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(情報掲載日:2018年12月10日)


働き方改革が推し進められ、生産性向上が叫ばれるなか、社員のモチベーションをいかに管理していくかが課題となっています。モチベーション・マネジメントを行うことは、部下をやる気にさせ、組織を活性化することにつながります。どうすれば人や組織がより意欲的になれるのか、その考え方や手法について解説します。

●働き方改革は社員のモチベーションに大きく影響する

モチベーション・マネジメントとは、企業の生産性や成果を高めるために、社員に対して何らかの動機付けを行い、モチベーションを上げることで行動に移させる管理手法です。2019年4月から働き方改革関連法が施行されますが、これにより職場環境に大きな変化が起き、働く人のモチベーションに影響することが懸念されています。人は元来変化に対してネガティブな反応を示す傾向があり、変化に直面すると大きな変化を避けて現状を維持しようとする「現状維持バイアス」が生まれます。そうならないためにもモチベーション・マネジメントが重要になります。また、働き方改革では労働時間など人の働き方に関わる改革と同時に生産性向上も課題であり、そこにもモチベーションが大きく関わります。これらに対応するためにも、早期からモチベーション・マネジメントに取り組むことが求められています。

●「他責」「正当化」「あきらめ」「不安」がモチベーションに影響

変化の激しい状況下では、モチベーションを下げる思考も生まれやすくなります。キャリア・デベロップメント・アドバイザーで関連の著書もある岩崎玲子氏は、モチベーションが上がらない人が持つ4つの思考をあげています。

モチベーションが上がらない人が持つ4つの思考

(岩崎玲子『リーダーのためのモチベーション・マネジメント』PHPエディターズ・グループ)

これらの思考は、周囲や事実、目的について、独りよがりな見方に陥ったために起きたものといえます。こういった思考に入ると、「よりよい人間関係から得られる充実感」や「学び」「面白さ」「創造性」「業務の正確さ」「居場所・存在意義・尊厳」「自分らしさ」など、仕事で得られたはずの多くの要素が得られなくなります。このように仕事におけるモチベーションの有無は、正反対の結果を生むほどに大きな影響力を持ちます。

●モチベーションに大きく影響する「人を動かす6つの欲求」

それではモチベーションに影響する人の欲求にはどのようなものがあるのでしょうか。カリスマ・モチベーションコーチとして知られるアンソニー・ロビンズは、人を動かす6つの欲求があると述べています。「安定感」と「不安定感」は相反するものですが、これはどちらかが満たされると、もう一方が欲しくなるという関係です。「重要感」「成長」は自身への欲求、「愛とつながり」「貢献」は他者への欲求といえ、ここにも対となるような関係性があります。これらはモチベーションを維持、コントロールするうえで、常に意識しておくべき要素です。

人を動かす6つの欲求


●すべての変革は「絶対視する現状に揺らぎを与えること」に始まる

何事においても仕事における現状を変える際には、仕事の進め方、手法など、何かを変える必要があります。問題は変える過程において、いかにモチベーションを維持し、高めつつ取り組めるかということです。変化を生み出すモチベーションはすべてにおいて現状を変えていくカギとなります。モチベーションにおけるコンサルティングの専門家である小笹芳央氏は、変化を生み出すモチベーションを構築する3ステップを定義しています。

変化を生み出すモチベーションを構築する3ステップ
(小笹芳央『変化を生み出すモチベーション・マネジメント』PHP研究所を参考に作成)

ここで特徴的なことは「まず絶対視する現状に揺らぎを与え、考えさせること」から始める点です。これまで成果を出してきた人や組織ほど、現状のスタイルに固執する傾向があります。そこで、これまでのやり方を認めつつも「そのやり方だけではない」と相対化し、他の方策の価値を理解させていきます。これは直接「変化」から入る手法と比べて、遠回りになるように思えますが、実は効果的であり、効率的といえます。本質的で自発的な変化を望むのであれば、この3つのステップを踏むことが重要です。この考え方は人にも組織にも応用できます。

●求められるのは「自分が主役」と思える配慮

人はどのようなときに高いモチベーションで仕事ができるでしょうか。給与や昇進など外からほうびを与えられてやる気になる「外発的動機付け」と、お金や地位に関係なく自分の心の中から湧き上がるようにやりたい気持ちになる「内発的動機付け」があります。部下のやる気を高めるには外発的動機付けでは限界があり、内発的動機付けが重要になるとされています。筑波大学大学院の櫻井茂男教授は、内発的動機付け要素に「他者受容感」「有能感」「自己決定感」をあげています。やはり部下自らが「自分が主役」と思えるように自信を持たせることが重要であることがわかります。また、部下との接し方では、互いに信頼関係をつくったうえで、部下の課題を共有し、徹底してフォローしていくことが求められます。

部下のモチベーションが高まる3つの要素

(岩崎玲子『リーダーのためのモチベーション・マネジメント』PHPエディターズ・グループを参考に作成)

●組織のモチベーションを高める演出法

組織としてのモチベーションを考えると、自由度の高い組織のほうがモチベーションをコントロールしやすいといえます。「挑戦できる雰囲気をつくる」「意見が言いやすい雰囲気をつくる」など、行動の許容度を高めることで、考えて行動する企業文化がつくれます。また、「エースを育てる」「ライバル意識を持たせる」など、部下の心に火をつけるような、刺激のある日常をつくることも重要です。

モチベーション・マネジメントにおいて、多くの企業で次の課題となるのは、「働き方改革による環境変化を、いかに社員のモチベーションアップに結びつけるか」ではないでしょうか。モチベーション・マネジメントは動機付けの管理手法ですが、その前提として必要なのは組織に対する信頼です。企業は働き方改革を前向きに捉えて、人や組織がより意欲的になるようモチベーション・マネジメントを行うことが求められています。

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