本記事では派遣営業の1日のスケジュールを通じて、派遣営業が日々「何を考えながら仕事をしているのか」を紐解いていきます。

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今回の派遣営業:谷 萌子(タニ モエコ)2018年パーソルテンプスタッフ入社
所属:第一BPO事業本部 金融ソリューション一課
勤務地:大手町(東京)
担当エリア:豊洲・渋谷・大手町
担当スタッフ数:110名ほど(2022年8月現在)

派遣営業の1日(谷 萌子の場合)

午前中

朝は8時40分ぐらいにオフィスに着いて、メールチェックをします。あと、前日の夜の間にエントリーがあった方をコーディネーターたちがピックアップしてくれるので、午前中に人物像をすり合わせします。それから、その方にご挨拶の電話をしたり、クライアントにご紹介をしたりと動きます。

あと、社内で勉強会をすることも多いですね。クライアントの人事担当者を理解するための勉強会であったり、クライアントにインタビューをしに行って「より深い課題感」みたいなものをお伺いしたり。そういった取り組みも、よく行っています。

ランチ

丸の内で働いているので周辺にお店もたくさんありますけど、お昼ご飯は大体オフィスで食べています。

私、食べるのがかなり早いんですよね(笑)
昔、テレビ番組のADをやっていた時の『癖』もあります。その時は忙しすぎてご飯をパパパっと食べていましたので。

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AD時代は、寝れないし家に帰れなかった

大学を卒業してすぐ、テレビの制作会社に入ってADをやっていました。入社日の4月1日に会社に行くと、「あなたが担当する番組は〇〇ね」とバラエティ番組の名前を言われて、そのままテレビ局に連れていかれました。そうしたら、もうその番組の収録が始まっていたんですよ。

私が担当したその番組では『カンペ』としてスケッチブックを8冊ぐらい使うんですけど、収録中なのに途中までしか出来上がっていなくて、「おいAD、書け!」って言われて。「きょう入社したばかりなのに……」って思いながら、床に這いつくばりながらカンペをガーッって書いたのが入社当日の思い出ですね。

1日のスケジュールも長くて、寝る時間もないし家にも帰れないし、お風呂に入るヒマもなかったです。寝るとしても椅子を並べて寝るか、床で寝るか、という感じですね。だから、今でも絨毯のような柔らかい床を見ると「ここなら気持ちよく寝られそうだな」なんて思ってしまいます(笑)

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バラエティ番組の収録でやってしまったミス

ADとしての仕事でも、大変なことはたくさんありました。たとえば、番組のなかで「鶏むね肉」を使うので用意しなきゃいけなかったんですけど、間違えて「鶏もも肉」を買ってしまって、現場で収録がストップしてしまったなんてことも…… 怒られながら大急ぎで買い直しに行ったことがありましたね。

あと、収録が始まった時にスタジオで流すVTRがまだ出来上がっていなくて、完成と同時に急いで走って届けに行くとか、とにかく走り回ることが多かったです。

そうかと思えば、『市販で買ったウズラの卵を孵化機で孵化させたら何匹生まれるか』っていう企画で検証を担当したこともありました。「ウズラの卵は10個中2個ぐらいが孵化する」って事前に言われていたんですけど、実際は7羽も孵化してしまって…… 私のデスクでずっと「ピヨピヨピヨピヨ」言ってて(笑)

ADの仕事も、今はだいぶ働きやすくなったみたいですけど、当時は肉体的にも精神的にもあらゆる苦痛がありました。最終的には「この働き方は体力的にも精神的にも無理だ」ということで退職してしまいましたけど、今思えば刺激的な毎日で、楽しかった思い出もたくさんありましたね。

家族をつないでくれたのが、『メディア』だった

大学を卒業してすぐにADをやるなんて人も珍しいんですけど、私は家族からの影響がありますね。私の父は週刊誌の編集長をやっていて、母が女優業をやっていました。姉は広告代理店で働いていたので、『広告・メディア一家』みたいな感じでしょうか。そんな環境で育った私は、「映像の世界に行ってみたい」と自然に思うようになって、それでADになったわけです。

父は家の中にまで仕事を持ってくる人ではなかったんですけど、夜にお酒を飲みながらいつも映画を観ていましたね。忙しかったせいで“なかなか会えない人”だったので、家にいる時は一緒に映画を観て過ごすというのが私にとって大切な時間でした。

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そんな父がある日、がんになってしまいました。
かなり長い間、入院することになったんですが、その間はアバターでつながっていましたね。『アメーバピグ』っていうサービスですけど、家族みんなで家を作ったり、畑を耕したりして楽しんでいました。

その後、亡くなってしまいましたけれども、家族とは『メディアでつながっていた』という感じがしています。

午後

1日のスケジュールに話を戻しますが、午後からはスタッフとの面談ですとか、職場見学でクライアント先に訪問させていただくことが多いです。大手金融機関のクライアントばかりなので、多いときで1日15人ぐらいと打ち合わせや面談をすることもあります。

スタッフからもキャリアカウンセリングという形で相談を受けたりして、18時ぐらいまでにオフィスに戻ってきて残務をする、という流れです。会社を出るのは19時過ぎくらいですね。

AD時代からすると考えられないくらい早く帰れるようになりました。契約書作成なども自動化が進んでいますし、スマホで対応できる仕事も増えたので、残業も以前より減りましたね。

スタッフの方からのお問い合わせなどもタイムリーに受けられるようになったので、この環境は本当にありがたいなと思っています。

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AD時代の経験があるから、派遣社員に寄り添える

私が配属されている部署では、Finansta(フィナンスタ)という金融教育に取り組むチームがありまして、そのお手伝いをずっとしていました。もともと『確定拠出年金』の教育として企業に講師を派遣する事業でしたが、2019年の10月ぐらいに「3級FP(ファイナンシャルプランナー)の資格取得講座をやろう」という企画が持ちあがりました。

その講座の運営もやらせていただきましたが、週に2~3回、夜の19時から21時までで対面講義がありました。毎回35人ぐらい派遣社員の方が参加される講座の運営をやっていて、2カ月半の講座で合格率が100%になったのは嬉しかったですね。

それで、1年前から「『証券外務員』の講座をYouTubeで動画配信しましょう」と企画して立ち上げました。対面よりも映像のほうが多くの人に触れていただくことができますからね。なにかを企画したり、映像を活用したりするのは、AD時代の経験が活きているのかも知れません。

AD時代の経験が活きるといえば、派遣社員の方から「つらいです」という相談を受けた時は、とことんその気持ちに寄り添えると思っています。「分かります。私も昔、大変で……」ってAD時代の話をすると「そうなんですね!」ってビックリされて、心を開いてくださる派遣社員の方が多くて嬉しくなりますね。

これからも、派遣社員の皆様に寄り添うことを忘れず、いろんなメディアを使って企画を立ち上げて、少しでも手助けになれればと思います。

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