松本さんは、長野県上田市にある精密機器を製造する会社で派遣社員として働きながら出産を経験。そこで産休・育休を取り、同じ会社に“時短勤務”として復帰されました。

その後、「時短勤務のまま直接雇用になった」と松本さんは言います。なぜ松本さんが時短のまま直接雇用になったのか、周囲の反応はどうだったのか、詳しく伺っていきました。

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派遣ママ:松本(まつもと)さん派遣スタッフとして長野県上田市にある製造業に勤務。現在は直接雇用になり、営業アシスタントとして、様々な一般事務を担当している。

松本さん、今日はお子さま連れでありがとうございます。

すいません、連れてきてしまって。ちょっと照れちゃってますけど……。

いえいえ、居てくれるだけで和みます。先ほどお迎えに行かれたんですか。

はい。時短なので、仕事が終わってからお迎えに行きました。

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海外の大学を目指す正社員から、派遣社員へと転向

松本さんは時短のまま直接雇用になったと聞きましたが、それは本当でしょうか。

ええ、そうなんですよ。

ちょっとその辺り、順を追って聞かせてください。もともと正社員で働かれていたんですか?

はい。大学を卒業してから測量会社に入りました。そこで4年ぐらい働いて、しっかりお金を貯めて。

なぜお金を貯めていたんでしょうか。

海外の大学に行きたかったんです。それで、オーストラリアに行ったんですけど、お金が足りなくなって、一度日本に戻りました。

じゃあ、お金を貯め直してまたオーストラリアに。

そう思っていたんですけど、今の主人に出会って結婚しまして。

なるほど。じゃあ、オーストラリアには戻らないことにしたんですね。

ええ。日本で生活していこう、ということになりました。

テンプスタッフにはいつから?

オーストラリアから戻ってきた時からですね。またもう1回行くつもりだったので、正社員じゃ難しいと思って……。調べたら、派遣社員はアルバイトより雇用環境もしっかりしてそうだったので。

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引っ越しをするも、再びテンプスタッフへ

派遣会社はいくつか登録されましたか?

はい。テンプスタッフともう1社。ただ、同じ派遣会社でも雰囲気が全然違いましたね。テンプスタッフはすごく親身になってくれる感じがしました。

それは良かったです。

それで、松本市で3年くらい働いて、結婚したのを機に上田市に移りました。主人の会社が上田市だったもので。

そうですか。じゃあ派遣での仕事も変えたんですね。

ええ。またテンプスタッフの上田オフィスに登録に行きました。そこで営業として対応してくださったのが池田さんで。

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中部第一営業部 長野オフィス常駐池田 次代

池田さんが親身になって探してくださって、精密機器を製造する会社に営業アシスタントとして派遣で入らせてもらいました。

その後、お子さんができたわけですか。

そうですね。そこで妊娠して出産ということで、産休と育休を取らせていただいたんです。

しっかり育休まで取れたんですね。

ええ、8カ月くらいで短めでしたけど。でもそこから「週4」の「時短」で働かせてもらいました。

4の時短はいいですね。育休を取る前と同じ会社ですよね?

同じ会社なんですけど、別の部署ですね。担当の池田さんが、その会社内で「週4」とか「時短」で働ける部署を熱心に探してくださって。本当に、今の私があるのは池田さんのおかげです。

育休明け、時短のまま直接雇用へ

時短というのは具体的に何時から何時でしょう?

9時~15時ですね。早く帰って子どもを迎えて、夕飯の準備もできますし、本当に助かりました。時給も前より下がることはなくて。それも池田さんが交渉してくださったんですよ。

じゃあ、しばらくは「週4」かつ「時短」で。

はい。半年くらいで徐々に外していきましたね。時短のままで週5日にして、次は時短を2時間から1時間にして、と。そんな感じでちょっとずつ伸ばしながら状況を見て。

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柔軟でいいですね。その後はフルタイムに?

いえ、それで、時短のまま直接雇用していただいて。

そこで時短のまま直接雇用ですか!

そうなんです。これは、上司の方の理解もありますし、一緒に働く人たちの理解もあったおかげで。本当に「ありがたい」としか言いようがないですね。

確かに、周囲の方の理解も大きいですよね。お2人目も考えていたんですか?

それが、私の上司の方が「松本さん、1年以上働いていないと育休は取れないから2人目を考えるなら1年働いたあとにしたほうがいいよ」って言ってくれて。

* 2022年4月にこの条件は撤廃となり、現在は1年の実績がなくても取得可能になっています

なんという気遣い!

素敵ですよね。その上司の方にも小さなお子さんがいらっしゃって。なので「子育て優先でね」ってよく言ってくださるんです。

なるほど、そういうことでしたか。

他にも、「損しないように会社を使ってね」って言ってくださるし、人事の方にも同じことを言われましたし、本当に良い会社に巡り合ったなと思いましたね。

産休後も、同じ会社の同じポジション、同じ仕事内容

それで、お2人目も。

ええ、そのうちに2人目ができて。それがこの子ですね。

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わあ、こっち見てくれた! かわいい……。

ふふふ。慣れてきましたかね。

じゃあ、この子の時も無事に産休と育休を取られて。

はい。無事に育休まで取りまして、その後も元に戻って、同じポジションで同じ環境で同じ仕事内容で働かせてもらってます。今も2時間の時短を取らせていただいて。

同じポジションもそうですけど、時短のまま直接雇用っていうのがすごいですよね。

実は、産休に入る前から社員登用の話はあったんですが妊娠したので、そのまま産休に入ったんです。

そうだったんですね。

それで、「ああ、もう私は社員にはなれないんだろうな……」と思ってて。でも、担当営業の池田さんは変わらずに社員登用の話を会社側に続けてくださっていて。

なるほど。

育休が明けて戻ったら、上司の方から「松本さん、『社員登用を受けたい』って聞いているけど、いいんだよね」って言われて。それで、しばらくしてから社員登用の試験を受けることになったんです。

そういった経緯でしたか。


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あの……、逆にお伺いしたいんですけど、派遣会社からすると直接雇用ってどう思っているんですか?

え?

直接雇用は派遣会社からの「引き抜き」では?

いや、悪く言えば派遣の人材を企業に取られてしまうわけじゃないですか。それって「引き抜き」みたいな感じで、結構マイナスではないんですか?

いえいえ、テンプスタッフとしては、ご本人のお気持ちが1番大切なので、スタッフの方が直接雇用を希望されるのであれば、それは応援したいなという感じです。

へえ。

お仕事の募集でも『社員登用制度あり』と記載している案件もありますからね。

ああ確かに、見たことありますね。そうなんですね、安心しました。

松本さんも含め、皆さんが活躍してくださると「テンプスタッフの派遣社員は優秀ですね」「またお願いします」と企業の方からも声を掛けていただけますから。

あ、そういえば私も、姉に「派遣社員かアルバイトで働きたい」って相談された時、すぐ池田さんに声を掛けましたね。

それはありがとうございます。今後は、フルタイムに戻していくつもりですか?

あと3カ月くらいで時短を2時間から1時間に少しだけ戻す予定です。上司からは「松本さん、いつか時短をやめる予定とかある?」って言われているんですけど。

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上司の方、フルに戻してほしい感じだったんでしょうか?

あ、いえ、「時短だとお給料が削られてしまうよね。僕はそこを心配してるんだよ。みんなと同じ業務をしてくれているのに」って。

なんて優しい上司……。

ただ、まだこの子が年中とか年長ぐらいまでは風邪をひくことも多いと思うので、一気にフルタイムに戻すのはちょっとリスクが高いかなって。だから「あと数年は1時間の時短はほしいです」って言って。

そうしたら、何て言われました?

「うん、分かった」って。

すごい。その上司の方、素敵すぎますね。

ホントですよね。私も「この上司のために頑張ろう」「この人に褒められるために働こう」ってモチベーションが上がってますからね。

いやあ、素晴らしい関係性。「誰の下で働くか」って、すごく大事ですね。

確かに。だから、この上司に引き合わせてくださった担当営業の池田さんには感謝してもしきれません。あと、派遣の働き方だと「どんな職場かを確認できる」っていうのもすごく良かったですね。

これからの松本さんの活躍も期待しています。ありがとうございました!

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