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(情報掲載日:2015年7月10日)

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」

まもなく導入「マイナンバー制度」に備える

VOL.42


2016年1月に運用が始まるマイナンバー制度。企業でも従業員やその家族の税や社会保険などの手続きでマイナンバーが使われるため、番号の収集や情報管理といった利用体制を整える必要があります。マイナンバーはどのようなもので、導入スケジュールはどうなるか、どのような管理やセキュリティが必要かなどについて解説します。

マイナンバー制度とはどのようなものか

●マイナンバー制度の目的とスケジュール

マイナンバー(個人番号)は、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。2009年に議論が始まり、一度2012年に廃案となりましたが、2013年3月に再度閣議決定され、同年5月に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下「番号法」、通称:マイナンバー法)」および関連法が成立しています。
2015年10月より個人への付番が始まり、2016年1月より社会保障、税、災害対策の行政手続きでマイナンバーが必要となります。2017年1月より情報提供ネットワークシステムが稼働予定で、稼働すれば、自分の個人情報がどのように照会されたかが確認できるようになる予定です。

●導入のメリット

期待されるメリットとしては、大きく3つがあげられます。


内閣官房「マイナちゃんのマイナンバー解説」をもとに作成 ※1

●法人番号を活用する

法人には、2015年10月から法人番号が通知されます。1法人1番号付され、①国の機関、②地方公共団体 ③設立登記法人、④①〜③以外の法人又は人格のない社団等であって、所得税法第230条に規定する「給与支払事務所等の開設届出書」など、国税に関する法律に規定する届出書を提出することとされているものに対して指定されます。法人番号は個人に与えられるマイナンバーと違い、誰でも自由に使用することができます。法人番号を使えば、法人の名称や所在地の確認が容易になり、取引先情報の登録や更新が効率化されます。一つの企業の複数部署で同一企業と取引があり、部署ごとに異なるコードを使用している場合には、取引先情報に法人番号を追加することにより、情報の集約や名寄せ作業の効率化が実現できるでしょう。

※1:内閣官房「マイナちゃんのマイナンバー解説」
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/download/20150522_kaisetu.pdf

企業におけるマイナンバーの取扱いと準備

●企業におけるマイナンバー対応

企業では規模の大小に関わらず、従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し、給与所得の源泉徴収票や社会保険の被保険者資格取得届などに記載して、行政機関などに提出する必要があります。また、証券会社や保険会社が個人に代わって手続きを行う際の支払調書や、自営業者が企業と仕事をして報酬を受けた際に作成される支払調書などにも、マイナンバーを記載する必要があります。その対応は以下のような流れになります。
マイナンバーは個人に対して市区町村から通知されるので、企業は従業員から本人および扶養家族の番号を収集し、各種手続きを行います。他人のなりすましを防止するため、番号を収集する際には本人確認を厳格に行う必要があります。申請すると交付される顔写真付きの個人番号カードがあれば1枚でマイナンバーと身元の確認が可能です。個人番号カードを取得していない場合は10月から届く通知カードでマイナンバーを確認し、運転免許証やパスポートなどで身元を確認する必要があります。


企業のマイナンバー対応の概要
梅屋真一郎『マイナンバー制度で企業実務はこう変わる』(中央経済社)をもとに作成

●企業における受け入れ準備

企業においてマイナンバーの記載が必要になる書類には以下のようなものがあります。社会保障分野では健康保険、雇用保険、年金などの手続きの場面、税分野では税務署などに提出する法定調書等に記載が必要です。


企業でマイナンバー記載が必要となる書類(参考例)
政府広報「いよいよマイナンバー制度が始まります」をもとに作成 ※2

マイナンバー制度に関連する業務においては、以下のような受け入れ準備が必要となります。中でもパートやアルバイトの多い企業や、出版関係など謝金の支払いの多い企業では、取り扱うマイナンバーが多くなるため、特に注意して準備を進める必要があります。


必要とされる受け入れ準備

会計ソフトを使用している場合、マイナンバーに対応するソフトかどうかを早めに確認しましょう。ただし、手書きで帳簿などを管理している場合、マイナンバー導入を理由に、必ず電子化しなければならないわけではありません。


●ここが気になるFAQ(※3)

・マイナンバーはいつまでに収集すべきですか?

マイナンバーを記載した法定調書などを提出する時までに取得すればよく、必ずしも2016年1月のマイナンバーの利用開始に合わせて収集する必要はありません。例えば、給与所得の源泉徴収票であれば、2016年1月の給与支払いから適用され、中途退職者を除き、2017年1月末までに提出する源泉徴収票からマイナンバーを記載する必要があります。


これからの準備スケジュールの例
政府広報「いよいよマイナンバー制度が始まります」より抜粋 ※2

・マイナンバーを取り扱う業務の委託や再委託はできますか?

マイナンバーを取り扱う業務の全部又は一部を委託することは可能です。また、委託を受けた者は、委託を行った者の許諾を受けた場合に限り、その業務の全部又は一部を再委託することができます。委託や再委託を行った場合は、個人情報の安全管理が図られるように、委託や再委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければなりません。


・従業員の扶養家族のマイナンバーを取得するときは、企業が扶養家族の本人確認も行わなければならないのでしょうか?

扶養家族の本人確認は、各制度の中で扶養家族のマイナンバーの提供が誰に義務づけられているのかによって異なります。例えば、税の年末調整では、従業員が、事業主に対してその扶養家族のマイナンバーの提供を行う必要があるため、従業員は個人番号関係事務実施者として、その扶養家族の本人確認を行う必要があります。個人番号関係事務実施者とは、企業のように直接ではないものの行政事務の一部を担う形でマイナンバーを利用する者をいいます。ちなみに、行政機関のように直接的にマイナンバーを事務に利用する者は個人番号利用事務実施者といいます。
前述の税の年末調整の場合、扶養家族の本人確認は従業員に義務づけられているため、事業主が、扶養家族の本人確認を行う必要はありません。一方、国民年金の第3号被保険者の届出では、従業員の配偶者(第3号被保険者)本人が事業主に対して届出を行う必要がありますので、事業主が当該配偶者の本人確認を行う必要があります。通常は従業員が配偶者に代わって事業主に届出をすることが想定されますが、その場合は、従業員が配偶者の代理人としてマイナンバーを提供することとなりますので、事業主は代理人からマイナンバーの提供を受ける場合の本人確認を行う必要があります。なお、配偶者からマイナンバーの提供を受けて本人確認を行う事務を、企業が従業員に委託する方法も考えられます。このケースは企業が従業員に本人確認を依頼するという形になります。


●企業のマイナンバー導入チェックリスト(※4)

マイナンバー導入時には、以下のような対応が求められます。


内閣官房「マイナンバー導入チェックリスト」をもとに作成

※2:政府広報「いよいよマイナンバー制度が始まります」
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/download/leaflet.pdf

※3:内閣官房「マイナンバー よくある質問(FAQ)」
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/faq/index.html

※4:内閣官房「マイナンバー導入チェックリスト」
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/download/checklist.pdf

企業がマイナンバーを取扱ううえで特に注意すべきこと

●番号法に関わる点に特に注意が必要項

マイナンバーに関わる事務を行う場合は、以下のように行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等について定めた「番号法」に書かれた内容を踏まえて対処する必要があります。


番号法における注意点
梅屋真一郎『マイナンバー制度で企業実務はこう変わる』(中央経済社)をもとに作成

中でも本人確認はもっとも重要であり、2つの確認が必要になります。1つ目は「番号の真正性の確認」で、各個人のマイナンバーが記載された公的書類に基づいて、企業は従業員から取得したマイナンバーが正しいことを確認します。2つ目は「本人の実在性の確認」で、申請者が実際にそのマイナンバーを保有している本人であることを、公的身分証明書(顔写真付き)で確認します。


●マイナンバーの保管・廃棄における制限

企業は、マイナンバー及び特定個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の適切な管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければなりません。法律で限定的に明記された場合を除き、特定個人情報を収集又は保管することはできないため、社会保障及び税に関する手続書類の作成事務を処理する必要がなくなったときには、所管法令において定められている保存期間を経過した時点で、マイナンバーをできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければなりません。もし、退職者に関する情報を保管、管理したい場合には、マイナンバーに関わる部分だけは削除するといった対応が必要になります。そのため、廃棄や削除を前提に、書類やデータのファイリングの仕方を工夫する必要があります。


●法律違反時の罰則

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等について定めた「番号法」(マイナンバー法)では、マイナンバーを扱う企業に個人情報保護法よりも厳しい保護措置を求めており、法律違反時には以下のような罰則があります。企業に対する罰則が適用されるのは漏えいを故意に行った場合ですが、従業員が違反した場合には企業も同じ罰金刑が適用されます。企業が過失で情報漏えいをした場合も、民事上の責任や企業としての信頼低下の恐れがあります。


主な違反時の罰則
梅屋真一郎『マイナンバー制度で企業実務はこう変わる』(中央経済社)をもとに作成

●マイナンバーの企業向け管理指針が秋に公表へ

政府は企業がマイナンバーを扱う際の管理指針を今年秋に公表する予定です。企業がマイナンバーを扱う際の事務管理ルールが定められていないため、詳細な管理指針がこれからつくられます。細かな部分で不明な点については、この管理指針を待って対応を決める方法も考えられます。

マイナンバーは今回初めて導入される制度ですが、将来的にはより広い範囲での活用が予想されています。企業は継続して運用するだけでなく、新たな対応を求められる場面も増えます。活用が広がればセキュリティにおいても、管理責任がより問われることになるのは間違いありません。早い段階から十分な対応を取り、適切な運用ができるよう備えることが大切です。


テンプグループでは、マイナンバー制度の導入準備や運用による、一時的または恒常的な負担に対し、業務委託や人材派遣による支援をしています。

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