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(情報掲載日:2020年3月10日)


まもなく新入社員を迎える4月です。人生100年時代に向けて、これから社会人になる新入社員には新たな能力・キャリアを設計する力が求められています。経済産業省が発表した「人生100年時代の社会人基礎力」では、今後必要な能力に「考え抜く力、チームで働く力、前に踏み出す力」をあげています。人生100年時代に求められる新入社員教育について考えます。

●より重要性が増している「社会人基礎力」とは

「社会人基礎力」は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力と12の能力要素から構成され、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として、経済産業省が2006年に提唱しました。


その後、長寿による新たな人生設計が必要となる「人生100年時代」や、IoTやAI技術などのITを主軸とした「第四次産業革命」が注目されるようになり、あらためて「社会人基礎力」の重要性が増し、「人生100年時代」ならではの切り口・視点が必要となっていました。こうした状況を踏まえ、経済産業省が2017年度に開催した「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」において、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を「人生100年時代の社会人基礎力」と新たに定義し、2018年に発表しています。

●求められるのは「3つの能力と12の能力要素」

社会人基礎力は、「考え抜く力」「チームで働く力」「前に踏み出す力」の3つの能力とそれを構成する12の能力要素で次のように定義されています。これらの能力を発揮するにあたっては、自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要であると位置づけられています。


(経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力について」※1を参考に作成)

この表の中で注目すべき能力要素といえるのは(※)部分です。これらはすべて組織や職場といった集団との関わりの中で求められる能力要素であり、いかに周囲と協調し、周囲に影響力を示しながら活躍できるかが今後の教育でも注目されるといえます。また、「人生100年時代の社会人基礎力」では、人生100年時代に向けて求められる3つの視点、「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「どう活躍するか」が明示されています。能力を開発するにあたって、学ぶ内容、方法、最終的な目的について自らバランスを取りながら、キャリアを切り拓いていくことが重要です。

人生100年時代に向けて求められる3つの視点

(経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力について」※1を参考に作成)

●人生100年をデザインするために必要な無形資産

人生100年時代を示した『ライフシフト』の著者で、ロンドン・ビジネススクール教授であるリンダ・グラットン氏は、人生のステージはこれまでの3ステージからマルチステージに変化し、仕事におけるマルチステージでは次のような無形資産が求められると述べています。こうした資産をどのようにつくるかが、今後、教育でも問われていきます。

人生のステージの変化

3ステージ「教育:22歳まで」→「仕事:65歳まで」→「老後:84歳まで」
     ↓
マルチステージ「教育:22歳まで」→「1つ目のキャリア」→「2つ目のキャリア」→「3つ目のキャリア」…(80歳までの複数キャリア)→「老後:100歳まで」


人生100年時代に重視される無形資産

※1:経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力について」(2018年)
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/jinzairyoku/jinzaizou_wg/pdf/007_06_00.pdf


変化の激しい現代において、人生100年時代に対応することを考えるには、変化に対応すていく力を身に付けておく必要があります。その点において今注目されるのは新たな働き方への対応です。現在進められている働き方改革、長時間労働の是正への対応や、ビジネスに欠かせないICT機器によるコミュニケーションマナーなどについての教育が注目されています。

●働き方改革教育

これからの新入社員は働き方改革の一期生ともいえる世代であり、新たな改革を現場で支える世代に育てなければなりません。改革がなぜ必要なのかを理解させ、そのうえで生産性を高めるなどの前向きな改革を実現する教育が求められます。

働き方改革教育の内容例

・働き方改革の基本原則、意義(なぜ必要か、どのような意味があるか)
・働き方改革へのマインドセット(生産性向上、ワーク・ライフ・バランスの必要性など)
・仕事の改革(属人化の解消、仕事の見える化、仕事の標準化、ビジョンなど)
・人の成長(メンバーの理解、働き方改革による人の成長機会、ビジョンなど)
・チームとしての未来(人のつながり、改革サイクルの確立など)


●スケジュール管理教育

職場の長時間労働を是正するには、個々のスケジュール管理の能力を高めることが求められます。入社時にスケジュール管理のノウハウを覚えることで、効率よく働く習慣を身に付けることができます。

スケジュール管理教育の内容例

・スケジュール管理に必要なものとは(業務計画力、業務遂行力など)
・日々の仕事スケジュールの分析(仕事内容を書き出し、1日の流れをチャートに落とす。ムダ、読みの甘い部分を洗い出す)
・スケジュール管理の失敗談(時間の見積りの失敗、経験や知識の不足、上司への報連相や関係者へのコミュニケーション不足など)

●ICTコミュニケーションマナー教育

ICT機器の普及とともに、ICTコミュニケーションにおけるトラブルも増えつつあります。ICTコミュニケーションでは実際にどのようなトラブルがあり、それを防ぐにはどうすればよいのか。社会人に成りたての早い段階でのICTコミュニケーションマナー教育が求められています。

ICTコミュニケーションマナー教育の内容例

・ビジネスメールのマナー(メールの書き方、添付ファイルの送り方、セキュリティリスクなど)
・ソーシャルメディアのマナー(自社のソーシャルメディア方針、機密保持義務、発言内容など)
・ICT機器の利用に関するマナー(モバイル機器の活用、セキュリティリスク、個人所有の機器など)



企業ではこれまでに社会人基礎力やそれに類する力に着目した、さまざまな新入社員教育、若手教育が行われています。

社会人基礎力やそれに類する力に着目した新入社員・若手教育例


人生100年時代において、長い期間を健全に働くには、仕事や組織、職場といった変化に一つ一つ対応していく必要があります。新入社員にはこうした時代にいることをいち早く自覚することが求められ、また、新入社員を迎える企業には、こうした変化をよき意識改革の機会としていくことが望まれています。

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