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(情報掲載日:2016年10月11日)

いまを勝ち抜く人間力

自分ノートを使いこなす

vol.57

めまぐるしく経済情勢や技術革新が変化している昨今、これまでに習得してきた能力や知識を客観的に振り返ってみると、案外当初の期待どおりには活用できていないケースがあるのではないでしょうか。能力や知識の習得効果や活用性を高めてくれるという、メタ認知能力についてご紹介します。

メタ認知とは何か

●認知とメタ認知との違い

「メタ(meta)」は「何かを越えて、高次の」を表す接頭語です。メタ認知とは、単に何かを認知するのではなく、認知しているものの範囲や深さ、位置、意味などを高い視点から認知することを意味します。「メタ認知」が「認知の認知」と言われるゆえんです。イメージとしては、自分自身を少し離れた場所から俯瞰して、広い視野から自分の行動や思考を把握する状態です。簡単な例としては、自分の英語の学内成績を知っているのは認知、他校も含めた中での自分の英語のレベルを知っているのがメタ認知になります。

メタ認知が言葉として広まったのは1970年代です。心理学用語としてアメリカから広まり、幅広い汎用性があると言われています。概念としては、アリストテレスやソクラテスの時代から存在して思索や学びのために使われてきたとされています。その長い歴史がメタ認知の汎用性を物語っています。

●なぜ注目されているか

ある一つの時点・視点から見れば価値のある能力や知識、技術であっても、別の時点・視点から見た時には価値が薄れてしまうケースは少なくありません。例えば、パソコンが普及する以前は資格としてワープロ検定が重宝されましたが、時代が変化し技術革新した今では、パソコン検定やマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)などが主流です。逆に、別の時点・視点から見た時に、価値が高まったり、急に注目され重宝されるものもあります。
また、多様化が進む中ではさまざまな意見や立場を広く考慮しながら問題を解決したり企画を練ることが、より求められるようになってきました。このことからも、広い視野から自分の行動や思考を把握するメタ認知は、仕事を行ううえでも大きな意味を持つと言えます。

教育現場では、学生が充分な知識を身に付けても、実践や応用に弱いという傾向が課題として挙げられています。今の学生たちが社会に巣立つ将来には、グローバル化がいっそう進み社会が変化することを考えると看過できないテーマです。この状況を改善するために、メタ認知を使った教育の手法が取り入れられつつあります。アメリカの学校では既に採用され、文部科学省による検討会の場でも今後育成すべき資質や能力に関して、メタ認知が言及されています。

メタ認知能力が持つ2つの側面

メタ認知をする能力が発揮できると、具体的にはどんなことができるようになるのでしょうか。次の2つの側面があります。

●自己分析する能力

1つ目の側面は、自己分析する能力(「現状」を知る能力)です。具体的には、現在の自分の行動や思考を客観視・相対化し認識することによって身に付く、自分の現状の資質やスキルを正しく分析する能力を指します。この能力によって、例えば次のようなことができるようになります。

自己分析する能力


●自己成長する能力

2つ目の側面は、自己成長する能力(「未来」を目指す能力)です。具体的には、問題や課題へのアプローチ方法や遂行内容などを広く高い視野から認識することによって身に付く、未来に取るべき行動や方向性を探し出して自己成長させる能力を指します。この能力によって、例えば次のようなことができるようになります。

自己成長する能力

メタ認知能力の鍛え方

●自分を振り返る方法

メタ認知能力を鍛えるには、まずは自分自身を振り返ることから始めるとよいでしょう。実務面、知識や技術面、コミュニケーション面など、振り返る対象をある程度決めてから、自分が「理解していることは何か・理解していないことは何か」、「できていることは何か・できていないことは何か」、「やりたいことは何か・やりたくないことは何か」を、それぞれ思いつくだけ文字にして、できるだけ具体的に書き出します。この作業によって、自分自身の今の状況、持っている力、志向性を客観視できます。

次に、書き出したそれぞれの内容に対して、「なぜそうなのか」という理由や背景、裏付けを書き加えます。例えば「Aの技術は理解できていない。ただ、Bの技術の理解を深めればAの技術を理解できなくても問題ない」「目標数字を達成できたが、今回は特別な状況によるところが大きいから次はもっと工夫が必要だ」「まだリーダーを任されたくない。でも、自分の不得意な部分をメンバーにサポートしてもらえるならやってみたい」と、現状の乗り越え方や高め方を広く深く思考できるようになり、メタ認知能力を実践的に鍛えることができます。

また、あえて〈難しい本〉を読むと、〈自分を振り返る方法〉によってメタ認知力が鍛えられます。難しいと感じる主な原因は、自分の知識が不足している場合や本の内容自体が抽象的に書かれているような場合です。前者の場合、その都度意味を調べながら、派生した話や関連した事例などにも目を通すように心掛ければ、次第に広い知識を得られることができます。後者の場合、読み飛ばさずに自分なりの解釈をするようにします。そうすることで、これまでの自分が考えもしなかった概念を、自分の言葉や自分なりのイメージで理解しようとするため、脳内の思考回路を活性化することができます。


●他者を意識する方法

メタ認知能力は、自分ではない誰かの視点を想像することでも鍛えられます。例えば、自分と他者が対話をしている時の雰囲気について、その場の立ち位置、話し方、表情などが当事者ではない第三者にどのような印象を与えるかを考えます。また、自分と相対している他者の目線に立った時に自分の言動はどう受け止められているか、上司や先輩、尊敬する人物など、上の立場であればどう振る舞うだろうか、ということも考えてみます。複数の視点から物事を眺めてみると、物事を多角的に捉えられるようになり、メタ認知能力が高まります。

自分の興味以外の分野やあまり読んだことがない〈馴染みの薄いジャンルの本〉を読むと、〈他者を意識する方法〉によってメタ認知力が鍛えられます。あまり知らない分野であっても、話の流れや出来事の起こり方、法則や公式のようなパターンの中に、今向き合っている分野のアイデアや問題解決に通じる内容が含まれていて、上手く活用できる場合があります。

技術革新や多様化、グローバル化など、さまざまな変化が進む今の時代、できるだけ変化に適応・対処できるようにすることが求められます。自分を俯瞰したうえで状況を把握し適応・対処できるメタ認知能力は、そのような時にきっと役立つことでしょう。

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