委託希望の順番待ちが発生!委託チームの活躍で実現した人事部のコア業務注力とは?

導入前
・バックオフィスを担うシェアード会社はあるが、各関連会社に合わせた業務が残っている
・人材派遣サービスを活用していたが、3年の期間制限をきっかけに、業務継続が困難に
・慢性的な残業が解消されず社員がコア業務に注力できない
導入後
・委託がシェアード会社との「橋渡し役」として機能を発揮
・派遣から業務委託に切り替えて継続的に業務改善ができる体制を確立
・残業解消により社員のコア業務集中が実現し、新たな企画がスタート

目次

01派遣スタッフの3年満期をきっかけに業務委託化へ

さまざまな業界で、システム開発や情報処理サービスを提供しているN社。人事労務業務である社会保険や給与計算などはシェアード会社が業務を行いますが、関連会社ごとに必要なデータを取りまとめる必要がありました。N社人事部は、そうした取りまとめ業務をはじめとする人事業務を、パーソルテンプスタッフの人材派遣サービスを活用しながら遂行。繁忙期などは、社員だけでなく派遣スタッフにも残業をお願いして乗り切っていました。

しかしながら社員の残業が増えると、本来人事が注力すべき業務に時間がさけません。そんな中、業務を担当していた派遣スタッフが、派遣法で規定された3年満期で継続が難しくなります。そこで困ったN社人事部から、パーソルテンプスタッフへ『業務委託』切り替えの相談が入りました。

当初は、どこまで業務を委託できるかが手探り状態であったので、リーダー1名、メンバー2名、計3名からスモールスタート。この委託チームは、シェアード会社への「橋渡し役」としての機能が大きいのが特徴です。これまでの業務は前任の派遣スタッフから、委託を機に追加になった業務は社員の方から教えていただき1ヶ月かけて引継ぎを行いました。

リーダーは、引継ぎを受けながら、バラバラとしていた「点」の業務を「線」でつないでいきます。例えば通勤経路の変更や、住居変更の申請業務は、内容を精査して承認ボタンを押すことで給与計算に反映されます。このように給与計算をゴールとした場合、それに影響する業務のつながりを意識し、線でつなぐことによって1ヶ月の動きがより明確になりました。

02「企画・厚生チーム」と「人財チーム」で人事を的確にバックアップ

「企画・厚生チーム」と「人財チーム」で人事を的確にバックアップ

引継ぎが完了し、「企画・厚生チーム」と「人財チーム」の二つのチームにわかれて本格的に運用がスタートします。企画・厚生チームは、通常業務として勤怠管理、社会保険管理、退職手続き案内、通勤経路・住居変更の申請、証明書発行業務、慶弔業務(結婚・出産・訃報)を担当。スポット業務として、人事考課、昇格審査に関する業務もあります。また社内のオープンポジションに対する社内公募、いわゆる社内転職に関する業務も行っています。これは応募したい部署からの案件とりまとめから始まり、募集項目が載るイントラのhtml更新、実際の応募から希望者異動までの業務をワンストップな対応で行っています。

人財チームは、健康推進、働き方改革に関する業務を担当。健康診断業務は、ふたつの拠点の約1000人弱が対象です。会社にまとめて届く問診票を社内便または自宅郵送で約4ヶ月ごとにわけて配送します。診断結果も同様に発送し、結果が会社基準を下回った従業員への再検査のリマインドも行います。

次に労務管理は、残業時間に関する36協定のチェックです。毎月15日に開始して月末まで残業をチェックし、残業時間を集計してアラートメールを作成、対象者について人事に報告します。人事は、対象者とアラートメールをチェックして送信ボタンを押します。残業が多い社員には、別途、産業医との面談案内を出してスケジュールを調整します。

最後に、退職者面談の業務について。退職者がどのような経緯で会社を辞めるに至ったかの正直な話を人事OBの産業カウンセラーがヒアリングします。退職者情報が分かる委託チームからご案内を行いスケジュール調整します。

03メール文化の強い企業だからこそOutlookで業務管理

メール文化の強い企業だからこそOutlookで業務管理

運用を進める中、委託チームとして品質、進捗などを工夫して管理しています。例えば、Outlookを活用した業務管理です。もともとメール文化が強い企業であることもあり、委託チーム共通のグループアドレスに依頼が届きます。メールが届くと、依頼内容を見てメンバー各自が自分担当の業務かを判断し、依頼メールごとに名前タグをつけます。これで、どの依頼を誰が受けたが一目瞭然に。またステータスは、黄色であれば「要対応」、赤色であれば「回答待ち」など色分けして管理。進捗状況に関しても、受信トレーに残っていれば「動いている案件」、完了したら完了ボックスに異動など、タスクの全量を把握できます。電話やチャット、紙、口頭からの依頼がなく、メール文化だからこそOutlook管理が効率的に機能します。

さらにミス防止の試みとしてダブルチェックを徹底しています。業務において、メール送信、紙の郵送があり、個人情報を含む内容が多いため、送信・郵送の際は必ず一通ごとにダブルチェックを実施。Outlookのオートコンプリート機能は便利ですが、アドレス誤入力防止のため全スタッフ無効にしています。人によるミスを起こさせない丁寧な運用で事故を未然に防ぎます。

また委託を開始した際に難しかったのがお客さまとのコミュニケーションです。委託開始直後から現在に至るまで、社員のほとんどはテレワーク。人事部の方は20名ほどいらっしゃいますが、一度もお会いしたことが無い方も何人もいます。

こうした中、依頼はメールで行われますので、委託開始直後は、コミュニケーションの取り方が難しい状態でありました。メール本文だけだと、どうしても温度感が掴めないのです。そこで委託チームから電話などを使い積極的にコミュニケーションを取ることに。こうすることでお客さまの人柄や家庭のご事情なども少しずつわかるようになり、1年かけてお客さまとの距離を縮めることに成功。

今では折り返しや返信をすぐに頂けるなど、協力的な関係を築けるようになりました。また委託チームとしても社員のご事情を図って「この時間に送れば何時に返信が返ってくる」などのタイミングも読めるようになりました。

04委託チームの業務まき取りで、人事部はさらにコア業務注力へ

こうして1年5ヶ月ほど順調に業務遂行を進めることで評価をいただけるようになり、業務の追加に合わせて4名体制に。今後、さらに人財チームに新たな業務が追加されることが決まり5名に拡大します。

追加業務のひとつは、契約社員とパートに関する年度ごとの契約更新業務です。合わせて100名ほど在籍しているので、4月の更新時期は繁忙になります。

もうひとつがeラーニングシステムの業務。新しく自己研鑽のためのチャレンジ時間にあてて欲しいとeラーニングシステムが導入されることになり、委託チームに運用管理を任されます。対象社員は、社員・契約社員合わせて約1000人。社員アカウントの登録・管理やパスワードを忘れた方へのリセット問合せ対応(ヘルプデスク)、退職社員の削除、入社社員の追加、人事異動で組織が変わった際のメンテナンス、システム保守などをワンストップで行います。

こうした事務的なルーティン業務を、委託チームが巻き取ることによって、人事部が本来注力すべき「規定の見直し」やeラーニングなどの「新しい企画」に注力できるようになりました。人事部からは「出せる業務」「出したい業務」はまだまだ沢山あると言われており、順番待ちが出来ています。まずは残業が多い社員の業務から委託化の準備を進めます。

また人事部での成果が、総務部にも共有され、総務部署の委託プロジェクトが始まることになりました。パーソルテンプスタッフの業務委託は、これからもますます社員のコア業務注力へ寄与することをお約束いたします。

05担当者コメント

「一つひとつを丁寧に」を毎日繰り返してきました。 日々業務の引継ぎを受け、スタッフさん側の意見も貰いながらフローを構築し、業務マニュアルに落とし込みました。サポートいただいたご担当者さま、スタッフさんに助けられて拡販につながる成果をだせたこと、とても感謝しています。 間もなくプロジェクトを離れますが、新たに着任いただいたリーダーにも今までの良いところを引継ぎつつ、更なる発展を期待しています。
(パーソルテンプスタッフ株式会社 第一BPO事業本部 東日本スマートワークサービス部 スマートワーク運用二課 プロジェクトリーダー)

06本記事のPDF資料

今回取材させていただいたお客さまへのBPO導入事例を、PDF資料として配布しています。(個人情報の入力は不要です)

事例の資料はこちら [0.5MB]

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