あるスタッフのCADスキルに指摘が入り、契約が終了してしまいました。CADの講師を担当しているCAD・Creative事業部の宮西は、その状況を信じられない気持ちで受け止めていました。

宮西：以前から知っている40代の女性スタッフでした。2社続けて、就業先でCADスキルに指摘が入って契約が終了になってしまったんです。

広域第三事業本部　CAD・Creative事業部宮西 友香

しかし、宮西は「スタッフのスキルに問題は無かったはずだ」と考えていました。

宮西：私自身が知っているこのスタッフのスキルであれば、問題は無かったと思うんです。おそらく就業先の職場環境や、仕事の進め方と合わなかったんじゃないかなって。

心配していたのは、そのスタッフのことでした。スタッフからのメールでは「私はもうCADの仕事に向かないんじゃないでしょうか……」「もう諦めたほうがいいんでしょうか……」と弱音を吐かれていたのです。

宮西：それで、「話を聞いてください。先生に会いに行っていいですか」と言うので、研修室に来てもらうことになりました。

宮西は、どんな仕事で、どんな環境で、何ができなかったのかを聞きながら、そのスタッフの話に耳を傾けていきました。

宮西：色々と話を聞いていきましたけど、やっぱり問題は無かったです。私が研修をやっている時から、ちゃんと操作もできるし受け答えもハッキリしているスタッフの方でしたので、そういった指摘が入ること自体が信じられなかったんですけど、確信しました。

それでも、目の前のスタッフは自信を喪失していました。

宮西：「私にはもうCADは向いていないと思ったから、今日ここに来るのも『いいのかなあ』って、すごく迷ったんです」って仰ってて……。

スタッフの方は、もうCADの業務はやめて、他の職種へ進もうかと迷われていました。しかし、宮西は「ここで諦めてほしくない」と強く感じていたのです。

宮西：話を聞きながら、「なんとかして自信を取り戻してもらいたい」と思っていました。それで、色々と伝えてから最後に「スキルアップできるところからやっていこうよ」って言ったら、「頑張ります」って笑顔を見せてくれたので安心しました。

そのスタッフの方は、改めてCADを学び直そうという気持ちが固まったようです。そうして、再度スキルアップを目指して研修で学びはじめていったのです。

宮西：改めて研修をしながら彼女の動きをよく見ていると、課題をやってもらっている時に少しだけ変なクセがついているとか、“我流”でやってしまっている部分があることがわかりました。

そういった点をしっかりフィードバックしながらも、上手くできているところもしっかり伝える、ということを宮西は繰り返していきました。

宮西：できたときには全力で褒める。できなかった時はちゃんと指摘する。そういったメリハリをつけながら、研修を通して自信を取り戻してもらえるように配慮していきました。

やがて、研修前よりも図面を早く書けるように、そして綺麗に書けるようになっていったスタッフの方。

宮西：やっていくうちに少しずつ自信を取り戻していってくれた感じがありましたね。

そして宮西は、研修と同時進行で、次の就業先に向けた準備も進めていきました。

宮西：最初にお話しを聞いた時、やっぱり直近の2社は忙しい会社で「時間に追われる仕事」をしていたようなんです。それで、ミスが多く出てしまっていて、そこに指摘を受けていたこともあったと。

そこで宮西は、スタッフの方のスキルや人柄を改めて営業やコーディネーターにも共有していきました。すると、ちょうど合致しそうな就業先が見つかったといいます。

宮西：彼女のスキルが活かせそうなのはもちろん、彼女の性格にもマッチしていそうな企業からちょうどご依頼があったんです。それで、双方のマッチングを経て、お仕事を開始できることになりました。

無事に、スタッフの方の特性に合った就業先での仕事が決定。スタッフの方は、宮西にも報告に来たといいます。

宮西：来た時に、目に涙を浮かべながら報告してくださって。心の底から「決まって良かった」と思いましたね。

その後、新たな就業先でも活躍されているスタッフの方。今でも宮西に連絡をしては、さらなるスキルアップを目指して、学びに来られているようです。

宮西：よくメールが来るんです。「わからないところがあるので、これから研修に行きたいんですけどいいですか？」って。もう、『いつでもどうぞ！』という感じです。

就業先で仕事をしながらも、仕事を終えた後に研修へと足を運んでくるスタッフの方。ある日、宮西は思いがけず嬉しい言葉を投げかけられたようです。

宮西：ふと、「先生がいるから安心して仕事ができますよ」って言われたのは、すごく嬉しかったですね。

そんな宮西に、「仕事で大切にしていること」は何なのか、聞いてみました。　

宮西：研修に期待してくださるスタッフの方には、その期待に応えていきたいですね。そうして、働き続ける人をサポートしたいですし、「仕事をしたい」と考える人の気持ちに寄り添っていきたい。

そのためにも、楽にスキルアップができたり、学びを進められたりできるような機会を、もっともっと提供できるようにしていきたいなと思っています。