これは、テンプスタッフフォーラムを通じて派遣社員として働く小倉さんのお話です。

新潟県三条市出身の小倉さんは、大学を卒業後、アメリカのオレゴン州にある日本語学校で日本語教員のインターンシップとして働きます。そして今は、テンプスタッフフォーラムを通じて派遣社員として働きながら、燕三条でピラティスのスタジオを運営しています。
小倉さんがなぜ派遣社員として働きながら、ピラティスのスタジオを運営しているのか。探っていきました。

小倉さんはオレゴン州の日本語学校で働かれていたんですか。

そうです。半年くらいインターンとして日本語教員をさせてもらっていました。

頭痛と胃弱で、大学院への道は諦める

住まいはどうされたんですか?

生徒さんのお家を転々とホームステイしてしながら「異文化交流」みたいな形で過ごしていましたね。

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インターンシップということは、お給料は出ないわけですよね。

ええ、お給料はなくて、“お小遣い”みたいな形で150ドルぐらいいただいてましたね。

その後のキャリアはどうなったんでしょうか。

本当はそこで日本語教員の推薦状をもらって、その後に大学院へ進もうかなと思っていたんですけど……。

けど?

体を壊して駄目になってしまって、新潟に戻って正社員として事務職で働くようになりました。

そうでしたか。ちなみに、体を壊したというのはお伺いしても……?

色々あるんですけど、子供の頃からアレルギー持ちだったり、鼻炎持ちだったり、頭痛持ちだったりして。頭痛にしても偏頭痛が頻繁にあって、頭痛薬を飲むんですけど、そうすると今度は胃を壊してしまうんです。

わあ、大変ですね……。

偏頭痛がしたら頭痛薬を飲んで、胃が痛くなったら今度は胃薬を飲む。学生の時からずっと、それを繰り返していたんです。

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猫背を改善。インストラクターを目指す

それは治らないものなんでしょうか。

それが、私の母から「姿勢を改善すると楽になるんじゃないか」と言われまして。

姿勢の改善?

ええ、母がピラティススタジオに通っていたんですよね。それで誘われまして。

行ってみたわけですね。

私も行きはじめて、もともと猫背だったんですけど、姿勢がちょっとずつ変わってきたところからラクになりまして。

へえ、すごい!


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それで、私もこういったことを提供する側に行きたいなって。

なるほど。

それで、事務職をしながら練習をして、資格を取って。それで、運動教室みたいなところでピラティスの仕事しながら働いて、一度フリーランスになったんです。

フリーのインストラクターですか。

ええ。そこから、ある程度の自信もついたので「東京に行こう」と思って上京したんですね。それで、あるスタジオのインストラクターのオーディションに受かったので、レギュラーとして働くようになりまして。

すごいじゃないですか。

ただ、あまりにも楽しすぎて、休み無しで仕事を入れていたんです。そうしたら、ある時に血の気が引いて倒れてしまって。

あららら……。

再びインストラクターに復帰するも、不安が襲う

それでまた薬を飲みながら、調整していきました。だいぶ良くなった後に、またアメリカに行ったんです。

またアメリカに。

ええ、ピラティスって『チェア』とか『キャデラック』とかいろんな器具を使うんですけど、その器具を扱うインストラクターの養成コースに通いました。3カ月ほどいたんですけど、また身体がおかしいなってことで、新潟に戻ることになって……。

うーん、身体の不調とともに活動されている感じですね。

ホントそうなんです。また身体を壊したので、今度は地元の小さな派遣会社さんに登録して、事務職としてフルで働かせてもらって。

そうすると、インストラクターの活動は?

ええ、週に12回くらい新潟市の方に行って、大手のホットヨガスタジオがあるので、そこでお仕事をいただいててレギュラーでやっていました。

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徐々に慣らしていった感じですかね。

そうです。徐々に体調を戻していきながら、次は燕三条のピラティススタジオで働かせてもらうことになりました。

ようやくフルでインストラクターに復帰、と。

はい。ただ、不安はありましたね。

身体の不安ですか?

いえ、フリーのインストラクターだとお給料が安くて。でも、年は取っていくじゃないですか。体もきつくなりますし、このままじゃ厳しいなって思って。

自分のスタジオをスタートするも、不安定

他のインストラクターさんはどうしているんでしょうか?

先輩は皆さん独立されてやっているので、私もいつか自分でスタジオやりたいな、というのはありました。「拠点を構えた方がお客様も来やすいよ」っていうアドバイスもいただきましたね。

なるほど、フリーよりも自分のスタジオを、と。でも、自分でスタジオを持つというのも大変ですよね。

そうなんです。自ら借りるのもちょっと不安だなと思ってて。結局、毎月の家賃はかかってきますからね。ただ、自宅にちょうど利用しなくなったスペースができたので、両親も了承してくれて自宅からスタートできることになったんです。

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おお、それだと家賃がかからなくていいですね。

ただ、「集客」が厳しいんですよね。東京と違って、人が大勢いるわけでもないですし、特に冬は減ってしまうので不安定で。

え、なぜ冬に減るんでしょう?

見ての通り、この地域は雪が深いので。さすがに「運転が怖い」っていうことで、雪だとお客様も来れないんですよね。

新潟の方でも怖いくらいの雪なんですね。

ええ。そもそもお客様の予約もバラバラに入るので、「週3くらいでできる派遣の仕事はないかな」と思って探していたら、テンプスタッフフォーラムさんから良いお仕事の連絡をいただいて。

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派遣を活用しながらスタジオを軌道に乗せたい

そうでしたか。どんなお仕事でしょうか?

コロナウイルスのワクチン接種の予約を受けるコールセンターですね。9人くらいで働いていて、なかには私みたいな個人事業主として別のお仕事されている方もいますし、シングルマザーさんとか、いろんな環境の方がいて。

いろんな環境の方でも柔軟に働けるお仕事だった、と。

はい、本当に柔軟で、シングルマザーさんも「今日は子供が風邪引いたんで休みます」とか融通がきく感じですし、みんな助かってますね。派遣という働き方がこんなにフレキシブルだとは思ってなかったです。

それは良かったです。スタートさせたご自身のスタジオは、どんな雰囲気なんでしょうか?

私が身体と心を壊した経験もあるので、“同じようなお悩みを持つ方を、ボディワークを通してサポートしたい”というコンセプトでやっています。基本的にはプライベートレッスンをしていて、セミプライベートでも3名様までで。

具体的には何を提供されているんでしょうか。

ピラティス、専用のボールを使うヤムナ(R)、瞑想(プリズム(R))などで、姿勢改善や肩こり、腰痛のお悩みに対して身体と心を整えるサポートをしています。

網羅的に身体と心をサポートする感じなんですね。

はい。詳しくはホームページをご覧いただけたら嬉しいです。
※「mellow conditioning studio

じゃあ、いずれはこちらを軌道に乗せていきたい、と。

そうですね。今は補助的な形で派遣を活用させてもらってますけども、ワクチンのコールセンターもいずれは終了しますし、引き続き派遣を活用させてもらいながら、いずれ自分のスタジオを軌道に乗せられればと思っています。

小倉さんの今後の活躍も期待しています。ありがとうございました!


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