(情報掲載日:2018年5月10日)


ポジティブシンキングは、問題に挑む時や壁を乗り越える時に、自分自身にとって大きなプラスの力となって作用します。経済界やスポーツ界などの多くの著名人も、物事をプラスに捉え考えることの効果を語っており、それを生かして成果に結びつけてきたことも知られています。そんなポジティブシンキングについてご紹介します。

●物事が良い方向に動き出す

ポジティブシンキングとは、物事を肯定的に捉えること、プラスの思考をすることです。自分自身が話す言葉や取る行動は、自分の思考から影響を受けますが、ポジティブシンキングの場合は前向きな言動として表れます。物事が良い方向へと動き始める傾向が強いため、ストレスも軽減されると考えられています。

ポジティブシンキングの影響は、自分だけにとどまるものではありません。周囲の人たちにも好ましい効果を与えます。ポジティブな空気は伝播していくため、周囲の人たちのモチベーションを高めたり心地いい刺激を与えます。 また、ポジティブシンキングを日常的に実践している人は、仕事ができる・信頼できる・仲間になりたいなど、周囲へプラスのイメージを与え、自分のやる気の源にもなります。

一方で、ネガティブシンキングにも意味があります。否定的な考え方や姿勢は、慎重に対処したり、失敗を繰り返さないために必要です。大切なのは、ポジティブとネガティブのバランスであり、前に踏み出す推進力としてポジティブシンキングは重要になります。


●自分の能力が高まる

ポジティブシンキングによって物事が良い方向へと動き始めると、実現性が高まり、その経験によって自分の能力も磨かれていきます。ポジティブシンキングをすると思い悩むような時間が減り、代わりに、それは前進する時間として使われるようになるため、成長速度も伸びるといえます。
その結果、自信がつき、物事に対し挑戦的に向き合えるようになるため、自分の夢や可能性に対しても積極的な未来図を描けるようになります。

心得ておきたいのが、楽天的思考とポジティブシンキングとは違うということです。前者は、「今のまま何もしなくてもいつかはどうにかなる」という受け身の考え方ですが、後者は、「今のままでは何も変わらないが、何かをすればどうにかできる」という、能動的な考え方です。
例えば、失敗した時に、楽観的思考の場合は「失敗するのは仕方ないことだ。このままでいれば、いつかは成功するだろう」と考えますが、ポジティブシンキングの場合は「この失敗は成功に必要なプロセスだ。これを教訓にして次の行動を起こそう」と考えます。ポジティブシンキングには何かを強く求める意思があるため、自分の能力を高める効力があるのです。

●脳科学的な仕組みと効果

ポジティブシンキングとネガティブシンキングの人の脳には違いがあることが、研究によって明らかになりました。脳内の三大神経伝達物質である「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」の分泌量が後者には少なく、前者にはバランスよく分泌されています。
これらの脳内物質は、幸福感を与える、ストレスレスに導く、意欲が増加する、記憶力が高まる、集中力が増す、といった快さをもたらす作用を持っています。
ポジティブシンキングによって脳が快さを感じるとこれらの分泌が高まり快感神経が活性化されるだけではなく、プラスに働く神経回路が次々と新たに作られていきます。さらにポジティブシンキングが強まることで、記憶力や集中力などがより高まるという相乗効果もあるのです。

また、悲観的なことや辛いことがあってもポジティブに捉えるようにすれば、不安や恐れなどの否定的な感情を司っている脳内の部位の活動が低下して、プラスの神経回路が作られるようになります。脳には柔軟性が備わっているため、ポジティブシンキングの強い脳へと変えることは可能です。


●心理学的な仕組みと効果

米国で提唱されたポジティブ心理学は、学校教育や企業研修の場でも活用されおり、注目されています。これは、個人・組織・社会の持つ強みや長所に着目して、それらをより充実・向上させようとする学問です。
ポジティブ心理学の研究により、ポジティブシンキングの優れた効果が明らかにされてきました。例えば、ポジティブな状態にある脳はネガティブな状態にある脳よりも生産性が約30%高くなるという数字があります。他にも、仕事の成功要因の中に「楽観度」「ストレスを前向きに受け取る能力」が占める割合が高いという報告もあります。過去に成功体験があるからポジティブシンキングができるのではないか、と考えてしまいがちですが、ポジティブシンキングができたから成功が呼び込めることを、これらの研究は示しています。

ポジティブ心理学では、自分の中のネガティブな面はそのままにしておき、別のポジティブな面に目を向けることが基本になります。人間にはそもそも、ポジティブよりもネガティブな情報のほうに関心や興味が向きやすく記憶にも残りやすいという傾向(ネガティビティ・バイアス)がありますが、自分がつい持ってしまうネガティブな思考を気にしなくても良いとされています。
まずは、「興味がある」「情熱がわく」「やる気になる」といったような、自分が抱いているポジティブな感情に意識を向けて、それを言動に移していくことが、ポジティブシンキングを育んでいくと考えられています。

●考え方や言葉遣いによる簡単な実践法

ポジティブシンキングを日常的に実践できるようになるための4つの方法を紹介します。

①リフレーミング
「リフレーミング」は、物事の枠組み(フレーム)を変えて向き合ってみるという、心理学やマーケティングで活用されている考え方です。「あの人ならどうするか」「別の見方ではどんな意味になるか」と、物事に対して他の視点を持つことによって、見逃していた可能性や価値に気づいたり問題の新たな解決策が見つけられ、ポジティブに臨めます。 弱点だと思い込んでいたことが、実は強みになると発見できる場合もあります。

②課題分け
「課題分け」は、アドラー心理学にも登場する考え方で、課題を自分で解決できるものと他人にしか解決できないものに分けてみるというものです。自分でコントロールできるものを解決することだけ考えると、課題に集中できポジティブに取り組めます。
他人の領域は変えられないという割り切った考えには、自分の行動力や決断力が増す効果もあります。

③言葉の変換
簡単に取りかかれるのが「言葉の変換」で、否定的・消極的な言葉や言い回しを、肯定的・積極的な使い方に変えて伝える方法です。例えば、「口下手」は「聞き上手」、「この仕事は難しい」は「この仕事は挑みがいがある」、「なぜできなかった」は「どうすればできたか」などと言い変えます。
自分に対して語る時だけでなく、相手との会話にも言葉の変換を心がけるようにします。口に出さずに、頭の中で思考する際も同じです。すると、意識せずともポジティブな言動ができるようになります。

④感謝の言葉を伝える
「感謝の言葉」を加えて相手に伝えることも有効です。例えば「苦労したそうだね」は「よくやったね、ありがとう」、「伝言を伺いました」は「伝言してくださって助かりました」などと謝意を付け加えます。
感謝の言葉を使うと利他的な行動が自然と増え、人間関係にも良い影響が波及するといわれています。

ポジティブシンキングにはたくさんのメリットがあるため、できるだけ日頃から意識するように心がけたほうが、仕事にもいい影響がもたらされると考えられます。目標や夢をたぐりよせていくためにも、毎日、少しずつポジティブシンキングを取り入れてみませんか。自分で何かに挑むに時にも、周囲と一緒に何かに取り組む時にも、ポジティブシンキングはプラスの方向へと導いてくれる心強い力となり、背中を押してくれます。

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