本記事では派遣営業の1日のスケジュールを通じて、派遣営業が日々「何を考えながら仕事をしているのか」を紐解いていきます。

今回の派遣営業:山下 未来(ヤマシタ ミク)2018年4月パーソルテンプスタッフ入社
所属: 埼玉営業部 大宮一課
勤務地:大宮
担当エリア:大宮近郊
担当スタッフ数:約120名(2022年1月現在)

派遣営業の1日(山下 未来の場合)

朝の出社後

朝は8時40分くらいに出社して、まずはメールチェックですね。私のオフィスではメールだけでなく、スタッフとのやり取りには会社のLINEツールを使っているので、そちらもチェックします。LINEツールの導入がはじまってから、さらにスタッフが気軽に連絡をくれるようになりましたね。電車遅延とか欠勤連絡など、気軽に連絡してもらっています。

9時から10分くらい定例の朝礼があって、そこでは営業情報の共有などをしています。最近は在宅のメンバーも多いのでTeamsを使ってやっていますね。日経新聞などから営業情報を拾って発表したりすることもあります。

10時ごろ

その後は、クライアントのところに行くこともあれば、スタッフのところに行くこともあります。クライアントのところに行く場合、新規顧客と既存顧客の場合で目的が違います。既存顧客の場合は、スタッフのフォローのタイミングで行きます。あとは、クライアントの事業に大きな動きがあったときですね。

新規の場合は、“飛び込み営業”をすることもありますので、そこでご縁があった企業にご挨拶に行くとかですね。あとは「T E M P T R E N D P i c k u p」というクライアント向けの情報ツールがあるんですが、更新される度に持っていきます。クライアントのところに行く口実にもなるので重宝していますね。

新規の営業はもちろん断られることもありますが、営業なら当然のことと、長く落ち込むことも少なくなりました。メンタル面では1年目や2年目のときより強くなった気がします。

午後

私は担当しているエリアが大宮オフィスから10分くらいと移動距離が少ないので、お昼ご飯は買ってきてデスクで食べることが多いですね。もともとはメンバーみんなで一緒に食べることが多かったんですが、コロナ禍になってからは少なくなってしまいました。

クライアントやスタッフのところに行くことは午後にもありますが、他に派遣コーディネーターとの打ち合わせもありますね。スタッフが仕事を見つけるまでは派遣コーディネーターが担当し、候補の方が見つかると案件のすり合わせや、仕事内容に合うか合わないかなどを話し合います。

「こういった経験がある方のほうが適していると思う」とかそういった話し合いですね。お互いがガチガチに主張し合うことはないですが、クライアントの要望とスタッフの要望のバランスをとっていかないといけないなと考えています。そして、仕事が決まった人の初日にはクライアントまで同行するようにしています。

18時以降

夜は結構遅くまでオフィスにいますね。日中にアポイントが詰まっていると、メールの返信やオーダーをとった後の事務処理がどうしても後回しになってしまいますので。あとはスタッフの方との面談はどうしても就業後にすることが多くて、18時半とかに来てもらったりすると単純にそれで遅くなったりします。

スタッフとの面談は、契約更新のタイミングで定期的に行って更新確認などをしています。それだけでなく、なにか相談事がある場合などで就業先では話しにくいときは就業後にカフェで話を聞いたり、オフィスに来てもらってブースで話を聞いたりしています。完全在宅のスタッフの方も1割いますので、その方とはオンラインでつないで面談していますね。

スタッフの方からの相談は、主に業務量や環境面のこと

スタッフの方からの相談事というのは、主に「業務量の多さ」など業務内容についてか、「環境面」についてですね。「いい人ばかりで楽しいんですが、業務量が多くて少しついていけないです」とか、「業務内容は問題ないんですけど、少し声を掛けにくい方がいらっしゃって聞きたい時に聞けないんです」とか、そういった相談が多いです。

「業務量の多さ」に関していうと、引き継ぐペースが早い場合がわりと多いです。そういうケースのときは、スタッフの方から「いま何をやっていて、どこまでだったらできるのか」ということをしっかり聞いたうえで、クライアントの担当者に対して「ここまで覚えられるようになるまでは、業務量をこの辺りまでで何とか回してもらえませんか」といった感じで相談をしたりします。

それが難しいのであれば、コアの時間だけ時短の人をもう1人入れられないか、といった提案をすることもありますね。クライアントも必要な決裁があるのでそう簡単ではありませんが、スタッフの負担を減らすために色々なことを考えています。

就業先の人間関係などの「環境面」に関していうと、私はわりと担当者に正直に伝えてしまって「味方になってもらう」というパターンが多いです。はじめはスタッフ側の話しか聞いていませんので、それだけで判断するのはよろしくありません。ですから、クライアントの担当者に「こういう話を聞いていまして、実際に現場をご覧になっていてどうですか?」とか「客観的に教えていただけませんか?」と正直に聞いてしまいます。

そうすると担当者の方も一緒になって考えてくださり「じゃあ業務フローを切り分けて、そこの2人はあまり関わらないようにしましょうか」などと手を打ってくださったりします。こうして正直に話してしまったほうが、後々のことを考えると良かったりしますね。

ブライダルと同じで「人生の転換期に携われる仕事」だった

パーソルテンプスタッフの派遣営業として働いている私ですが、もともとテンプスタッフに入りたかったんですよね。

大学3年生で就職活動を始めるときに、ずっとブライダル関係のアルバイトをしていて好きだったので、結婚式場やホテル、空港スタッフみたいなサービス業を選んで会社説明会に行っていました。でも、考えてみるとどの仕事も時間が不規則なんですよね。16時出社だったり、土日に必ず仕事があったり。「社会人になったら仕事だけでなく私生活も大事にしたいな」と思っていたのですごく悩みました。

それで、改めてサービス業の何が好きなんだろうって考えたら、「人と人とが接するところ」だったんです。でも、人と接することで他にどんな仕事があるのか分からなかったので大学のキャリアセンターに行って相談したら、「だったら人材業界がいいんじゃない?」と言われて。

恥ずかしながら、その時にはじめて人材業界というものを知りました。そうしたら、たまたま大学にテンプスタッフを先に受けている先輩がいて「テンプスタッフの印象はすごく良かったよ」と言われたんです。その後、ちょうど大学にテンプスタッフが来て会社説明会をやってくれたので、行ってみました。そこで説明を聞いてみたら、思いっきり人と接する仕事だったし「人生の転換期に携われる仕事」だと分かって、これはブライダルと一緒だなと思って。

それで派遣会社に興味を持ったので、他の派遣会社も色々と見ていきました。そうしたら、テンプスタッフの人事の方は「とにかく人を大事にしたいんです」という話をされていて。そこに共感して、テンプスタッフが一番いいなと思って応募しました。

「業務の切り離し」をしなければ悪循環に陥ってしまう

そうしてテンプスタッフに入社してもう4年目ですが、自身の課題として感じているところは「業務の切り離し」ですね。いま新卒の女の子の教育担当をしているんですけど、3年やってきて業務を回せる感覚になってきたので教育担当も楽しみだったんですが、いざやってみたら業務が倍に増えたくらいに感じるほど忙しくて。なにかに長い時間をとられるわけではないんですけど、1つ1つ質問に答えていったり全部こまめに対応したりすると全く時間が足りなくなってしまって焦りました。

それだけでなく担当するスタッフの数も増えてきたので、単純に日中の時間が限られることが結構苦しいなと思うようになりました。業務の効率化を考えたり、他のメンバーに任せられる仕事は協力を依頼したりということが自分自身あまり上手にできていなくて、なんでも自分でやって遅くなって、時間が無いからまた自分でやって、という悪循環になってしまったんですよね。

ですので、なるべく任せられるところは意識的に他のメンバーに任せてしまうとか、教育の部分も「自分じゃなくても教えられること」は2年目や3年目の子にもサポートを依頼するとか、そういったことを意識して自分で溜め込まないように注意しています。あとは、タイムマネジメント関連の本を読んだりして知識を入れたりもしていますね。

派遣スタッフの方からすると、頼れる営業担当者は私だけ

私はスタッフの方と向き合う時に心がけていることがあります。

私からすると担当するスタッフは約120名いて、本当に色々な方がいらっしゃるなあ、と感じるわけですが、スタッフの方からすると営業担当者は私一人なんですよね。頼れる人が他にいません。派遣スタッフとして職場に入って、立場が職場の人と違うとか、雇用契約が職場の人と違うとか、業務の範囲も同じ職場の人と違うとか、いろんなことがあるなかで「心細いな」という気持ちの方がきっとたくさんいらっしゃると思うんです。

忙しくなって疲れてくると気持ちが追い付かないこともたまにあるんですけど、派遣スタッフの方から相談を受けたら「このスタッフの方からすると、頼れるのは私しかいないんだ」と頭の中でつぶやいて、早くレスをするとか、なるべく密なコミュニケーションをとる、といった行動をすることは常に心がけていますね。

そんな心がけのせいか、ある派遣スタッフの方が期間満了になったときに「次の仕事も山下さんが担当する職場で働きたいです」と言ってくださったことがあって、すごく嬉しかったですね。人材紹介会社の場合はおそらく就業先が決まったら終わりで“次”の機会ってなかなかないと思いますが、人材派遣会社だとこうして長くお付き合いができるので、これは派遣営業ならではの喜びなのかな、なんて思います。

これからも派遣スタッフの方に安心して就業してもらえるようなサポートを、全力でしていきたいですね。