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(情報掲載日:2019年10月10日)


働く女性の人口は2018年に初めて3000万人を突破しました。政府は2020年までに女性管理職の比率を30%にする目標を掲げており、企業は女性管理職の発掘、育成に注力しています。どうすれば女性管理職を増やすことができるのか。その方法と事例をご紹介します。

●働く女性の割合は過去最高を更新。女性の労働力の重要性が高まる

厚生労働省「平成30年版働く女性の実情」(※1)によれば、女性の労働力人口は2018年に前年から77万人増加して3014万人と、初めて3000万人を突破しました。労働力人口総数に占める女性の割合は前年から0.4ポイント上昇して44.1%と過去最高を更新。ますます女性の労働力の重要性が高まっています。

労働力人口および労働力人口総数に占める女性の割合

(厚生労働省「平成30年版働く女性の実情」※1より作成)

●政府目標「2020年までに女性管理職の割合を30%に」

政府は女性活躍推進に向けて、「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標」を設定しています。指導的地位とは、@議会議員、A法人・団体等における課長相当職以上の者、B専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者です。この目標は、1990年に国連経済社会理事会で女性の地位向上のために採択された「ナイロビ将来戦略勧告」において提示された30%の目標数値や諸外国の状況を踏まえて設定されました。

●管理職に占める女性の割合は12.9%と低水準

「2020年30%」の目標が設定されていますが、管理職に占める女性の割合をみると低い水準が続いています。「国際労働比較2018」(※2)によれば、日本の就業者に占める女性の割合は43.5%であるのに対し、管理職の女性の割合は12.9%。フィリピン48.9%、アメリカ43.8%、オーストラリア36.6%、イギリス36.0%、フランス32.9%など、海外と比べても低い水準となっています。過去をみても、日本は11.1%(2012年)、11.2%(2013年)、11.3%(2014年)、12.5%(2015年)と低い水準が続いており、政府が掲げる「2020年30%」の目標達成は大変厳しい状況です。企業には引き続き女性管理職を増やす努力が求められています。

就業者および管理職に占める女性の割合(2016年)

(労働政策研究・研修機構「国際労働比較2018」※2より作成)

●2019年に女性活躍推進法を改正。一般事業主行動計画の対象を拡大

2019年5月には女性活躍推進法において、一般事業主行動計画の策定や情報公表の義務の対象を常時雇用労働者数が301人以上の一般事業主から、101人以上の一般事業主へと拡大する改正法が成立、6月に公布されました(※3)。これにより、労働者が101人以上の一般事業主は、@自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析、Aその課題を解決にふさわしい数値目標と取組みを盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表、B自社の女性の活躍に関する情報を公表しなければなりません。中小企業にも計画的な女性活躍への環境づくりが求められ、こうした流れから女性管理職の増加につながることが期待されます。

※1:厚生労働省「平成30年版働く女性の実情」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/18.html

※2:労働政策研究・研修機構「国際労働比較2018」
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2018/documents/Databook2018.pdf

※3:厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

●なぜ女性管理職が増えないのか

女性管理職が増えない大きな要因の一つは、企業が女性にとって働きやすい環境を用意できていないことにあります。女性は、管理職になれば家庭との両立が困難になると考え、昇進に迷いが生じることがあります。特に問題なのは管理職の長時間労働です。昇進で多忙になり、長時間労働が前提となる限り、子育てや介護など家庭生活との両立は困難であると認識させてしまうのです。

●管理職へのハードルを低くするには

女性を管理職に登用するためには、管理職になってからも、これまでと同じように家庭やプライベートを大切にできることを示さなければなりません。そのためには、企業は女性管理職への支援を第一に考えていることを示し、定期的に状況を把握し、サポートをしていく必要があります。以下のような体制をつくって、管理職へのハードルを下げる努力が求められます。

女性の管理職へのハードルを低くする方法


●女性に管理職を快諾してもらうための4ステップ

人材および組織開発に詳しい立教大学教授の中原淳氏は、昇進の受け入れのキーは男女で異なると述べています。男性は昇給や権限の拡大から昇進を希望しますが、アンケート調査によれば、女性はなぜ自分が選ばれたのかという理由や意味づけで決意していました。そのため上司からの説得がより重要になります。中原氏は著書で女性に管理職への昇進を伝え、快諾を得るための4ステップを紹介しています。特に「なぜあなたなのか」について本人が納得するまで時間をかけることが重要です。

上司から女性社員に管理職への昇進を伝え、快諾を得るための4ステップ

(中原淳『女性の視点で見直す人材育成―だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる』ダイヤモンド社を参考に作成)

●気軽に管理職に挑戦し、周囲はそれを支援する環境をつくる

女性の管理職を増やすには、管理職へのハードルを下げて、仕事へのより一層の自信や成長を感じられる仕事を与え、その上で周囲が支援していくことが求められます。女性が管理職になるうえで何らかの障害を感じるのであれば、その解決策は障害そのものをなくすか、障害が存在しても管理職の仕事が務まるようにすることです。いかに周囲が支援の姿勢を示し、具体的に支援することができるのかが問われます。

女性管理職の増員に成功した企業が行った施策


女性が管理職になりたいと思うようになるには、女性のキャリアに対する不安を取り除き、管理職になることに対してポジティブなイメージが持てるようにしなければなりません。その上で企業は、管理職候補の女性に対し、将来、「あなたが適任である」という言葉が伝えられるように管理職への適性を見極め、その強みを活かした人材育成を行うことが求められます。女性管理職の育成では、企業が候補者に対し、どれだけ本気で期待したのかが問われるのです。

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