メールマガジンの定期配信をご希望のお客さまは以下のボタンからお申込みください。

配信申込

(情報掲載日:2017年9月11日)

いまを勝ち抜く人間力

ディスカッションへの臨み方

vol.68


電子書籍化される本や雑誌は年々増え、端末機器やソフトウェアも充実してきています。さらに、スマートフォンの普及によって、従来とは違う読書スタイルが今後より増えていくと考えられます。そんな新しいスタイルのメリットと、従来の紙の本も含めた読書の効果や読書術をご紹介します。今年の秋は、自分に合った読み方を探しながら、今までとは違う新しい読書体験をしてみませんか。

読書がもたらす効果とは

●電子書籍や読書好きの傾向

総務省の平成27年版情報通信白書には「電子書籍の市場規模は2002年度には10億円だったが、2013年度には936億円に達した」と記載されています(※1)。同省の平成28年版情報通信白書には、米国・英国・ドイツ・韓国・中国と比較して日本の電子書籍利用率は各世代とも一番低い傾向にあるという調査結果が示されています(※2)。こういった国内市場規模拡大の勢い、他国に比べて利用率伸長の余地があるというデータからも、電子書籍の利用が今後より進んでいくことが予測できます。

いっぽう、紙の本を読む機会を増やしてもらおうという動きも増えています。図書館では、ビジネスに役立つ本を集める、講演やセミナーを開催する、個人の読書記帳をつくる、といった新たな取り組みが各地で見られます。書店では、雑貨やカフェの併設、ニッチなジャンルに絞り込んだ本の販売に特化、POPなど店頭広告の工夫、というユニークな試みが盛んです。

読書については、「ビジネスパーソンの年収は読書量に比例する」「読書が好きな子供は学習能力が高い傾向にある」ということがよくいわれています。仕事に役立てるための読書を指南するビジネス本や学習のために読書を推進する教育関連の本の多さは、その表れといえます。偉人や経営者に読書家が多い傾向も広く知られるところです。

●本を読むことで伸びる能力

読書をすると、本に書かれている知識が習得できたり、本の中で展開していく別世界の疑似体験ができます。これらの過程では、文字を認識し、意味を理解し、前後関係や全体像を把握し、場面を想像し、登場人物の言動や心理を考える、といった頭の働きが起こるため、脳のさまざまな部位が活性化されて、多くの能力が伸びると考えられています。

例えば、知識量が増えると物事を考える視野が広がることから、発想力、判断力、思考力などが高まります。知識のインプットはアウトプットにも結びつき、会話力や雑談力といったコミュニケーション力も向上します。アウトプットの一つである書く力にも良い影響がおよび、語彙が豊富になるだけでなく文章力や構成力が養われます。
著者や登場人物の考えを知ることは、自分の思想形成に役立ちますし、他人の気持ちを想像して思いやるという共感力も育まれます。

読書によってストレスが軽減されるという研究報告もあります。ストレスによって活性化した扁桃体を鎮静化する作用があるためで、散歩をしたり、音楽を聴いたりする場合よりもストレスの解消に効果が高いといわれています。
このように、読書には、スキル面にもメンタル面にも多くの良い影響があるのです。

※1:総務省「平成27年版 情報通信白書」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc121120.html

※2:総務省「平成28年版 情報通信白書」
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/pdf/n3200000.pdf


電子書籍・オーディオブックのメリット

●電子書籍のメリット

電子書籍は、電子データ化された本をスマートフォン・パソコン・電子書籍専用リーダーといった端末機器にダウンロードして読むというスタイルです。インターネット上で注文すればすぐに手に入るため、書店に足を運ばなくても読みたい時にすぐ読めます。何百冊もの本を一つの端末機器に収納できる点は大きなメリットで、持ち運びにも便利です。

辞書機能を使えば、画面に内容が表示されるために辞書を取り出してページをめくる必要もありません。手間なく簡単に疑問が解決でき、知識を広げやすくなります。その他、ブックマーク、メモ、文字検索、SNSとの連動、文字サイズ調整、書体変更など、読書に役立つさまざまな機能が付いています(端末機器によって多少異なります)。なかには、読んだ分量の%が表示されたり、ページをめくる音が出たり、というユニークな設定ができるものもあります。

●オーディオブックのメリット

オーディオブックは、主に朗読により音声化された本を再生機器で聴くというスタイルです。カセッテープやCDの形で以前から存在していましたが、インターネットの普及によって、スマートフォンでも音声データがダウンロードできる形になり普及が急速に拡大しています。注文すればすぐに入手でき、保管スペースが不要、持ち運びが便利といった、電子書籍と同じメリットを持ちます。

文字を目で読むことも、端末機器を持ちながらページをめくる操作もないため、目や手を休められることはオーディオブックの大きな特徴です。逆に、目や手を休めずに、散歩、ジョギング、家事などに使えば、同時に他の作業をしながら時間の効率よく読書ができます。
朗読者による声の抑揚・間・演技によって、臨場感やドラマ性がより感じられる点も、注目したい特徴です。

従来の本にも、紙ならではのメリットがあります。例えば、ページをパラパラとめくって行き来しやすいこと、紙の手触りや重みという心地よさや存在感、読んだ量が紙の厚さから分かるという満足感などがあげられます。
電子書籍、オーディオブック、紙の本には、それぞれによさがあるのです。

オーディオブックのメリット


読書をもっと深めるために

●読書に「プラス」する

本を読むだけではなく、そこに別の行為を一つだけでも「プラス」すると、読書が深まり、読書によって伸びる能力もいっそう強化できます。

例えば、読書録を作る、読書メモをとる、といった「書き出す」行為は、感想や要点を文字にしてまとめるため、文章力や構成力アップに通じます。付箋を付ける、線引きをする、といった「加える」行為は、重要だ、気になる、と感じた箇所に視覚的に印を付けるため頭の中に残りやすくなり、発想力や思考力に結びついていきます。BGMを流す、香りをたく、といった「添える」行為は、聴覚や嗅覚への同時刺激によって集中力や記憶力を高めると言われています。

また、読書を習慣化することも重要です。毎日10分でも新たな知識を得ている、疑似体験しているという経験は、自分の努力や成長の裏付けとなって自信につながり、読書によって伸びる能力に相乗効果をもたらします。


●読書する「方法」を変える

最初のページから最後まできちんと読むだけが読書ではありません。ときには読書する方法を変えてみると、新たな発見が得られて読書が深まります。

「音」に着目すると、「音読」という声を出して読書する方法があります。黙読よりも脳が活性化し脳の総合力を高める効果があるといわれています。文字の視覚刺激に聴覚刺激が加わるため記憶に残りやすくなり、言葉の持つリズムや響きの美しさに気づくこともできます。 また、他の人と一緒に朗読するという「読書会」では、自分と違う間の置き方や感情の込め方を聴いたり、感想を語り合ったりすることを通じて、感覚が磨かれます。

「深さ」に着目すると、一冊をじっくり何度も読むという「精読」があります。これは、幅広い理解や豊かな解釈が可能になる読み方です。「三国志」に「読書百遍意自ら通ず」と書かれているように、たとえ難解な本であっても繰り返し読めば理解できるようになります。 逆に、目次だけ見る、飛ばし読みするという「部分読み」もあります。読みにくかったり気分が乗らない場合は無理に続けず、すんなりと読める時が来るまで中断させて他の本に移ります。大切なのは一冊全部を読むことではなく、本に接することなのです。

「ジャンル」に着目すると、自分にとって少し背伸びしたレベルの本を読む「背伸び読み」や、読んだことのない分野や著者の本を読む「開拓読み」という読み方があります。これらは、発想や視野を広げるきっかけや思考のヒントになります。 フランスの哲学者モンテスキューは「1時間の読書をもってしても和らげることのできない悩みの種に、私はお目にかかったことがない」という名言を残しています。

読書する「方法」を変える

今年の秋は、自分に合った読み方を見つけて、本からより多くのものを吸収してみませんか。「書物の新しいページを1ページ、1ページ読むごとに、私はより豊かに、より強く、より高くなっていく」と世界的なロシアの作家アントン・チェーホフも記しているように、読書は自分自身がより磨かれる素晴らしい体験です。

配信申込

“旬”なテーマで人材活用やビジネスに関するお役立ち情報をお届けします。メールマガジンの定期配信をお申込みのお客様は左のボタンからお気軽にどうぞ。

このページのトップへ

いまを勝ち抜く人間力 一覧へ