長野県上田市に住む池田は、卒業した短大に就職し事務の仕事をしていました。そして、しばらくして結婚し男の子を出産します。その後、生命保険の営業へと転身しますが、ある日「人材派遣」というビジネスに出合いました。
池田:人のために何かをするとか、人と関わるということがすごく好きだったので、当時まだ広がり始めたばかりの「人材派遣」という業界に興味を持ちました。

中部第一営業部 長野オフィス常駐池田 次代
3社目として長野市にある人材派遣会社に転職した池田でしたが、「物足りなさを感じた」と言います。
池田:そこは入札案件をメインでやる会社だったので、1年に1回入札を取ってしまうと、あとは1年ゆったりと過ごして、決まった金額をずっともらい続けるっていう感じだったんです。
「人のために働きたい」というモチベーションを維持することが難しくなっていった池田は、再び転職を考えます。
池田:全国展開しているような派遣会社を自分で探してみたら、当時あったテンプスタッフファミリエ(現:パーソルテンプスタッフ)という会社が、長野市で募集をしていたんです。
ただ、もともと長野市に通っていた池田は、自宅がある上田市からの通勤の大変さを懸念していました。そして、大胆な行動に出たのです。
池田:ホームページの応募の欄に「いずれ上田で支店をオープンされることはないですか?」って質問を送ったんですよ。
すると、テンプスタッフファミリエの社長から帰ってきた返事は、驚くべきものでした。
池田:「上田でもオフィス展開を考えているので、ぜひお会いしましょう」って言っていただいて。それで面接に行ったんですけど、面接の時にはオフィスの場所を仮契約していて「ぜひ、うちに来てください」って言われたんです。
そうして、転職と同時にテンプスタッフファミリエの上田オフィスがオープン。池田は1人で任されることになったのです。1社目の時に産まれた男の子は、すでに小学5年生になっていました。
池田:自分でオフィスの鍵を開けて、企業に毎日営業に行って。帰ってきたらスタッフも自分で探して。子育てと仕事を両立させながら、そんな日々を過ごしていました。
「とにかくやるしかない」と、がむしゃらに動き回っていった池田。そのかいもあり、上田オフィスは急成長していきます。
池田:社員も増やしていただいて、もう楽しくて仕方なかったです。もちろん大変な部分はありましたけど、自分が動くことで解決できましたから。それよりも、人に喜んでもらえることが多くて、やりがいがすごくありました。
池田にとってテンプスタッフでの派遣営業は、「人のために働きたい」というモチベーションを存分にぶつけられる場所になったようです。
池田:しばらくすると、上田オフィスよりも大きな長野オフィスも任されるようになって、そこも成長させていくことができました。
テンプスタッフの長野地域の発展において欠かせない人物になっていった池田は、さらに活躍の場を広げていきます。
池田:新しくできるコーディネートセンターの立ち上げもしまして、長野オフィスとコーディネートセンターのマネージャーを兼務しながら汗を流していきました。
そして池田は、大学生になり就職活動をはじめた息子さんから、母親と同じ「新卒でパーソルグループの会社に行きたい」と告げられます。
池田:驚きましたけど、さすがに私がいるテンプスタッフファミリエは「受けないで」って言いました。あまりに身内との距離が近すぎるのも嫌だったので。
それでも息子さんは、「パーソルグループ」にこだわって試験を受けていきました。
池田:結局、グループ会社で採用が決まったんですよね。
なぜ新卒の息子さんが母親と同じ「人材サービス」にこだわり、同じ「パーソルグループ」にこだわったのでしょうか。
池田:多分、私が「テンプスタッフは良いよ」って、家でもずっとパーソルグループの評判を口にしていたからだと思います。あとは、仕事の概要も分かっていて、学生だった息子からすると“イメージができる安心感”というのもあったかもしれないですね。
さらに、池田がこれまで子育てをしてきた過程にも、重要なヒントがありました。
池田:子育てをしながら働くなかで、ひとつ自分の中で決めていたことが「家に帰ったら『仕事が大変だ』ということは見せないようにしよう」ということでした。
「子どもからすると一緒に居たいのに、仕事で居ないのは親の勝手だ」と池田は続けます。
池田:その仕事を選んでいるのは自分なわけで、子どもが選んでいるわけではないですよね。だから「仕事があるから……」とか「仕事でお母さん大変なのよ」っていうことは口にしないように意識していました。
そんな池田の言動や働いている姿が、息子さんを同じ会社へと惹きつけるきっかけになったのかもしれません。
池田:今は同じグループ会社に勤めていて、大阪にいます。入社してもう8年になりますね。
昨年、仕事において会社で賞を獲得した池田は、副賞として『京都への旅行』をプレゼントされましたが、その息子さんと一緒に楽しんだようです。
池田:息子が就職活動している時には距離を取って「同じ会社には来ないで」って言いましたけど、最近になって「今後はどこかで一緒に何かやれる時があったらいいな」って思うようになりましたね。
そんな池田に、「仕事で大切にしていること」は何なのか、聞いてみました。
池田:やっぱり「相手に寄り添うこと」です。寄り添うにあたって、まずは「相手のことを知る」ことと、「とにかくその人の良いところを探そう」というのは心がけています。
「良いところ」を見つけたら、伸ばす方向で話をするようにしていますね。それはスタッフに対してもそうですし、息子に対してもそうでした。息子はそう感じていないかもしれませんが(笑)
いずれにせよ、そういった寄り添い方は、どんな場面でも大事じゃないかなと思います。