(情報掲載日:2019年2月12日)


冷えに悩むのは女性という印象が強いものですが、最近は冷えに悩む男性も増えてきたと言われています。男女に関係なく、冷えを放っておくことは体にとって好ましいことではありません。冷えを気にせずに心身ともにイキイキと働くために、何か対策を始めてみませんか。

●冷えの仕組み

人間の体は寒さを感じると体が震えます。これは、筋肉を収縮させることで作り出した熱を血液の流れによって全身に運び、体温を上げようとするためです。逆に、夏に汗をかくのは、体温を下げるためです。生命活動の維持に必要な酵素の働きが最も高まると言われる約37度に体の中心部が保たれるよう、血液の流れる量や汗を出す量によって体温は調節されています。この体温調節機能のトラブルにより生じるのが、冷えです。

体温調整機能のトラブルは、主に次の4つによって引き起こされます。
まずは「筋肉量の不足」です。血液を全身に送るポンプの働きをしている筋肉の量が少なくなったり動きが小さくなったりすると、血流が悪化します。すると、熱も送れなくなり、体温がうまく調整できなくなります。
次に「血液循環の悪さ」が挙げられます。食生活の乱れ、悪玉コレステロールの摂り過ぎなどによる、いわゆる血液ドロドロ状態を指し、血流が悪化します。
「ストレス」も要因になります。ストレスを感じると交感神経が優位に働いて体が緊張状態になりますが、この状態が長く続くと血管が収縮したままになり、血流が悪化します。
温度に対する感度が衰えているという「神経機能の鈍り」も要因です。温度差が激しい環境で過ごし続けたり冷たい食物ばかりを摂取することによって、寒さ・冷たさなどを感知して伝達する働きが鈍化し、体温がうまく調整できなくなります。

●冷えに注意したい理由

冷えは、「熱を運び体温を調節する」という血液の働きを阻むだけではありません。「酸素や栄養素を臓器に運び二酸化炭素や老廃物を回収する」という血液の働きも抑えてしまいます。すると、疲労物質や発痛物質などが排出されずに体内に蓄積されていきます。また、冷えが続くと酵素の働きが低下するために、必要な栄養素やエネルギーの生成がはかどりません。
そのため、冷えは、肩こり、腰痛、肌荒れ、目の疲れ、胃痛、頭痛などさまざまな不調につながりますし、体温が1度下がると免疫力は30%以上低下するとも言われています。
従って、冷えは、血液循環が滞り臓器の働きが低下しつつあるという気を付けたい「サイン」だと考えられます。病気ではなくとも病気に向かいやすい状態にあり、病気の一歩手前の段階にあると、慎重に受け止めたほうが賢明です。

女性は筋肉量が男性より少ないために冷えに悩む人が男性よりも多い、と考えられていますが、最近では男性や子供の冷えも増えてきています。原因は、運動不足による筋肉の減少、エアコンの普及、偏食、朝食抜き、ストレス過多、不規則な生活、睡眠不足など、現代的な生活にあります。また、男女を問わず、年をとると次第に新陳代謝が低下し、動脈のしなやかさが失われ血行が悪くなるため、これからの高齢化社会では冷えに悩む人が増えると予想できます。

●冷える人の習慣傾向

冷えは、現代の生活習慣に原因が潜んでいるケースが多いため、文明病とも言われています。次の表の中で思い当たる習慣が多いほど、冷えへの対策を心がけたほうがいいと考えられます。



●冷えの3タイプ

冷えにはいくつかのタイプがあり、主に次の3つです。

1つ目は「手足の先だけ冷えるタイプ(末端冷え)」です。一般的には、手の指先、足のつま先などが冷たく感じる人が該当し、食が細い人、やせている人、10〜20代の女性に多くみられる傾向があります。特徴は、体温は正常でも手足の指先だけが冷えており、運動などで体を温めたり手袋や靴下で防寒しても温まりにくいことです。食事量やタンパク質の不足が主な原因と考えられています。

2つ目は、「下半身が冷えるタイプ(下半身冷え)です。一般的には、腰から下の下半身が冷える人が該当し、30代から中高年齢層に多くみられる傾向があります。特徴は、顔などに汗をかきやすく、上半身がほてったりのぼせたりしやすいことです。運動不足であまり体を動かさないため起こる筋肉の硬直化や、加齢による筋肉量の減少が主な原因と考えられています。

3つ目は「内臓が冷えるタイプ(内臓冷え)」です。一般的には、体の内側に冷えがあるものの、体を触ってみても冷えを感じないという自覚のないケースです。このタイプかどうかを知る簡単なチェック方法があります。起床時にまず脇の下を触り、その後にお腹、腰、太ももなどを触ってみた時に冷たいと感じる人は、該当する可能性が高いと言われています。平熱が低めの人に多く見られる傾向があり、消化不良など胃や腸の小さなトラブルを抱えがちな特徴が見られます。食生活の乱れや偏りが主な原因と考えられています。

●オフィスでの冷え対策

冷え対策として欠かせないのは、身体を温めることです。
デスクワークの際には、あまり動かさない下半身にひざ掛けやショールなどを使い、ふくらはぎの後ろや足の甲も露出させないように気を付けます。血の巡りを阻害しないために、腹巻き、ストッキング、靴下などは強く体を締めつけないサイズを選んでください。体の中心部にあたるお腹を温めることが血流促進のポイントになるため、カイロはお腹周りに貼るとよいでしょう。

積極的に温かい飲食を摂取することは、体温上昇に即効性があります。
シチュー、あんかけ、葛湯など、とろみがあるほうが体内での温かさは持続します。寒さを感じない時でも飲み物には温かいものを選ぶようにしましょう。茶葉を発酵させて作られる紅茶には、代謝を高める効果があるため、体を温めるのに適した飲み物です。

自分で血流を促進して熱を作ることも大事です。
仕事の合間に、手足の力を抜いて手首や足首をブラブラさせれば、筋肉がほぐれて血行促進に繋がります。指先を一本ずつぎゅっと挟んで離したり、グーパーを繰り返して筋肉に刺激を与えることも効果的です。また、通勤時や帰宅時に一駅分だけ歩く、一部だけでも階段を使う、オフィス内ではメールや電話を使わずに直接話しに行くなど、日頃の行動を少しずつ変えると運動量が増えて血の巡りも改善されていきます。

●自宅での冷え対策

入浴をシャワーで済ませることは、冷えには禁物です。湯船に入れば、血流を促す効果、体の芯までじっくり温める効果があります。お湯はあまり熱くせず、38〜40度ぐらいのぬるめにゆっくりつかるようにします。
タオルを濡らして軽く絞り電子レンジで温めた蒸しタオルは、首こり、肩こり、疲れ目などが気になる時にも使えて便利です。蒸気による温熱は短時間で広く深く伝わるため、効率よく温めることができます。寝る前に、目や首や腰を温めると快眠効果も得られます。
また、リラックスすると副交感神経が活発に働いて、血管が広がり血流が良くなるため、自宅ではできるだけ気に入った音楽を流したり好きな雑誌を眺めたりするなど、心地よい時間をつくりましょう。

体を作る食事は、冷え対策の基本です。鶏肉、鮭、鯖、タラ、卵、大豆製品、乳製品などから摂取できるたんぱく質は、熱を作り出す筋肉の生成に欠かせません。東洋医学では、体を温める食材があると考えられており、一般的には、地下に向かって成長するもの、赤や黒など色の濃いものと言われています。日頃からこれらを食べるよう心がけるのも手です。

冷えは万病の元と言われています。冷えを引き起こす原因の多い生活環境にある現代において、日頃の習慣から早めに変えておくことは大切です。冷え知らずの健康的な体を目指して生活を見直してみませんか。

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