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(情報掲載日:2015年12月10日)

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」

「待ち」から「攻め」へ 変わる人材採用

VOL.47


穏やかな景気回復を背景に、新卒、中途ともに採用競争が激しくなっています。企業はこれまでのように人材を「待つ」のではなく、自ら「攻め」の採用を行うことが求められています。既存の採用手法に加えて、人材データベース・SNSの活用や社員紹介といったダイレクトソーシング、他社との差別化を意識した採用活動など、新たな手法を加えて実践する企業が増えています。

なぜ今「攻め」が必要なのか

●新卒、中途ともに採用競争の激化で新たなルートが必要に

景気回復を背景に新卒、中途ともに求人が増え、採用状況の厳しさが増しています。厚生労働省発表(※1)の2015年10月の有効求人倍率(季節調整値)は1.24倍と、1992年1月(1.25倍)以来の高い水準が続いています。

新卒採用では、経団連が新たに策定した「採用選考に関する指針」により、2015年から採用スケジュールが繰り下げられ、選考期間が短くなったことで企業間の採用競争が激化しました。企業は選考期間の短縮を懸念し、早期から学生に接触。学生が本命とする大企業の選考が前年より遅くなったことで、早期に選考・内定出しを行う中小企業では内定辞退が増加。結果として今回の採用ルール変更は、企業の採用活動を長期化することにつながりました。

転職サービスDODA調べ(※2)によると、中途採用では2015年10月の転職求人倍率は1.18倍と高水準にあり、求人数はここ11ヵ月連続で過去最高を更新。転職希望者数も調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新しています。人材側の売り手市場が鮮明となっており、企業は他社よりも先んじて、いかに自社に合う人材を見つけるかが大きな課題となっています。

「攻め」の人材採用を行うためには、これまでの採用手法に加えて、新たなルートを開拓する企業が増えています。そこで注目されているのが、企業が直接人材にアプローチするダイレクトソーシングや、他社との差別化に重点をおいた採用PR活動です。

1:2015年10月 有効求人倍率(厚生労働省)
ttp://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000104754.html

※2:2015年10月 転職求人倍率(転職サービス「DODA(デューダ)」調べ)
http://www.inte.co.jp/library/recruit/20151116_02.html


新卒市場における攻めの採用

●新卒採用での攻めの手法

新卒採用において満足のいく採用を実現するポイントは、「母集団をいかに形成するか」「マッチングする人材をいかに増やすか」「密なコミュニケーションをどう実現するか」の3点です。「攻め」の手法においても、これらのポイントを充足する4つの工夫が見られます。

一つ目は「採用ルートの開拓」で、これまでの就活サイトを利用した集客に加え、社員や自社HPなどを介した人材集客が行われています。
二つ目は「独自の選考基準」で、他社にない選考基準を打ち出し、これまで出会えなかった学生との接触を図っています。
三つ目はSNSなどのコミュニティの活用です。人と人のつながりを情報の拡散や人物紹介、またそれとは逆にフィルターとして利用する動きもあります。
四つ目は話題性のある採用活動です。話題性のある採用を打ち出すことで学生に自社を認識してもらい、新たな集客を目指します。各々の手法のメリットとデメリット、具体例は以下のようになります。

攻めの4手法のメリットとデメリット

攻めの4手法の具体例

また最近は、内定辞退も増えており、積極的に内定者に働きかけて信頼関係を築くことが求められています。選考プロセスや面接、内定後のフォローにおいて、学生側の不安を察知してそれに答え、納得感を高めることが必要です。どうしてもほしいと思う学生ならば、その学生の側に立って考えるくらいの思いも必要になります。内定辞退を防ぐポイントは以下の通りです。

内定辞退を防ぐポイント

・学生とは1対1という思いで対応するように心がけ、学生の疑問点や不安点について確認し、十分な回答を行う
・面接で聞かれたことに対しては、よく調べて、その周辺情報も含め十分な回答を行う
・言い損ねたことや不十分な説明があれば、すぐにメールや電話で伝える
・学生が訪問する職場には、その日学生が来ることを伝え、社員にきちんと挨拶させる
・内定者との関係が途切れないように、SNSやメールを使って情報提供を行う
・内定者を集めて、懇親会やワークショップを開いたり、会社見学会と称して親も会社を訪問する機会をつくるなど、人と人のつながりを生むような場をつくる

攻めの採用では、それによって手間ばかりが増えても意味がなく、効率を考えれば、できる限り自社に合った人材だけが反応する方策を取る必要があります。それにたどり着くまでには、複数の方策を試して、採用までを検証する努力が不可欠です。


中途市場における攻めの採用

●ダイレクトソーシングの3つの手法

企業が直接人材にアプローチするダイレクトソーシングでは、これまでの手法では出会えなかった人材との接点が生まれ、自前で人材のデータベースをつくることができるようになります。主な手法としては人材データベース、SNS活用、社員紹介の3つがあります。

3つのダイレクトソーシング手法

●採用効率を上げるポイント

ただし、ダイレクトソーシングでは企業が個人一人ひとりに働きかけることになるため、転職への動機形成にパワーが必要になることも少なくありません。特に潜在層や中間層にアプローチする場合は一定の労力と期間が必要です。そのため採用活動では以下のような効率を上げる取り組みが求められます。

採用効率を上げるポイント

■人材データベース、SNS活用

  • 自社に合う人材が見つかりやすい検索条件を見つける(社内で活躍する人材などを参考に検索キーワードを割り出し、検索を繰り返しながら精度を上げる)
  • 転職への意欲段階別の人材データベースをつくる(自社に興味を持ってくれる人を増やしながら、転職への意欲段階ごとにデータベースをつくる)
  • プロフィールや資料から転職意向を読み取る(仕事や専門分野についてどの程度記載されているかで転職への関心度を図る。推薦機能がある場合はどのような人物の推薦を受けているかを確認する)
  • タイムスケジュールを組んで個別フォローする(転職の意欲段階別にスケジュールを組み、個別に定期的にメールや電話でフォローする)
  • ポイントを押さえたスカウトメールを送る(以下のポイントに従って書いたスカウトメールを送る。①自己紹介を忘れない、②任せる仕事、スカウト理由を書き、「あなただけに」感を出す、③求人情報よりも詳細な情報を書く、④スカウト受諾後の選考スケジュールを伝える)
  • 相手の人生に寄り添うスタンスでフォローする(優秀人材ほど長期的なキャリア形成を考えており、相手の気持ちを尊重したフォローを行う)
  • ライバル社のSNSページをチェックする(ライバルがどのようなアプローチを行っているのかを随時チェックし対策を考える)

■社員紹介

  • 紹介してほしい人の概要を明確に伝える(どういう人を紹介してほしいのかを明確に伝える)
  • 社員紹介の動き方を教える(例えば、フェイスブックの友人や名刺交換した人で、いいなと思った人にはフェイスブックやLINEでメッセージを送る。候補者がいないときは勉強会やイベントに参加して人材との交流を図るなど、具体的な社員紹介の動き方を伝える。また、スカウトメールの定型文を配布するなど個々の負荷も減らす)
  • 紹介へのインセンティブを設計する(紹介実績を人事評価に加えるといったインセンティブを考える。報奨金等の支給制度は職業安定法で違法になる場合があるので確認が必要)
  • 紹介しやすい風土の醸成(社内で紹介キャンペーンを実施、チームごとに紹介をポイント化して競うなど、社内に紹介の風土をつくる)
  • 候補者に社員や社内風土を紹介しやすいイベントを用意する(懇親会、社員食堂、スポーツ大会、技術勉強会など社内イベントを開催し、紹介者を連れて来られる場を用意する)

ダイレクトソーシングは、直接人材に接触できるため、いくらでも理想に近い人材を探すことができます。しかし、自分たちで人探しまで担当し、相手を説得して入社させなければなりません。そのため、そこにかかるパワーは相当なものがあります。なかなか計画通りに採用が進まないこともありますので、既存の人材紹介サービスなどもバランスよく併用しながら採用計画に備えるとよいでしょう。ダイレクトソーシングへの取り組みでは、長期的な視野に立って取り組むことが大切です。

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