メールマガジンの定期配信をご希望のお客さまは以下のボタンからお申込みください。

配信申込⁄停止

(情報掲載日:2015年3月10日)

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」

「異業種交流」で人材を育てる

VOL.38


企業を発展させていくためには革新や新機軸が不可欠です。競争が厳しいビジネス環境にある今、多くの企業で新規事業の創造に向けたイノベーションが求められています。そこで求められるのは、これまでの企業の枠を超えた斬新な発想ができる人材です。イノベーション人材を育成する手法として、異業種交流が注目されています。企業でどのような交流が行われているのかをご紹介します。

なぜ今、異業種交流なのか

●今後3年で4割の企業は事業再編を予定

全国の従業員30人以上の企業2783社が回答した「構造変化の中での企業経営と人材のあり方に関する調査(2013年)」(※1)によれば、過去5年間に何らかの事業再編を「実施した」企業は約半数(51.3%)。今後3年間については約4割(38.6%)が事業再編の「実施予定がある」とし、約3割(28.3%)が「方針は未定・分からない」としています。多くの企業において、事業再編が必要と考えられていることがわかります。事業再編の動きには、革新や新機軸といった新たな事業を模索する形もあり、そこでは新たな視点が必要とされています。


※1 独立行政法人労働政策研究・研修機構「構造変化の中での企業経営と人材のあり方に関する調査」
http://www.jil.go.jp/institute/research/2013/111.htm


●今後求めるのは「企画・立案力」「思考力」「創造力」

同調査では、自社の競争力をさらに高めるため、強化すべきものとしては(複数回答)、「人材の能力・資質を高める育成体系」(52.9%)、「顧客ニーズへの対応力(提案力含む)」(45.5%)、「従業員の意欲を引き出す人事・処遇制度」(39.5%)などの順に多くなっています。半数以上が自社の競争力を高める要素として、人材育成は欠かせないと答えています。



また、正社員にこれまで求めてきた能力・資質と今後求めるもの(複数回答)を聞いたところ、ポイントが高い項目に、「事業や戦略の企画・立案力」「課題やリスクに対する想像力、思考力」「新たな付加価値の創造力」などがあり、社員に対し新しい発想や創造力を期待していることがわかります。



●「異業種交流」が注目される理由

事業を創造できる人材が求められる中、そのような人材が社内で育つ確率は以前に比べ、ますます低くなっていると言わざるを得ません。人員が増えない中で社員の業務は密度を増し、とても視野を広げるような余裕はありません。加えて、業務が高度化することで仕事の専門化も進んでいます。仕事の守備範囲はますます狭くなり、業務を超えた外部との接点もどんどん減っていきます。

すると、外部から情報を集めようとするアンテナの感度が徐々に落ち、状況分析力、課題抽出力も低下します。社員は自らの強みを見出せないようになり、戦略も描けなくなるという負のサイクルに陥ります。このようにならないためには、意識的に外に目を向けて視野を広げ、自らに刺激を与える必要があります。これらの問題を解決する手段として「異業種交流」が注目を集めています。

企業が模索する新たな交流の形

●異業種交流に期待される効果

異業種交流にはさまざまな方法があります。ここでは「共同研修」「外部修行」「ワークショップ」「フューチャーセンター」「生活交流」について、最近の企業事例をご紹介します。



どんな人材をどんな設定に置けば、よい発想が生まれ、望むような人材へと育つのか。現在は、異業種交流において、企業各社が試行錯誤しながら自社に合った交流の形を探している状況にあるといえます。ただ1点、異業種交流では企業の機密情報の漏えいや取扱いに十分な注意が必要になります。

異業種交流の先にある進化

●経営学者が語る「イノベーションの変遷」

マーケティング理論で有名な経営学者フィリップ・コトラー氏は、「企業のイノベーション形態は移り変わっている」と述べています。以前は研究部門がイノベーションを生み出す「クローズドイノベーション」でしたが、それが組織でアイデアを出す「協調的イノベーション」に変わり、今では組織内外の人材がイノベーションプロセスに関わる「オープンイノベーション」へと進化したと指摘しています。異業種交流によって企業の枠を超えた交流を図ることは、社内外をイノベーションに巻き込むオープンイノベーションへとつながっていきます。


●オープンイノベーションの実践的研修

世界に拠点を持つあるIT企業では、世界中のスペシャリストを、社会的課題を抱える新興国に派遣し、グローバルリーダーを育成する研修を行っています。支援案件を地元で公募している現地のNGOが、現地の関係先との橋渡し役になります。現職とは関係のない異業種の業務に対し、現地の事業者と協働しながら問題解決を図るというもので、これまでにガーナでビジネス開発センターを開設したり、ベトナムで起業支援のためIT経営の職業訓練プログラムを開発したり、インドでITシステム設計の教育事業などの活動を行っています。
同社は新たなリーダーに必要な要件として「グローバル・コラボレーション」「専門能力を駆使した影響力」「相手にインパクトを与えるコミュニケーション」「体系的な思考に基づく行動」「相互信頼の構築」などを挙げています。研修はこれらの要素について鍛えられる内容となっています。


研修内容

この研修は、スペシャリストの派遣を通じて、NGOが抱えるさまざまな業種、業界に関わる社会的問題を直接的に解決し、それを社会の変革につなげようとするもので、異業種交流においては最終形態の一つといえるものとなっています。

異業種交流の狙いは、外部人材との交流で、社員の視点を変え、視野を広げることによる意識改革にあります。それによって、「新規事業を生み出す」「社員にスペシャリストとしての自負を持たせる」「外からの刺激を得て、一段上のリーダー人材に育てる」「リーダー人材の活性化により、攻めの組織をつくる」「会社単位から視野を広げ、事業を社会につなげる」といった成果を生むことが可能になります。
また、最近では、企業は社会的責任(CSR)を問われる場面が増えています。企業は利益を追求するだけでなく、消費者や社会のステークホルダーとの関係を考え、そこで長期的に成長することが求められます。異業種交流は、企業と社会のつながりを考えるうえでも有効な視点をもたらします。

配信申込⁄停止

“旬”なテーマで人材活用やビジネスに関するお役立ち情報をお届けします。メールマガジンの定期配信をお申込みのお客様は左のボタンからお気軽にどうぞ。

このページのトップへ

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」 一覧へ