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(情報掲載日:2016年3月10日)

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」

柔軟な働き方を可能にする在宅勤務制度

VOL.50


企業や自治体で新たに在宅勤務制度を導入したり、制度の制限を撤廃するといった話題がニュースで取り上げられています。在宅勤務制度によって通勤時間をなくし、家で仕事をすることで、効率的で柔軟な勤務環境をつくることも可能でしょう。在宅勤務がもたらす影響や導入方法、懸念点などについて解説します。

広がりを見せる制度導入

●在宅勤務とは何か

在宅勤務はテレワークの一種です。テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方であり、働く場所によって主に3種類に分けられます。在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モバイルワークの3種類です。また、在宅勤務のうち、雇用関係を持たない自営的な働き方は、在宅ワーク・在宅就業・SOHOなどと呼ばれています。在宅勤務制度が企業に導入され始めた当初は、社員への福利厚生という意味合いが強くありましたが、ワーク・ライフ・バランスの実現といった目的で企業への導入が進むにつれて、「社員の勤務形態の一つ」として認識されつつあります。

テレワークの種類

法的な条件でいえば、在宅勤務者も通常の社員と同様に、労働基準法、労働契約法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法などの法律が適用され、労働時間も雇用関係のある事業主の労働時間が適用されます。専門性が高く仕事の進め方を本人に任せたほうがよい場合は、裁量労働制を導入することもできます。
2015年以降にニュースで報じられた在宅勤務制度の導入・拡充としては、以下のような例があります。

最近の在宅勤務制度の導入・拡充例

●なぜ導入が広がっているのか

導入や拡充の背景には、大きく三つの要因があると考えられます。
一つは労働力および優秀な人材の確保です。労働人口が将来減ることが予想される中、社員により効率的で柔軟な勤務環境を提供することは離職率を下げ、優秀な人材を獲得することにつながります。政府は4月に施行する女性活躍推進法で行動計画の策定および支援情報の公開を求めており、在宅勤務制度の導入は女性を支援するためのひとつの取り組みともいえます。
二つ目は業務への意欲向上です。近年注目度の高いワーク・ライフ・バランスの実現を図り、仕事と家事の両立を支援することが、社員の活躍につながります。
三つ目は災害時における事業継続です。東日本大震災以降、企業にはBCP(事業継続計画)の策定が求められており、在宅勤務制度はこうした問題を解決する重要なソリューションとなっています。

政府は2013年に閣議決定し、2014年に改定を行った「世界最先端IT国家創造宣言」で、2020年までの目標として、以下3点を掲げています。
・テレワーク導入企業を2012年度比で3倍にする
・週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10%以上にする
・こうした取り組みを含めた女性の就業支援等により、第一子出産前後の女性の継続就業率を55%、25歳から44歳までの女性の就業率を73%まで高める
そのためテレワークを中小企業にも導入しやすいように、政府や自治体から助成金が支給されるなど、バックアップ体制も整えられています。


在宅勤務の特徴と導入までの流れ

●在宅勤務のメリット・デメリット

在宅勤務の導入により自由度の高い働き方ができることで、企業と社員双方に、さまざまなメリットが生まれます。これまで育児や介護、病気などで退職を余儀なくされた人がこの制度で勤務を続けられるようになったり、通勤が難しい遠方居住者などの就業機会を増やすことにつながることもあります。その反面、職場のメンバーが毎日顔を合わせなくなることにより、コミュニケーション面や評価面での工夫が求められます。

導入のメリットとデメリット

●在宅勤務に関する調査

日本テレワーク協会の調査(※1)では、20歳〜69歳の業務でメールを使う就業者のうち、現在、在宅勤務をしている人は8.9%でした。しかし、それを除く人のうち、在宅勤務を利用したいと考える人は59.1%と半数を超えています。また、全員に「あなたは、メール(と電話)さえあれば、オフィスに出勤しなくても仕事ができると思うか」と聞いたところ、オフィスに行かなくても仕事ができると回答した割合は 50.1%となりました。半数の人は現時点で在宅勤務の利用が可能と答えています。

「Q.オフィスに出勤しなくても仕事ができると思うか」への回答
(日本テレワーク協会「働き方に関する調査」より)

●導入の流れ

在宅勤務制度の導入は、必要とされる条件や要素を洗い出していくことから始めます。流れは以下のようになり、その過程では実践しながら修正するというスタンスが求められます。

在宅勤務制度 導入の流れ
(『在宅勤務が会社を救う』田澤由利 東洋経済新報社を参考に作成)

※1:日本テレワーク協会「働き方に関する調査」
http://www.japan-telework.or.jp/files/doc/20161217NewsRelease.pdf


在宅勤務における懸念点

●在宅勤務における懸念点と解決策

在宅勤務では制度を使う社員と使わない社員が顔を合わせないだけに、互いにスムーズに仕事が行えるルールづくりと、職場の一体感をいかに醸成するかが問われることになります。お互いに気付いたことはすぐに課題として取り上げるなど、早めの対応を心がけることがポイントです。

在宅勤務制度は「社員の福利厚生」のための制度だけでなく、柔軟な働き方を可能にし、「社員に無理なく存分に働いてもらうための企業戦略」でもあります。人事は、社員から「どうすればより働きやすくなるか」について常に意見を聞き、前向きに検討するスタンスが必要です。企業は、在宅勤務制度を導入することで、導入前よりも働きやすく、効率よく成果が出せる職場環境づくりをすることが求められています。

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