新型コロナウイルス感染症が拡大する影響で、やむを得ず派遣社員の契約満了。中川が担当していた59才の派遣スタッフは、次の派遣先も決まらないのではと不安を募らせました。

中川:派遣先企業から就業条件の変更を余儀なくされてしまって、やむを得ず契約満了という形になりました。59歳という年齢もありまして、次の派遣先が本当に決まるのかをすごく不安がっていらっしゃいました。

関東営業本部 神奈川営業部 羽田オフィス中川 沙紀

中川:私自身、このスタッフの方に関して「どういった方法をとったら次の派遣先を見つけることが出来るだろうか」と、本当に毎日のように考えることになりました。

自らが動くことでこの状況を打破していきたい。「59歳ならでは」の豊富な経験を求めている企業が必ずあるはず。そう考えた中川は、スタッフの要望をもとにすぐに動き始めました。

中川:どの営業が案件を担当するにしても、私が間に入っていけばスタッフの強みやこれまで頑張っていただいた経緯などをしっかりと伝えられるし、状況を変えることが出来るのではないかと思って、毎日いろんなところに電話をし続けていきました。

しかし、コロナ禍でどの会社も厳しい状態。現状はそんなに甘いものではありませんでした。

中川:企業の担当者様に電話をかけては、断られ。かけては、断られ……。毎日その繰り返しばかりでした。スタッフの方には本当に申し訳ない気持ちで、ご本人にも何度も謝罪をしました。

「もう希望の職種で働くことは、諦めるしかないのかもしれませんね……」と、スタッフの方も弱気になってしまいました。

中川:それでも、「これまでの経験値を売っていける会社は必ずあるはずなので、一緒に頑張りましょう。諦めずに一緒にやっていきましょうよ」ということをずっと伝え続けていました。

不安な気持ちで押しつぶされそうな派遣スタッフの心を感じ、自らも胸が締め付けられるほど苦しくなった中川。しかし、「自分以上に苦しいのはスタッフのほうだ」「諦めて欲しくない」という一心で動きを止めることはありませんでした。

中川:この方の気持ちを裏切ることはできない、という思いで対応し続けていました。企業の担当者様や他の営業担当に連絡するときは、メールではなく電話なり会うなりして自分の声で会話するよう心掛けました。このスタッフの良さをちゃんと声で伝えることで、私の熱量が伝わって、動きが変わってくれるのではないかと思ったんです。

そんな地道な行動を続ける中川に、とある営業担当者から連絡が入りました。

中川:「いけるかもしれない」という連絡がありまして、スタッフの強みをその営業担当者さんに精一杯お伝えして、なんとか派遣先の企業へ職場見学の場を設定いただけるようお願いしました。

そして、中川の熱意が通じたのか、派遣先企業での職場見学が実現することになったのです。

中川:職場見学を行った結果、派遣先のご担当者様からは即答で「ご縁を作りたいです」と仰っていただきまして、ホッとしました。スタッフの方も大変喜んでおられましたので、本当に良かったなと。

こまめなコミュニケーションで派遣スタッフの方を不安にさせないと決め、動きまわり続けた中川。その気持ちと行動が実を結んだ瞬間でした。その後、この派遣スタッフの方から次のような連絡があったようです。

「このご時世で、中川さんの協力やお力添えが無かったら絶対に仕事が決まらなかったと思います。本当に感謝しています。次の職場でもこの恩を返せるよう、しっかりと頑張っていきます。」

中川:年齢の壁を乗り越えることが出来るのは、スタッフご自身のお力はもちろんあるのですが、それだけではありません。関わらせていただく営業の立場として、できることを最大限やっていくことが大事なんだと改めて感じました。こうした努力をずっと継続していきたいな、と思っています。

そんな中川に、仕事で大事にしていることを聞いてみました。

中川:派遣スタッフの方々が、『パーソルテンプスタッフ』を知人やご家族に自信をもって勧められること。そして、働いている私自身も『パーソルテンプスタッフ』を周囲に自慢できる。

そんな会社にできるような営業担当でありたいと思っています。