える部分もあるのかなって思います。
これから小学生になるわけですけど、どうですか。
ランドセルも2個いりますし、持ち物に名前を書いたりするのも2倍の労力が掛かるので大変そうだなと(笑)。でも、いろんな人に協力してもらいながら楽しんでいこうと思っています。
ぜひ、お仕事も育児も楽しんでいってください。これからの丸山さんの活躍も期待しています。ありがとうございました!
