これは、テンプスタッフを通じて派遣社員として働く山口さんのお話です。

三重県四日市在住の山口さんは、プログラマーや公務員として働いていましたが、現在は派遣で研究職に就いています。

山口さんがなぜプログラマーや公務員から研究職へと転身したのか、なぜ派遣社員という働き方を選んだのか、探っていきました。

山口さんはもともとプログラマーだったんですか。

はい、商業高校に通っている時に情報処理を学びまして、そこで先生にも褒めていただけるぐらいだったので、その道に進もうと思いました。




毎日「3時間も寝られれば良い」という生活

どんな会社ですか?

自動車のシステム開発をする会社です。入社してすぐ「これは大変だ」と思いました。「自分で資料を見ておいて」とか、「後は現場で教えるから」とか。

ああ、よく耳にする話ではありますけど……。

私が配属された部署が特に社内でも一番忙しいぐらいの部署だったっていうこともあって、そんな状況でしたね。

あらら。家からは近かったんですか?

いえ、四日市から名古屋で1時間くらい、そこから乗り換え2回で片道2時間越えの場所だったので、通勤は往復で4時間以上も掛かってしまう感じでした。

じゃあ、毎日の通勤も大変でしたね。

そうなんです。一応「22時までには会社を出なさい」というルールがあったので、終電はなんとか間に合うんですけど、家に着くときには日付も変わっていることが多くて。

うわあ、遅い。

朝も割と早いので、毎日「3時間も寝られれば良いほう」みたいな生活になっていっちゃって。



え、大丈夫だったんですか?

大丈夫ではないですね。私はもともと、いっぱい寝たいタイプでしたから。なので明らかな体調不良になっていきました。


安定を求めて公務員に

体調不良……そりゃそうですよね……。

それに、職場の雰囲気もあまり良くなくて、すごく静かだったんですよ。

周りも暗い雰囲気だったんですか。

ええ、だから余計に自分自身もつらくなってきちゃって。自分の体の中から暗くなってくるのもすごく感じてました。

それで辞めよう、と。

そうですね。もっと安定した仕事に就きたくて、公務員の資格を取ってから役所に勤めることになりました。

反動で公務員になった感じですか。

でも、最初はIT関係の部署でした。まあ、プログラミングは全然しないので、違う内容ではありましたけど、システム管理をしていましたね。その後も色々な業務を担当して。

色々な業務というのは?

地区市民センターで住民票を出したりする仕事も経験しましたし、その後は保健所ですね。ちょうどコロナのタイミングだったので大変でしたけど。

わあ、あの時期の保健所は大変でしたね……。

バタバタしてましたね。




「未経験の私でも研究職になれるんだ」

その後、四日市を離れることになったので職場を辞めることにしたんですけど、結局は四日市を離れないことになって。

あらら、予定が急に変わったと。

ええ、それで「仕事は辞めることが決まっちゃったし、新しい職場を探さなきゃ」って。

それで転職活動をしたわけですか。

そうなんです。やっぱりプログラミングが好きだったので、最初はプログラマーの仕事を探したんですけど、名古屋近辺の仕事しかなくて。

そうすると通勤に時間が掛かりますもんね。

はい。それで色々と探していくうちに「派遣っていう働き方もありなんじゃないかな」と思ってきて。

なるほど。そこで派遣も候補に入れたわけですね。

ええ。それで、派遣のお仕事を募集してるサイトとかをたくさん見てるなかで、テンプスタッフが「研究開発の仕事が未経験でもできます」と募集しているのを見て、興味がわいたんです。



もともと研究開発の仕事はしてなかったんですよね。

はい。ただ、これも商業高校の時の話なんですけど、化学の授業がすごく好きだったんです。薬品を触ったり、実験をしたり。

そうなんですね。それを思い出しながら「やってみたいかも」と。

ええ、「未経験の私でも研究職になれるんだ」と。それで、派遣登録をしてから応募しました。


説明会で、行きたい会社も見つかった

説明会はいかがでしたか?

単なる説明だけでなくて、『体験会』みたいな感じで、現場で使っている機械の話があったり、実際に機械を使って実験をさせていただいたりして、すごく楽しかったです。

もともと化学の授業がすごく好きだったからこそ、ですよね。

そうです。やりながら、「ああ、やっぱりこれ楽しい。仕事でやれたらいいな」ってすごく感じました。



そこからお仕事を紹介してもらうまではどのくらいで?

それが、その『体験会』の時に「こんな感じのお仕事がありますよ」って教えていただいて、そのうちの1つが「行けるならここに行きたい!」と思えるところだったんですよ。

え、そんな早く「行きたい!」って思うことあります?

あ、実は私の姉が行っている会社だったんです。

お姉さんが!

はい。もともと姉からその会社のことは聞いていて、どんな職場の雰囲気だとか、どんな人たちと一緒に働いているとか。

仕事の詳細はさておき、職場の雰囲気は知っていたわけですね。

そうなんです。「すごく楽しそうだな」「いいな」と思っていて。それで、テンプスタッフの方から「例えばこんなお仕事があります」って言われてその会社が出てきたので。

すかさず「ここ行きたい!」と。

そういうことです。




やりたかった化学の仕事ができている

すごい縁ですね。それで、無事に行けることになったんですか。

はい、おかげさまで今お仕事させていただいてます。姉のつながりで何度かお会いしたことがある方も職場にいたので、すごく入りやすかったですね。

それは良かったですね。未経験の仕事で緊張もあったでしょうし。

そうですね。それに、最初ってどうしても人間関係が不安になったりしますけど、「知っている人たちがいる」ってやっぱり違うなあと思って。気持ち的にもすごくラクでした。

仕事の内容は問題ないですか?

ゴム製品を作っている会社なんですけど、社員の方が作ったものを機械にかけて分析したり、試験をしたりするというお仕事をしています。作業自体はそんなに難しくないですよ。

危険が伴うとかは……。

何かが飛んできても大丈夫なようにフェイスシールドもしています。あとは、薬品を扱うので吸い込むと気分が悪くなってしまうものもあったりしますが、その辺りは気をつけていますね。

そうですか。じゃあ楽しくお仕事ができている感じですか。

はい、やりたかった化学の仕事ですし。あと、割と建物の中を動き回ることも多くて良かったです。身体を動かすのは好きなんですけど、プログラマーの時はずっと座りっぱなしで、それもつらかったので。

適度に身体を動かせるというのは、メンタルにも良さそうですよね。


“派遣”に不安はあったけど、選んで良かった

派遣の働き方は初めてだったと思いますけど不安はなかったですか?

正直、不安はありましたし、周りからも言われましたね。

どういったことを言われました?


「正社員の方がいいんじゃない?」って。「今はまだ若いんだから、正社員になりやすいんだし、なっておいた方がいい」って結構言われましたね。

そう言われても、ご自身では派遣を選びましたよね。

ええ、純粋に正社員と派遣を比べた時に、それぞれの良いところと悪いところを見ていったんです。「自分にとってはどうかな」と考えて。

周りの意見より自分がどう思うかを大事にしたわけですね。

そうです。そうしたら、「別にどちらでも構わないな」と思えるレベルだったので、それだったら、自分に最も適した“やりたい仕事”を選ぼうと思って。

なるほど。

あとは、やっぱり「残業が少ない」というのも大きかったですね。家のことをしないといけない時に残業が多くあると大変なので。

じゃあ、割と派遣もメリットがあるなと。

そうですね。結構メリットがたくさんあるっていうことが分かりましたし、今となっては本当に選んで良かったなって、すごく思います。

それは嬉しいです。山口さんの今後の活躍も期待していますね。ありがとうございました!