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(情報掲載日:2015年2月10日)

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」

企業の未来を創る「タレントマネジメント」

VOL.37


タレントマネジメントは、人材をデータ化して保有し、経営戦略に合わせて活用、発掘、育成する取組みです。人材育成や後継者の選抜、組織編成や人員配置を戦略的に行えることから、導入する企業が増えつつあります。その新しい考え方とデータ活用の方向性についてご紹介します。

人材をデータ化、システムで一元管理

●分散する人材データを一体化

これまでは、人材情報を紙やエクセルデータといった形でバラバラに管理し、必要なデータを毎回引っ張り出し、加工して使うという形が一般的でした。情報が一元管理されていないことで、人事部門は作業に追われることとなり、本来の業務がおろそかになりがちな面もありました。

しかし、近年は社内人材を有効に活用する人事戦略が求められ、人材データベースの重要性が増しています。そこで注目されているのがタレントマネジメントです。これは人材の能力やスキルといった「タレント」部分を「見える化」し、それに応じた人材育成を行い、適材適所に活用しようという考え方です。この手法は、わかりやすいところではプロスポーツの世界で使われています。プレーヤーをデータ化、分析し、選手選抜やチーム編成に活かしています。企業でも同様に、社員のデータが員計画の立案採用・登用、育成、評価、そして組織開発まで、人材に関わるすべての領域で活用されています。

これまでも企業内には、営業成績、プロジェクト履歴情報、発令を伴わない業務履歴など、営業部門や直属上司など人事部門以外で保有する人材データがありましたが、これらはほとんど活用されていませんでした。分散しがちな人材データをシステムで一体化し、一元管理することで、より総合的に人材を判断することができます。

●「マス管理」から「個別管理」へ


人材情報の管理・活用方法の違い

これまでの人材情報の管理は、入社年次や同一職位を単位とした「マス管理」をベースとしてきました。しかし、今後は社員一人ひとりのタレント性を重視するために「個別管理」へと移っていきます。保有情報も、これまでの社員の基本情報、職歴、評価、給与に加え、保有するスキル、ポテンシャル、志向、価値観、パフォーマンスなど、データ化されていなかった領域にも踏み込み、個人の価値や将来性についてもデータ化します。

そして、人材データベースの活用により、経営層には経営会議資料、上司には部門のマネジメント資料、社員本人には目標管理資料など、さまざまなデータを提供することができます。人材情報を人事部門だけでなく全社員で活用することで、組織としての一体的な活動を支援します。社員全員がアクセスし、目標達成状況やプロフィール情報の変化を入力できるようにすることで、人事部門は常にリアルタイムの情報に触れられ、すぐにさまざまな場面で活かすことができます。


●タレントマネジメント市場は拡大傾向

2013年7月に行われたタレントマネジメントのパッケージ市場調査(※1)によれば、2012 年は前年比19.9%増の44 億6000 万円(エンドユーザ渡し価格ベース)となっており、2 ケタ増の成長を示しています。調査時点では2013 年以降は予測となっていますが、2013年も前年比15.5%増の51 億5,000 万円(エンドユーザ渡し価格ベース)になると試算されています。また、2013 年には、海外で十分な実績を持つタレントマネジメントシステムが日本市場でライセンス提供を開始するなど、国内においてより充実した環境が整いつつあります。


※1 矢野経済研究所「タレントマネジメント市場に関する調査結果2013」
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001110

組織・社員を「見える化」

●戦略的な人材情報を経営戦略に活かす

タレントマネジメントが注目された背景には、「労働力の減少」「人材育成の必要性」「急激に変化する環境への対応」があります。人材に限りがあるからこそ、有能な人材を見分けて育成し、スピーディーに適材適所を実現して、新たな環境に適応するのです。

そして、効果としてもっとも期待されるのは、経営層による戦略遂行の支援です。経営戦略を実現するうえで必要となる人材を把握し、そこに向けた採用、育成、後継者選抜を行うことができます。そして、人材データから社員同士の組合せを見ることで、組織編制、チーム編成の適正化にも活用できます。

社員個人もデータ化されることで、正しく評価され、適正な配置や育成、選抜に反映されるメリットがあります。社員自らシステムで個人の目標と進捗状況をチェックし、そのうえで上長と連携を取ることもできます。


タレントマネジメントの概要

●「見える化」がシミュレーションを可能にする

人材データの「見える化」が有効なのは、見ることで気付きがあり、その結果として行動につながることにあります。そのためには、データをただ並べるだけでなく、基準となる人材と比較したり、時系列に並べたり、業績だけではなくさまざまな軸で変化を見たりといった加工作業が必要になります。

そうすることにより、新たな発見があり、新たな思考が生まれ、それをもとに試行錯誤や仮説、検証ができ、データがより有用なものになっていきます。そのためには、いかにデータを使うのかという観点を、人事部門で培うことも求められます。

例えば、人材育成では、評価の高い人材と低い人材を比べて、足りない経験やスキルは何かなど、そこにある差から育成内容を考えることができます。これは採用面でも活かすことができ、どのような条件の学生が入社後に活躍しているかを見れば、選考時の目安にもなります。


●全社一丸の姿勢が必要

人材データの一元管理にあたってはさまざまな障害があり、なかには失敗してしまう会社もあります。失敗するパターンは以下のようなものです。

  • どこまでの情報を管理するかが決まっていない
  • タレントマネジメントを理解しておらず、導入目的と手法が合っていない
  • 人材データを一元管理し続けるための体制が揃っていない
  • 目指すべき見える化、活用の姿が固まっていない

タレントマネジメント導入の目的を明確にすることは大前提ですが、作業レベルで難しいのは、データの一元化です。人材データは人事部門だけではなく、社内各所にあり、その形もバラバラということが多くなっています。さらに既存システムとの連携を考える場合はデータの受け渡し形式も考えないといけません。また、一度入力しても、それを定期的に更新し続けないといけませんから、その運用の仕組みをつくり、維持するには全社的な取り組みが求められます。

ダイバーシティ、グローバル化など新たな企業戦略に対応

●人材データベースが「次の一手」を指し示す


タレントマネジメント導入事例

●データ蓄積が「対応力」を向上させる

人材に関わるさまざまなデータが一元管理・蓄積されることで、社内におけるさまざまな課題に対し、過去の事例をもとに対応を考えることができるようになります。

例えば、メンタルケアでは、事例データが蓄積されることで、「メンタル不調になりやすいのはどんな人材か」「ストレスの原因は何か」といったことがわかってきます。データを踏まえて対策を行うことで、予防や復職時の適正な配置、上司のマネジメントの改善など、対策を打つことができます。

「タレントマネジメント」という考え方のもと、社員の個々のデータを作成し、蓄積することは、貴重な人材をいかに効果的に活かすか、配置や抜擢の失敗をいかになくすか、という人材活用につながります。これからの人事部門は、人材のデータを蓄積することで、未来に備えるという対応力を持つことが求められる時代なのです。

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