(情報掲載日:2018年6月11日)


3年前に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」。この目標は、世界的に共通した今後の方向性を示しており、国や企業だけではなく一人ひとりにとって重要な指針となるものです。これからの仕事への向き合い方、生き方のヒントとしても役立ちます。SDGsの概要と、既に多く見られている国内外の取り組みを紹介します。

●意味と背景にあるもの

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、Sustainable Development Goalsを略した名称で、「グローバル・ゴールズ」とも呼ばれています。これは、2015年9月にすべての加盟国の合意によって国連で採択され翌年1月に発効された、人間と地球の繁栄のための2030年に向けた行動計画です。
それまでに掲げられていた「MDGs(ミレニアム開発目標)」は途上国の経済問題を主な対象としてきましたが、SDGsは、先進国も含めたすべての国を対象として、経済問題だけではなく、気候変動・環境保護・エネルギー・健康・雇用・ガバナンスなどの分野も加えて、先進国でも深刻化している課題を取り上げた点が大きな特徴です。

背景には、グローバル化、経済規模の拡大、多様性に対する意識の高まり、人口増加という世界的な状況があります。現状のまま何も手を打たずにいると、地球にある資源の容量では人間の活動を賄いきれなくなるだろうと予測されています。SDGsは、国や政府のみならず経済組織、市民団体、老若男女など、地球上のすべての人に共通する目標です。誰一人置き去りにすることなく、すべての国と人々の豊かさを求めながら地球を守ろう、という壮大な理想が根底にあります。
こうした状況に取り組むべく、相互密接に関連した17の目標と169のターゲットが掲げられました。


●17の持続可能な開発目標

SDGsでは「世界を変えるための17の目標」を掲げています。国連では、17の目標ごとに色を変えたアイコンも作成して、この考えを広め浸透させるための活動を行なっています。17の目標とアイコンは次の表の通りです。

●世界を変えるための17の目標とアイコン





●世界各国と日本政府の動き

SDGsは、これまでも意識されてきたCSRの観点も合わせて、企業や団体活動を評価する際のグローバルで重要な共通価値基準になると考えられています。すでに、企業の投資や戦略面などで、SDGsの評価軸を加える試みも始まっています。
例えば、環境・社会・ガバナンスといった非財務情報を考慮するESG(Environment Social Governance)投資は世界的に拡大しており、重要課題を分析する際にSDGsの視点を採用する企業は増えています。経営トップや企業が発信するコミットメントに、SDGsを意識した内容が含まれるケースもよく見られるようになりました。

SDGsに向けた取り組みは、欧米の先進的なグローバル企業で特に積極的に進められています。メーカーが調達先の企業リストを公開する、運送会社が再生可能エネルギーへの燃料変換5割を宣言する、工場が太陽光パネル設置を発表する、など数多くの動きがあります。また、欧州のある自治体では、自転車の利用率増加や公共交通網充実を推進しています。

日本では、政府が2016年に「持続可能な開発目標推進本部」を設置し、関係省庁か連携し一体となって取り組む体制を構築しました。「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」が策定され、次の表のような8つの優先課題と具体的施策も発表されました。
SDGsへの取り組みを推進するために、2017年には「第1回ジャパンSDGsアワード」が開催されました。表彰された企業・団体、活動内容はインターネット上で紹介されています(※2)。自治体におけるSDGs達成のための「自治体SDGsモデル事業」も実施されており、国からの支援のもと取り組みが進められる予定です。


●8つの優先課題と具体的施策(※1)


※1:首相官邸「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」より抜粋
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/dai2/siryou3.pdf

※2: 首相官邸「ジャパンSDGsアワード」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/japan_sdgs_award_dai1/siryou2.pdf

●国内の大学・企業の活動

大学では、SDGsを授業や研究のテーマとする動きが始まっています。学生自身でSDGsを啓蒙するイベントを主催したり、リサイクルボックスや食堂などSDGsを達成した場所に「世界を変えるための17の目標」の中から該当するアイコンのシールを貼るといった活動も実施されています。

企業も、SDGsをさまざまな形で取り入れ始めています。例えば、従業員たちの理解と主体的な取り組みを促進するためのウェブの作成、SDGsの視点を加えたPDCAサイクルの実施、SDGsに関する研修や勉強会の開催、社内外でのアンケート調査による意識醸成、人と自然が触れ合える社屋の整備、などです。
また、企業の事業推進とイノベーションのためのマッチングプラットフォームを提供し、SDGs達成をサポートするためのサービスも新たに生まれています。



●ビジネスパーソンとしてすぐにできること

ビジネスパーソンとして、SDGs達成のためにすぐに取りかかれることがあります。資料を必要以上にコピーしない、インターネット上の情報をそのまま印刷せずに必要な部分だけメモをするなど、ちょっとした心がけでできることばかりです。
SDGsのさまざまな取り組みに対する情報アンテナを張ることも大切です。そこで得た知識や知恵を新たに活用したり、さらにウェブ上でシェアするなどコミュニケーションを通じて拡散させれば、SDGsへの流れを広げられます。今後のビジネスにおいてSDGsは必須テーマとなるため、仕事のプラス、チャンスにもつながると考えられます 。


●生活者としてすぐにできること

生活者として取りかかれることも数多くあります。地元での買物(地域産業の支援、運送エネルギーの低減)、フェアトレード商品の購入(途上国の労働者支援)、エシカル消費(長く大事に使える品を選ぶと資源節約とゴミ低減)など、身近なところから始められます。

世界の国々や自治体、企業、各種団体がSDGsを重視して動きつつある今、一個人としても意識することは意味のあることです。SDGsに対する感覚を身につけておくと、時流に上手に乗りながら将来に向かって進むための確かな力が得られます。世界的に目指そうとしているSDGs達成のための取り組みを、自分なりに新たに始めてみませんか。

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