野県出身で名古屋の大学に入った伊澤は、「地元の素晴らしさ」や「観光業」に興味を持ち、長野県にUターンして100名ほどのリゾート会社に新卒で入社します。そして現場を1年ほど経験したのち、営業企画の仕事に就いたのです

伊澤:例えば冬は星がすごく綺麗なので「星空撮影会」をしましょうとか、夏だったら高山植物がたくさん咲くので、高山植物のガイドをするとか、そういったイベントを企画していました。

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第二営業本部 名古屋五課伊澤 友美

会社の50周年記念の企画もメインで任されるなど充実していましたが、5年ほど経験したところで総務部への異動を命じられます

伊澤:私は異動したくなかったんです。でも、そんなに大きな会社でもないですし「早いスパンでいろいろと経験してもらって、ゆくゆくはマネジメントを」という構想だったと思うんですけど……

本意ではない異動だったものの、伊澤にとってひとつの転機が訪れます

伊澤:小さい会社なので、総務とはいっても総務の業務だけでなく「採用」とか「人事」についても意見させてもらえる環境でした。それで「人事って面白いな」って思うようになったんです。

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社員の定着を図るために、上司と一緒に現場に行って全員と面談をしたり、社員11人の育成計画を立てたり、といったことにも取り組んだ伊澤

伊澤:とにかく若い子たちと話をするとか、LINEをするとか、そうやって『人の声を聴く』というところは大事にしていましたね。

学生時代は飲食店で4年間アルバイトをしており、名古屋の外語大にいた時にはイギリスに半年間留学して“異文化のコミュニケーション”もしてきた伊澤。その経験から『人の声を聴く』ということが自然と身についていたのです


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伊澤:8年ぐらい働いてきたところで、一旦何かしら新しいことに挑戦してみたいなって思うようになりました。それで転職エージェントに「人材に関わることが好きなので、人事をやってみたい」って相談してみたんですが、これまでの経験では現実的には厳しくて……

小さな会社で総務を2年やりながらの採用・人事の仕事経験では、なかなか書類選考で通らなかった伊澤。そこで、「“人材”をもっと大きなくくりで捉えて、“人材派遣会社”はどうか」と提案されます

伊澤:それで、パーソルテンプスタッフを選びました。正直はじめは“派遣”というものがよく分かっていませんでしたけど、同い年ぐらいの転職者から話を聴く機会があったんです。そうしたら、すごく楽しそうにやりがいを持って働いてる印象があったので、それが最終的な決め手になりましたね。

そうして派遣営業として働きはじめた伊澤ですが、『人の声を聴く』ことを大切にしながら業務を進め、3年が経過したところで壁にぶつかります


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伊澤:担当するスタッフの数が多くなってきたんですよね。100人以上もいるとなかなか11人に寄り添う時間が持てなかったりもしてきて

どうしても1人1人の派遣スタッフに対して薄い対応をしてしまうこともあった伊澤ですが、ふとリゾート会社の新卒1年目で教わったことを思い出したのだと言います。

伊澤:新卒1年目の「現場」というのが『ロープウェイの車掌』だったんです。60人乗りの大きなもので、片道730秒をかけて高低差1,000mぐらいを行ったり来たりします。景色もすごく良かったので、ガイドなんかもして。

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オフシーズンには人があまり来ないので、乗客の皆様にゆっくりとガイドをするとか、会話を楽しむこともあったようですが、夏や秋の繁忙期には満車となり、乗客1人1人をサポートすることができず、ガイドだけで精いっぱいになってしまったようです。

伊澤:ピーク時には14,000人も来ていて、対応が軽くなってしまって…… そんな時に上司から言われたこんな言葉が印象に残っているんです。

今日来た4,000人のお客様は、あなたからすると「4,000人」かも知れないけど、11人のお客様からしたらそうじゃない。今日この日に、このロープウェイに乗りたいと思って来てくれている人なんだ。そういう気持ちを忘れずに、目の前のお客様を大事にしていかなきゃいけないよ。

本当にその通りだなって思って、この言葉はすごく今でも思い出しています。今も担当するスタッフは100人かも知れないけど、11人のスタッフからしたら、様々な思いをもって派遣で働くために来ている11人なんだよなって。だから、今の仕事でもすごく活かせる考え方だと思うんですよね。

そんな伊澤に、「仕事で大切にしていること」は何なのか、聞いてみました。

伊澤:やっぱり、とにかく親身になるということです。

以前、他社の派遣会社から変えてテンプスタッフに登録してくださったスタッフの方がいて。その方は前職も人間関係でいろいろあって辞められたって聞いていました。就業いただいた新しい派遣先が小さい組織だったので、「あまり相談できる人もいない」と仰っていたので気になって、頻繁に足を運んで30分とかでも話を聴いたりしてサポートしていたんです。

そうしたら、「伊澤さん、ありがとうございます。こんなに親身になってもらえたのは初めてです」という言葉をくださって、とても嬉しくなりました。

これからも、スタッフお一人お一人に親身になって寄り添って、しっかりとコミュニケーションを取っていきたいですね。

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