メールマガジンの定期配信をご希望のお客さまは以下のボタンからお申込みください。

配信申込⁄停止

(情報掲載日:2012年5月21日)

いまを勝ち抜く人間力

「ロジカルシンキング」で仕事の効率化を図る

VOL.5

日々の業務において、直面する課題に対するアプローチや解決のための適切な方法が見つからず、どう進めていいのか分からないという人がいます。一方で、どんな困難な課題に直面しても素早く解決策を見いだし、仕事を効率的に進めていく人もいます。両者に「差」が生じるのは、正しい解決策にたどり着くための「論理的思考」を持っているかどうかであり、それが「ロジカルシンキング」です。ビジネスの実践場面で使うことの多い「ロジカルシンキング」の考え方と、鍛えるコツをご紹介します。



「ロジカルシンキング」とは何か?

●論理的(ロジカル)に考える(シンキング)思考方法

「ロジカルシンキング」とは、論理的(ロジカル)に考える(シンキング)思考方法のことです。複雑で込み入ったものを分かりやすく表現していくことで、相手を納得させていくことができます。
「ロジカルシンキング」の考え方を知っている人は、仮に専門的な知識に乏しくても不足する知識を臨機応変に収集・補足し、素早く結論を導き出していきます。変化の激しいビジネスの世界で求められるのは、このように課題を解決するための思考力なのです。「ロジカルシンキング」を学び、日常のビジネス場面で活かすことにより、仕事の成果や効率は大きく変わってきます。



「ロジカルシンキング」の実践

●問題解決におけるロジカルシンキングの代表的な考え方

ロジカルシンキングを利用し、さまざまな問題解決をしていく上で、必要となる考え方をいくつかご紹介します。

<ロジックツリー>物事を「ツリー」状に組み立て、課題や原因を明らかにする
ロジックツリーは文字通り「ロジック」を枝分かれする「ツリー」状に組み立てる思考方法です。「課題」を立てて、それに対して考えられる答えを大項目→中項目→小項目とツリーのように分解していきます。目的によって幾つかの形態がありますが、よく使われるのが原因を究明する「WHYツリー」と解決策を考える「HOWツリー」です。
「WHYツリー」は「なぜ?」の視点を持って課題を分解し、解決したい課題の真の原因や解決策を探っていきます。一方、「HOWツリー」は「どのように?」の観点から掲げた課題に対する解決策や施策を導き出していきます。「WHYツリー」と「HOWツリー」ではいずれも課題をツリーの一番上に置き、そこから下へと思考をブレークダウンしていきます。その際、図表1にあるように、各階層の内容を同じレベルに揃えていくことが大切です。
問題が複雑で、ツリーのどこから手をつけていいのか分からないような時は、まずは思いついたキーワードを付箋に書いて、それを台紙に張り付けて行うといいでしょう。付箋を貼り直したり、キーワードを書き直したりしていく作業を続けていくうちに、頭の中が整理されてきて、適切なツリーが描けるようになります。

【図表1】「HOWツリー」の例
【図表1】「HOWツリー」の例

<MECE>モレとダブリを防ぎ、正しく全体像をとらえる
MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)とは、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」という意味で、「モレなくダブりなく対象を捉える」考え方のことです。MECEによるモレとダブりを認識していない場合は、課題に対して思いつくままに対象が出てきてしまい、まとまりがつかなくなります。分かりやすい例でいうと、人間を男と女に分けるとMECEになります。しかし、人間を男と女と大学生で分けるとダブリが生じて、MECEとはなりません。あるいは、人間を赤ん坊と老人で分けると今度はモレが生じて、MECEになりません(図表2)。
ビジネスの場面で考えてみると、例えば市場調査を実施する際には、リサーチする項目や調査対象の選定を漏れなく挙げ尽くす必要があります。また前述のロジックツリーにおいても、MECEの考え方が用いられます。課題に対する原因や方策を考えるのに、バラバラに事柄を羅列してもなかなか解決策は見出せません。見落としている項目はないか、重複している箇所はないかをチェックし、検討していくことにより、機会の損失や効率の低下を防ぐことになります。
だからこそMECEの考え方を適用し、物事の解決策を見出すことが重要になってくるのです。

【図表2】MECEの例
【図表2】MECEの例

<仮説思考>仮説に沿って考えることで、速く解決策に到達できる
「仮説思考」とは、情報が不十分な状況でも行動を起こす前に「仮の答えを持つ」という考え方です。何かに取り組む際に、その時点で考えられる仮説(仮の結論)を持って考える方が、結果的に分析・調査に要する時間の無駄が少なくなります。
変化の激しいビジネスの世界では、必ずしも「正解」があるわけではありません。素早く解決策を打ち出さないと、その間に状況は変化し、競合会社に負けてしまうことがあります。だからこそ、限られたデータを基に仮説を立てて、実行しながら仮説を柔軟に修正していった方が、迅速な問題解決ができます。もし、仮説が外れてもそこには生きたデータと経験値が残ります。追加の情報収集を行い、仮説を深化させていった方が結局は解決策に早くたどり着きます。
このような「仮説思考」を用いて、限られた情報から結論や解決策を考え、その裏付け(理由)を考え抜く習慣を身に付けていくことにより、思考力が飛躍的に高まります。仮説の精度も上がり、問題解決もスムーズに進んでいくことでしょう。

<ゼロベース思考>白紙の状態からあるべき姿を考え、現状とのギャップを明確にする
「ゼロベース思考」とは、今までの延長線上で考えるのではなく、既成観念を取り払って一から考える思考です。例えば業務改革などの場合、今までこういうやり方をしていたからという前提で、改善していこうと考えがちです。しかし、今までのやり方というのはたまたま誰かがそのやり方を採用しただけであったり、何となく習慣で続けられていたというものも少なくありません。
どうしてそうなっているのか、なぜそのやり方なのか、という本質を問わないでその延長線上で考えても、過去のしがらみから抜け出ることは難しいでしょう。だからこそ、前提やしがらみを取り払い、白紙の状態で考える「ゼロベース思考」が大切なのです。
「ゼロベース思考」によりあるべき姿を考え、その上で現状を分析し、ギャップを明確にします。そして、どうやったらギャップを超えられるかを考えていきます。その上で、あるべき姿に近づくよう幾つかのステップを踏み、実現に向けての計画を立てていくのです。こうした「ゼロベース思考」によるアプローチを意識して行うことで、画期的なアイデアも生まれてくることでしょう。

●ロジカルシンキングを活用する情報整理ツール

これらの考え方を業務で活用するにあたって、様々なツールがあります。以下は情報整理・分析に利用できるツールです。

<マトリックス>情報を図表化し、複雑な内容を一目で理解できるようにする
「マトリックス」は情報を整理するための代表的なツールです。解決すべきテーマに関する情報を図表化することで、複雑な内容を一目で理解できるようにしていくものです。「マトリックス」の形態には大きく、2つの表現方法があります。1つは表形式による「テーブル方式」で、もう1つが2軸の座標で要素を整理する「4象限方式」です。
「テーブル方式」では対象となるものの要素が表形式となるので非常に見やすく、解決策を比較検討する際に有効です。「なぜ、この解決策がベストなのか」を説明する際、「テーブル方式」のマトリックスであれば、ベストの解決策を選んだ理由を簡潔に述べることができます(図表3)。
一方、「4象限方式」では比較する際にポイントとなる2軸を抽出し、4象限へと落とし込んでいきます。そして、4象限へと分類された中身について、検討を行うというものです。例えば、図表4に示したような「重要度」と「緊急度」を掛け合わせた「マトリックス」は、A〜Dの4象限により、実行すべき優先順位を明確にできます。

【図表3】テーブル方式のマトリックスの例
【図表3】テーブル方式のマトリックスの例

【図表4】4象限方式のマトリックスの例
【図表4】4象限方式のマトリックスの例

このほかにも、「PPM」や「ファイブフォース」といったツールが使われています。

●「ロジカルシンキング」を鍛えるコツ

「ロジカルシンキング」を高めていくには、日頃から論理的に物事を考えたり、話をしていく習慣を持つことが必要です。以下、「ロジカルシンキング」を鍛えるコツをご紹介します。

①伝えたいことを30秒に凝縮して相手に話す(エレベータピッチ)
論理的な思考力を高めるトレーニングで「エレベータピッチ」と呼ばれるものがあります。これは、伝えたいことを30秒間に凝縮して相手に話すというトレーニングです。わずか30秒ですから、だらだらとしたプレゼンテーションでは時間が足りません。結論から簡潔に話し、論理もシンプルにする必要があります。ちなみに「エレベータピッチ」と呼ぶのは、シリコンバレーの起業家が投資家に対してエレベータ内で遭遇した一瞬のチャンスを活かすために、30秒という時間の中で自分の伝えたいことを凝縮するにはどう話をしていけばいいのか、というのがそもそもの由来です。
伝えたいことをコンパクトにまとめるためのトレーニングですから、テーマは何でも構いません。テーマを設定したら、時計を片手に30秒間測っていきます。分かりやすく、相手に興味を持ってもらえるような話となるよう、繰り返し練習してみましょう。

②「理由は3つあります」で、強制的に理由を整理する
結論を最初に述べて、その後に理由を言うと話が非常に分かりやすいものとなります。この話し方を鍛える方法として、「理由は3つあります」というトレーニングがあります。
まず、自分が一番言いたいこと、つまり結論を話します。次に、いきなり「理由は3つあります」と宣言するのです。理由づけの部分をまだ整理できていない段階で、とにかく「理由は3つ」と先に言ってしまうのです。
なぜそうするのかというと、「理由は3つ」と宣言することで、話す側は何とか理由を3つにまとめなくてはならないという状況に追い込まれます。思いつくまま理由を上げるのではなく短い時間の中、頭の中で整理して3つの理由にまとめるというスピード思考が必要となってきます。そこで、あまり重要ではない理由をカットし、理由の優先順位付けをする必要があります。また、理由をグルーピングして、より本質の理由にまとめ上げる必要も出てきます。このように、理由の整理やグルーピングを行い、3つの理由にまとめようとするトレーニングを行うことで、スピーディな思考と判断力が鍛えられていきます。

③「事実」と「意見」を分けて対応する
どこまでが「事実」で、どこからが「意見」なのか、よく分からない報告があります。これは、事実と意見を混同しているからです。
事実とは、客観的に誰もが見て分かる数字やデータのことです。意見とは、その数字やデータを見て、私はこう解釈しました、こう思いましたということです。この事実と意見を明確に分けて伝えていくことで、解決すべき課題や対策の全体像がはっきりとしてきます。報告でも、客観的な事実を先に述べ、その上で推測される意見を言うことにより、相手の理解も深まってきます。
また、事実の解釈に相違があったとしても、その部分から議論することができます。事実と事実をぶつけ合うことで、お互いの事実に対する理解が深まっていきます。このような議論は有意義なものです。その逆が、思い込みと思い込みをぶつける議論です。思い込み同士の議論では、お互いがベースとしている事実に違いがあることも少なくなく、その場合、いつまでたっても議論はかみ合いません。そのためにも、意見と事実は区別して伝える、区別して議論することが重要です。

配信申込⁄停止

“旬”なテーマで人材活用やビジネスに関するお役立ち情報をお届けします。メールマガジンの定期配信をお申込みのお客様は左のボタンからお気軽にどうぞ。

このページのトップへ

いまを勝ち抜く人間力 一覧へ