本記事では派遣営業の1日のスケジュールを通じて、派遣営業が日々「何を考えながら仕事をしているのか」を紐解いていきます。

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今回の派遣営業:佐藤 雄毅(サトウ ユウキ)2019年パーソルテンプスタッフ入社
所属:北関東営業部 水戸オフィス
勤務地:水戸
担当エリア:水戸(南口)・大洗町・茨城町
担当スタッフ数:120名ほど(2023年8月現在)

派遣営業の1日佐藤 雄毅の場合)

朝は基本、バスで出勤しています。家が水戸市内なので、オフィスまでは30分くらいですね。お客様先に直行する場合もありますが、その際には社用車で向かいます。

地方オフィスの場合に多いと思いますけど、営業1人あたり社用車1台が割り当てられていて、オフィス近くの駐車場に停めています。

俳優では厳しい現実を味わった佐藤

ランチ

ラーメンが好きなので、お昼はよくラーメンを食べますね。水戸はご当地ラーメンとして『スタミナラーメン』というのがあるんです。炒めた野菜とレバーが甘辛いあんかけと混ざって熱いラーメンの上に乗ってて。これが美味しいんですよ。

それ以外は、コンビニで済ませることが多いでしょうか。

午後

基本的にはあまりオフィスにはいなくて、日中は車で外を回っていることが多いです。それで夕方ぐらいにオフィスに戻ってきて、事務処理をして終わるというのが1日の流れですね。

俳優では厳しい現実を味わった佐藤

帰りは遅くなることも多いんですが、3歳の娘のお迎えがある時は早めに帰らせてもらっています。週末にはよく、オフィスの皆で飲みに行きますね。帰りはもちろんバスや徒歩ですけども、なかには帰るのが面倒で宿を取ってしまう人もいるくらいです(笑)

オフィスは14人くらいのチームで、楽しくもやりがいを持って働かせてもらっています。

整備士になりつつも、芸能事務所に所属して俳優を目指す

今でこそ“やりがい”を持って働けていますが、学生時代の僕は何もやりたいことがありませんでした。地元の高校を出て、好きなこともなく「強いて挙げるなら車かなぁ」くらいの感覚で、東京にある自動車整備の専門学校に入りました。

ただ、自動車メーカー系列ということもあって厳しくて。親には申し訳ないんですけど、「嫌だなぁ」「これ、全然やりたいことじゃないよなぁ」と思いながら専門学校に通っていました。

そうして「自分は何がやりたいんだろう」とか「何のために生きてるんだろう」とか毎日のように考えるなか、たまたま『ROOKIES(ルーキーズ)』ってドラマが再放送されていて、ボーっと見ていたんです。

その時に、「これを見て野球を始めた人も多いんだろうな」と考えたら、「それってすごいことだよな」と思って。自分も人の人生に影響を与えられるようなことがしたいな、と。そうして、お芝居をする俳優さんになりたいと考えはじめたんです。

その後、いろんなご縁があって、芸能事務所にお声がけいただくことになりました。大きい芸能事務所ほど間口が広いみたいで、意外にもすんなり所属することができたんです。

俳優では厳しい現実を味わった佐藤

レッスンを受けながらも専門学校には通っていて、「いつか俳優だけでやっていきたいな」と思いながらも就職活動をするタイミングがきました。それで、自動車メーカーのディーラーに就職が決まったんですけど、配属先が地元の水戸だったんです。

「え、水戸か……」って悩んだ末に、地元の水戸で自動車メーカーの整備士として働きながら、東京にレッスンに通うことにしました。ただ、そんな状況も長くは続けられませんでしたね。



俳優としての夢、そして厳しい現実

ある日、舞台のオーディションに参加できることが決まって、それを機に「もう会社は辞めよう」と決意しました。もともと俳優になりたかったわけですし、迷いはありませんでした。結局、整備士は2カ月足らずで退職することにしたんです。

俳優では厳しい現実を味わった佐藤それからは東京に住んで、アルバイトをしながら舞台に立つことを繰り返していきました。お金が足りなくなって親に支援を頼むことも……。

あと、途中で小さな事務所に移ったりもして、裏方の仕事をやるようにもなりました。舞台に出ながらも、作り手として劇場をおさえたり、脚本を書いてもらったり、俳優さんを集めたり。

そうしているうち、仲間と「独立しよう」ということになって、6人ぐらいで演劇ユニットを立ち上げました。「いずれは劇団にして、会社にしていこう」という夢を持って、自分たちでも公演を打つようになったんです。

ただ、順調かというとそうでもなく、「俳優じゃ現実的に厳しいかな」と感じる面もありました。そう思いながらも忙しく動き回っていたんですけど、ある時、60歳を過ぎた母親に認知症の疑いが出てきたんです。近くで面倒を見てあげないといけない状態になっていて。

僕は、たくさん親に迷惑を掛けてきて責任を感じるところもあって……。それで、9年やってきた俳優を諦めて水戸に戻ることを決意しました。

俳優では厳しい現実を味わった佐藤

派遣会社の『合同登録会』が大きな転機に

そうして親の介護のために水戸に拠点を戻したのはいいんですが、仕事をどうするのかは何も決めていませんでした。やりたかった俳優の仕事もできなくなったし、夢も希望もすべて東京に置いてきた気分で、抜け殻のような状態になっていました。

ただ、何も仕事をしないのはマズイと思っている時に、茨城県が主催する派遣会社の合同登録会があることを知ったんです。

派遣という働き方は知っていたものの、アルバイトとたいして変わらないような認識でした。それでも「とりあえず行ってみよう」という感じで足を運んだんです。

そこで何の気なしにテンプスタッフのブースに行って面談をしました。「今こういう状況で、何をしたらいいか分からないんですけど、どうすればいいでしょうか?」みたいな話をしたんですが、すごく親身になって相談に乗ってくれて。

そうして話をしているうちに、「この人がやっている仕事って素敵な仕事だな」と思いはじめたんです。

俳優では厳しい現実を味わった佐藤

その合同登録会の直後、いろんな各派遣会社から電話が掛かってきました。それで「実は、派遣スタッフとしてではなくて、そちら側の仕事に興味があるんです」と話したら、何社か面接してくれることになったんです。

それでいろんな派遣会社と面接をしたんですが、やっぱりそこでも「テンプスタッフの人が一番いいな」と思いました。そうして、テンプスタッフに入りたいと思い、その後、入社することができたんです。

俳優の次に見つけた、派遣営業という“やりがい”

もともとは派遣コーディネーターの仕事に興味がありましたけど、派遣営業として働きはじめることになりました。でも、「スタッフのために仕事を獲得してくる」というのは、スタッフの人生に大きく影響することなので、やりたいことと同じかなと思っています。

実際、働きはじめたら「やりたかったのはこれだ!」って感じましたし、本当に入って良かったですね。俳優の経験もしっかり活かすことができています。

俳優では厳しい現実を味わった佐藤

俳優の経験が活きているのは、1つに「ハートの強さを鍛えられたこと」があります。仕事でミスをしてしまったり、ご迷惑をお掛けしてしまったりすることはどうしてもあります。それでも、そこで腐ってしまうとか、いつまでも落ち込んでいるのではなく、すぐに切り替えて前を向くことができるんです。

それともう1つは、「目の前の人を喜ばせよう」という気持ちを常に持っていること。お客様を喜ばせる“エンターテイメント畑”にずっといましたので、目の前のスタッフに喜んでもらいたいという気持ちで常に接しています。

もともと「人に影響を与えられる人になりたい」と思って俳優を目指したわけですが、派遣営業になった今も、その気持ちは変わっていません。

僕も求職者の時にテンプスタッフから与えてもらった立場ですから、僕自身も多くのスタッフの皆さんに与えられる立場になっていきたいと思っています。

俳優では厳しい現実を味わった佐藤