メールマガジンの定期配信をご希望のお客さまは以下のボタンからお申込みください。

配信申込⁄停止

(情報掲載日:2012年1月23日)

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」

テンプスタッフ株式会社 代表取締役会長兼社長 篠原欣子

2012年 これからの「人材戦略」をどう描くか

「外部人材」を効果的に活用することで、環境変化に対応していく

VOL.1

近年、経営環境が大きく変化する中にあって、企業では経営の効率化、スピード対応を実現するために、柔軟性のある人材活用を求めるようになってきました。一方で働き方も多様化し、フレキシブルに働きたいという人が増えてきています。では今後、企業はどのような人材活用のデザインを描いていけばいいのでしょうか。

近年の「外部人材」活用の流れ

●派遣社員から、アウトソーシングへ
——2008年のリーマンショックの後、派遣社員など「外部人材」の活用のあり方が変化してきました。

これまで、企業が求める外部人材は派遣社員が中心でした。というのも人材派遣というスタイルが、企業のニーズにマッチしていたからです。特に、事務系職種ではその傾向が顕著でした。正社員雇用と比べ、事業戦略や繁閑に応じ最適な人員配置が可能な点や、募集から配置までの手間やコストの抑制、自社で指揮命令出来る点から、高い支持をいただき、人材派遣が企業の中に急拡大していきました。

そうした中、リーマンショックが起こり経営を取り巻く環境が一変し、企業における雇用状況が非常に厳しくなりました。人材派遣に関しても、派遣法の改正論議が行われたことで、「今までは非常に助かったけれども、今後、法律遵守しながら派遣サービスを使うためにはどうしたらいいのか?」といった疑問や課題があったのも事実です。そこで、派遣の活用を控え、直接雇用やアウトソーシングなど外部人材を活用するといった流れが出てきました。テンプグループもこのような環境変化に対応し、人材を提供するだけでなく業務プロセスの改善にまで踏みこみ、アウトソーシングという外部人材の活用を提案することを強化していきました。

——効果的なアウトソーシング活用のためには、業務の見直しと、コア・ノンコア業務の見極めが必要です。

外部人材を活用するにあたり、人材派遣が適している業務があります。例えば、直接の指揮命令下で行う秘書などはその典型です。他方、経理業務、アドミニストレーション(オフィス事務)業務などは状況によっては、該当部署に派遣社員を置くよりも、業務を集約してアウトソーシングという形で対応したほうが、生産性、コスト面で適している場合があります。

アウトソーシングをするためにはまず、今までやっていた業務を見直すことが必要です。社内の業務については、コア業務とノンコア業務に分け、コア業務を社員が担当していくのが一般的ですが、コアと思っている業務の中でも、本当に社員にやらせたい業務と外部に出しても可能な業務があります。社員がやるべき本当のコア業務とは、より付加価値の高い業務、営業戦略的に注力したい業務です。

例えば、ある企業では収益の多くを占める業務に半数近くの社員を配置していました。しかし、業務分析の結果、ルーティン業務が多いことがわかりました。このようなルーティン業務はアウトソーシングに適しています。そして社員は、新商品の企画や新しいマーケットを創造するための情報発信手法を検討するなど、コア業務に特化してもらい、業務拡大を行っていくのです。

企業側は業務の一部を外部に任せることにより、自社のコア業務に専念することができます。外部リソースを活用することで、業務の改善や生産性の向上、コスト削減につながります。このように業務の性質や目的に合わせて、派遣やアウトソーシングなど自社にとり最適な手法を使い分ける企業が増えてきています。

●これから求められる「外部人材」とは
——言われたとおりだけでなく、相手の意図をいかに汲み取るか。

これから求められている外部人材とは、企業のノンコア業務だけではなく、コア業務もしっかりと担うことができ、企業のパートナーとして位置づけられる人です。

それはアウトソーシングだけではありません。人材派遣の現場でも、同様に求められてきています。通常のオペレーション業務も言われたことをやるだけではなく、1を言えば10を理解できる人材。業務の次工程まで理解し、それに相応しい形でアウトプットができる人材です。

事実、人材を紹介する際にも企業の目線や要求される条件が複雑化、高度化してきました。単にエクセルやワードのスキル、英語力などスペックだけではなく、チームや事業の業績に貢献できる本当の意味でのコミュニケーションが図れる人材が求められています。また、そうした外部人材を提供していくことが、人材サービス会社には求められています。

●再び、「派遣社員」活用への流れ
——リーマンショックの後に派遣法改正案が出たことで一度、企業の派遣社員の活用を控える動きが出てきました。

派遣法の改正議論により、企業は派遣の活用を控え、直接雇用をするという流れがありましたが、また派遣社員を活用したいという動きが出てきています。

派遣社員から直接雇用に切り替えた企業では、評価制度などが整っていないため、新たな制度構築が負担となっています。そのため、以前のように派遣社員を活用していきたいという、リバウンドの動きが出てきているのではないでしょうか。

これから求められる企業の「人材戦略」とは

●変化の激しい時代、人材活用のあり方も変わってくる
——環境の変化により、事業の迅速な変化、人材の流動化が求められています。

企業は生き物です。業務が繁忙を迎える時もあれば、縮小を迫られる時、新市場に活路を見いださなくてはならない時もあります。異なる環境下においても、同じ人材で対応することは非効率であり、成長の阻害要因ともなり得ます。変化に合わせて、求められる能力や要件、人材像なども当然変わってきます。

例えば、ある事業においては有効だった能力が、新しい事業においても有効であるとは限りません。その時々に求める人材要件の変化に応じて人材配置ができなければ、企業は環境変化に適応できず、経営が硬直化します。人材を流動的に配置することによって、各人材の持っている能力・スキルを有効に活用することができ、その結果、変化に対して非常に適応性の高い組織となっていくと思います。

これからの「人材育成」のあり方

●機会を与えることで、人は成長していく
——人材活用では、能力をより発揮できるところへアサインできるかが重要です。

企業にとって人材戦略は永遠の課題です。どんな人材を確保しどのように育成するのかは、企業にとって最重要課題であるのは間違いありません。と同時に人材育成で必要なことは、どれだけ機会を提供できる企業であり続けるかということです。これが人材戦略の中で、一番重要なことだと思います。

機会を提供するために一つは、外部人材を有効に活用し、社員に対してはコアとなる業務を任せることによって、今後の事業成長を担っていく人材に対しての育成プラン、キャリアプランを提供していくことができます。そういう組織にすることで、より速く人材を育成することが可能となります。

もう一つは、あるポジションに人を配置する場合、100%合致していなくても、その人にやらせてみること。社内に人材が豊富で、このポジションならこの人が適任というような企業ならいいのですが、実際は、新しい事業や違う分野に進出する際など、今までとは異なる条件下で戦わなければならないような時には、そうならないことが必ず出てきます。

大切なことは100%ではなくても、その人にやらせてみること。やってみなければ適材適所は見出せませんし、機会の提供により思わぬ能力を発揮することにもつながります。どれだけチャレンジをさせていくのか、それをどれだけ許容できるのか、それが人材活用においては、内部人材・外部人材問わず、非常に重要になってきます。

それは企業によってはリスクともなりますが、機会を与えて人が成長することが企業の成長につながります。

●「マネジメント」がカギを握る
——人材育成では、上司のマネジメントも重要になってきます。

人材育成に関しては、企業がチャレンジできる機会をいかに提供できるかにかかっていますが、これによりメンバーが自身の成長を実感できる環境づくりも大切です。

その際にポイントとなるのが、上司の存在です。例えば、少し難易度が高いけれども、ぜひともこの業務をやってもらわなくてはならないような時。メンバーに対して、一つひとつの仕事内容に的確な意味を持たせ、その目的や目指すゴールが共有できている状態をいかに作り上げていけるか。まさに、上司のマネジメント力がカギをにぎっているといえます。人材育成という点から考えた場合、社内にそういうキメ細かなマネジメントができる人材がどれだけいるのかというのも非常に重要です。

これは、組織風土にかかわる部分が大きいと思います。そのような上司のマネジメントの下、成長のループに乗って育てられた人は、自分も同じように人を育てていくことができます。一方、そういった育成環境での経験がない人は、同じようにマネジメントすることは難しいものです。

企業は事業戦略や成長スピード、業務の性質にあわせ、従来の派遣だけでなくアウトソーシングを活用することによって、外部人材にノンコア業務を任せ、社員をコア業務に特化させることができるようになりました。

社員はコア業務を任せられ、成長する機会を与えられることで、自ら責任をもって実行し、自主性や主体性が育まれ成長します。また社員が成長することで企業も成長することが出来ます。

人材が成長しないと企業は伸びません。変化の激しいいま、人材の成長のループを実現できる状態をつくっていくことが経営にもとめられているといえるでしょう。

配信申込⁄停止

“旬”なテーマで人材活用やビジネスに関するお役立ち情報をお届けします。メールマガジンの定期配信をお申込みのお客様は左のボタンからお気軽にどうぞ。

このページのトップへ

どうする?どうなる!「ニッポンの人材」 一覧へ