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(情報掲載日:2013年2月20日)

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」

企業の「健康管理対策」 をどう進めるか

VOL.14


近年、「生活習慣病(成人病)対策」や「メンタルヘルス対策」などを中心に、従業員の健康管理に力を入れる企業が多くなっています。病気の予防や早期発見が従業員の健康保持・病気の早期対応に効果的で、企業の生産性の維持・向上にもつながると考えているからです。また、法律的な側面からも企業に求められる健康管理の対策が拡大しています。では、これから企業は従業員の健康管理対策にどのように取り組んでいけばいいのでしょうか。健康管理の施策についてご紹介します。

企業の「健康管理対策」の現状

企業に求められる健康管理対策に関して、かつては水銀・鉛中毒やじん肺など、明らかな業務上疾病に対するものが中心でしたが、最近では、感染症からがんの早期発見・治療、生活習慣病対策、メンタルヘルス対策や過労死などの過重労働対策など、取り組むべき範囲が多岐に渡ってきています。その背景には、法令順守やリスク管理の一環として安全配慮義務上、使用者責任として健康管理対策が求められていること、従業員が健康を損なうことによる生産性の低下など経営上の損失がより意識されるようになったことなどがあげられています。
そのため、近年は「予防」に軸足を置いた心身の健康増進に向けた取り組みが主流となっているようです。

「健康管理対策」の考え方と例

このように企業に求められる健康管理対策が拡大していますが、現実的な問題として、人・モノ・カネという投入できる経営資源には限りがあります。ですから、自社における健康管理対策の目的を明確にし、優先順位を設け、可能な範囲でバランスよく健康管理対策を立案し、遂行する必要性があります。
その際に考える視点として、「法律的な側面」「社会的な側面」「業務遂行に関わる側面」の3つがあります。

(1)法律的な側面

法律には、企業が対応すべき事項について定めがあります。
「対応していない」「対応しているけれども、不十分である」ために生じるリスクに対して、策を講じる必要があります。労働契約法第5条には、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と規定されており、健康面に対する配慮義務が定められています。また、その他の法令においても様々な対応が義務付けられています。
特に近年では、過労死の発生などにより企業の安全配慮義務がマスメディアで取り上げられることが多くなり、「企業は従業員の心身の健康全般に配慮する責任がある」という考え方が拡大してきました。
このような法律的な側面から行われている企業の対策には、以下のようなものがあります。

●健康管理

●過重労働

●メンタルヘルス

●メタボリックシンドローム

●熱中症

●喫煙

●作業関連疾患

●妊娠・出産

※1 環境省 熱中症環境保健マニュアル
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/2-3.pdf

(2)社会的な側面

2009年に新型インフルエンザが流行した際に、企業として適正な健康管理をしているかが社会的に問われました。このように企業が社会的責任の観点から、適切に対応することの重要性が一段と高くなっています。
社会的な側面から行われている企業の対策には、以下のようなものがあります。

●感染疾病

●緊急・救急事項

(3)業務遂行に関わる側面

心身の不調による休業者が出た場合、企業にとって労働力の損失や医療コストの負担増となるだけではなく、職場の上司や同僚にとっても業務や心理的な負担が大きくなります。また、健康状態が悪いために本来の能力を発揮できないでいる従業員がいることは、職場全体の効率性や生産性を落とすことになります。そのため、企業は従業員が置かれている状況等から健康上の問題や精神面の不安を見越して、安心して働けるよう就業に配慮することが求められています。
このような業務遂行に関わる側面から行われている対策には、以下のようなものがあります。

●中高齢

●海外赴任

●夜間を含むシフト勤務

企業における健康管理対策も、企業活動の一環です。ですから、他の企業活動と同様にまずは経営トップからの「理念表明」などの形で従業員に伝え、浸透させていくことです。その際、法律面への対応は必須事項です。この点をクリアした上で、従業員の置かれた状況などを勘案し、関連部門が協働して健康管理対策を考えて実践していくことが大切です。

「健康管理対策」Q&A

「健康管理対策」を実施していく上で、見落としやすく、誤解を生じやすい点について、Q&Aの形でご紹介します。

Q1:健康診断は、本人に診断結果を戻すだけで特に問題はないのでしょうか?

企業には、個々の労働者の健康診断結果に基づき、就業上の配慮を行う法的な責任があります(労働安全衛生法第66条の5、健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針)。従業員の健康診断結果については原則、全従業員の結果を確認した上で、医療判定(要精査、要医療など)とは別に、就業判定(通常勤務可、要就業制限、要休業)について産業医から意見を聞き、それに応じて就業上の措置(今の作業内容でよいか、変更させるかなど)を検討することが求められます。

Q2:メンタルヘルス対策は個人の病気の問題なので、精神科医や産業カウンセラーでないとできないのでしょうか?

メンタル面で不調となる事例では、原因として業務の質・量の問題や職場内の人間関係、上司のマネジメントの問題など、職場におけるさまざまな要因が関係してくるケースが多くなっており、会社全体で取り組まなくては改善が難しいと思われます。
労働安全衛生法第3条において、「事業者は(中略)快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」が求められおり、メンタルヘルス対策もこの点で同様と考えられます。
具体的には、事業者は労働者に過度の負担のかからない組織体制の整備やキャリア形成の適切な支援を検討し、実践することが求められることでしょう。また、管理監督者は部下の変化に気づき、声かけや相談対応など、日常的なマネジメントの中心的な役割を果たすことが求められます。
対策の主体はあくまで事業者や管理監督者です。精神科医や産業カウンセラーはその活動がより有効に機能するよう、定期的に事業者、管理監督者と話し合う機会を持つなど、専門的な立場から支援を行うことです。

Q3:残業時間が月100時間を超えている労働者に医師による面接の案内を出したけれど、「希望しない」という者が多かったので、そのままにしていますが大丈夫でしょうか?

法令上は面接を希望する者に対して、医師による面接を受けさせることが求められています。ただし、本人が希望せずに面接を実施しないようなケースであっても、事業者には残業が100時間を超えるという「長時間労働をさせていた」という事実があります。
法令上では面接を希望する者に対する面接の実施が求められているわけですが、本人が希望しないからといっても、結果的に事業者には安全配慮責任を問われる可能性がありますので、何らかの形で面接を実施しておいた方がよいと考えられます。

Q4:AED(自動体外式除細動器)を設置する企業が多くなっていますが、医師や看護師がいないので、設置しても活用できません。どうすればいいでしょうか?

AEDは医療者ではない一般の人でも使用できます。社内に医療者がいないのであれば、なおさら一般の従業員が適切な緊急蘇生法を行える体制を整える必要があるでしょう。AEDは機器のふたを開けると自動的に音声指示が始まるのでその場で使うことができますが、正確かつ冷静に使用できるようにするためにも、できれば従業員全員が事前に講習を受けておくことが望ましいでしょう。

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