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(情報掲載日:2017年7月10日)

いまを勝ち抜く人間力

音の効果を活用する

VOL.66


音楽を聴くことで心が癒された、気持ちが高まったという経験は多くの人が持っています。音が心身に与えるプラス面の効果については、脳科学的な証明もされています。最近では、メンタルケア対策や仕事の能率化のために、職場でBGMを流す企業も増えてきました。そんな音を活用して、仕事に役立ててみませんか。

音と脳の関係

●音による脳の反応

音は、空気中を音波(振動)として伝わり、音程・音色・メロディなどさまざまな要素として耳に届きます。耳から脳へ伝わり感知されますが、脳で複雑なルートを経由する際に多彩な反応を起こします。

例えば、音によっては、ドーパミンという快楽物質の分泌、やる気に関わる中枢の活性化、緊張状態で分泌されるアドレナリンという物質の分泌量低下、リラックスしたり集中している時に表れるアルファ波の状態へと脳波を導くなど、たくさんの働きかけがあります。
このような音の持つ効果は、仕事をする際にも活かせます。後ろは見えないといった視野が限定される視覚とは異なり、音は近距離であれば「全方向からキャッチ」できるという特徴があります。そのため、音に近づいたり身体の向きを変えたりする必要もなく、簡単に取り入れやすいといえます。

●音が活用されている身近な例

音の持つ効果は、身近なところでも用いられています。レストランやショッピングセンターやカフェなどでは、その空間に応じて気分を盛り上げたり雰囲気をつくるために音楽が流されていたり、映画やドラマではシーンによって視聴者の感情を誘導する音楽や効果音が使われています。駅のホームや信号機や家電製品では、情報伝達や注意喚起のための音が鳴ります。
集中力向上や士気を鼓舞するために試合前に音楽を聞いているスポーツ選手も多くいます。心身を治癒する音楽療法という分野の存在、連帯感や団結力向上につながるという社歌制作の静かなブームなども音の持つ力を表しているといえます。

また、音の影響は人間に限らず、酵母などの菌にも表れるといわれています。製造過程でクラシック音楽を流している蔵や工場で造られたワインや日本酒や味噌は、熟成の進み具合や旨味が変わるとして注目されています。音の力にはまだまだ広い可能性があるようです。


音の具体的な効果

●癒しやストレス対策としての音

リラックスしたい時、緊張感を和らげたい時に活用したい音の効果の一つは、「高周波音効果」です。これは、人間には聞こえない高周波を豊富に含む音が基幹脳や脳のネットワークを活性化することにより、アルファ波が増強され、ストレス性のホルモンが減少し、免疫力が活性化するという効果です。
高周波の音は、小鳥のさえずり、川のせせらぎ、虫の声、雨の音などの自然の音や和太鼓や尺八など古来の楽器のほか、環境音楽(※)にも多く含まれるため、こういったものを聞くとよいでしょう。また、レコードの再ブームは、デジタル音源ではカットされてしまう高周波の音が含まれていることが理由の一つと考えられています。

自分の身体だけ使って簡単に試せる効果としては「ハミング効果」があります。口を閉じて「んー」という声を体の中で響かせるようにして鼻から息を出すことで、快楽ホルモンが分泌されて気持ちが落ち着いて癒されるという効果です。身体の内側から受ける声の振動は、各器官をほどよく刺激しながら身体全体をほぐす作用も持ち合わせています。


癒しやストレスの効果

※:メロディやリズムが気にならず、静かさや心地よさが感じられ、環境の一部として耳に入ってくるような音楽のこと。


●仕事の能力をより向上させるための音

職場にはパソコンのキーボードを打つ音や、電話が鳴る音、話し声などがあふれています。一旦それらが気になってしまうと、集中力は高まりにくいものです。
そんな時に活用したいのが「マスキング効果」です。これは、BGMとして音を流して気になる音を紛らわせて覆い隠すことで、集中力が高まるという効果です。 簡易パーテーションで区切られた打ち合わせスペースのような場所では、別の効力も発揮します。極秘事項や取り扱いに注意が必要な内容について話し合う時に、話し声をカムフラージュして周囲に内容が漏れない役目を果たすためです。言わば、見えない聴覚的なパーテーションとして働きます。

思考力や学習能力を高めたい時に取り入れたいのは「クラシック効果」です。クラシック音楽を聞きながら仕事や勉強をすると能率が高まるという効果で、空間認知力や記憶力の向上が示された実験結果もあります。モーツァルトやベートーベンを始めとするクラシック音楽の多くの楽曲には人間にとって心地よい音の変化パターンが含まれているためとされています。職場でクラシック音楽を流したところ、ミスが減少したり生産性や品質が向上したという成果が得られた企業の例もあります。

仕事の能力向上の効果


音の取り入れ方


●自分専用の音の活用法

仕事内容によって、適した音は異なると言われています。
たとえば、日頃から慣れている「ルーティン作業」を行う時は、自分の好みの音楽を流すと気分が盛り上がってよいとされています。「新しい作業」に着手する時には、クラシックやインストゥルメンタルなど歌詞のない音楽が適しています。歌詞がある音楽は、そこに意識が向いてしまい気が逸れるため逆効果です。アイデアを出したり創造性が求められる「クリエイティブな作業」に取り組む時には、環境音楽や自然音が向いています。音に意識を向かわせず、適度なざわめきが脳をリラックスさせるためです。

一般的には、以上のような音の適性があげられますが、心地よさや気分高揚を感じる音楽には個人差があり、好みもあります。適性を頭に入れながらも最終的には、実際に聞いてみて自分に合った音楽を探すことが大切です。
さらに自分の仕事の傾向やパターンによって、たとえば、やる気のスイッチを入れる用、じっくり思考する用、頭の切り替え用、オフタイム用(快眠、起床、ストレス発散)など、日頃のシーン毎に自分の気分と調和する音楽を聞くようにすると、より意欲的に効率よく行動できると考えられます。


仕事内容と適した音

●職場での音の活用法

職場に音を取り入れる際には、周囲の同意を得たりマナーをわきまえることが大前提ですが、実施しやすいのは、人が行き交うスポットに音を流すことです。打ち合わせスペース、休憩室、受付などに、それぞれの利用目的に応じて音を選びます。音を話題にすれば、コミュニケーションのきっかけにもなります。

時間を限定した活用も取り入れやすい方法です。音のテンポを変えると行動するスピードや意識が変わるという行動誘導効果が利用できます。たとえば、月曜の朝や始業直後はリズミカルな曲、ノー残業デーや金曜日の終業前にゆったりした曲、というふうに時間帯や曜日によって変化をつけて短時間だけ流します。導入によって、働き方にメリハリがつき残業が減少したという企業もあります。特に、残業に関しては、耳に入る曲が全員一律の合図になるため、全員で一斉に仕事を終えられるメリットがあります。

通勤時間や移動時間は、イヤホンやヘッドフォンを使えば自分だけの音を流すことができます。気分転換したり、集中力を高めたりと、自分の気持ちやコンディションを整えるために活用してみましょう。


音の使い分け

さまざまな効果を与えてくれる音を、時間や場所に応じて上手く使い分ければ、自分の持っている能力をより無駄なく発揮したり、さらに伸ばすことができます。仕事のパフォーマンスをより高めるためにも、音を賢く活用してみませんか。

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