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(情報掲載日:2015年9月10日)

いまを勝ち抜く人間力

能率をアップさせる照明の選び方

VOL.44

照明器具には、明かりの色や強さの違うタイプがさまざまあります。それらの明かりを使い分けることにより、その空間で過ごす人の行動や気持ちにプラスの影響を与えられることが分かっています。では、オフィスに適した照明やプライベートの場にふさわしい照明とは、一体どのようなものなのでしょうか。

身近な照明に見られるさまざまな効果

●日常空間の中で使い分けられている照明

街中の照明を注意して観察してみると、意図的に選ばれて設置されているものが多いことが分かります。例えば、コンビニの天井にある細長い照明は、窓の多い入口側の壁面に対して並行に取り付けられています。垂直の場合よりも、外から見た時に店内が明るく見えるためです。これは、明るい方向に引き寄せられる人間の習性を考えたもので、ついつい夜の帰り道にコンビニに足が向かいがちになるのもそのためです。また、店内の広がりを出すために壁の角付近は明るく照らされています。レジの辺りは、店員と客の顔やカウンターの上がはっきり見えるようにさらに明るく設定され、冷蔵棚の辺りは冷えて見えるように青白い色、パン棚の辺りは暖かみが感じられるようにイエロー系の色の照明が使われています。
ホテルのロビーでは、高級感や落ち着き、ゆとりが感じられるように、暖色系で暗めの照明が用いられ、壁や天井が間接照明で照らされています。同じような照明の使い方は、カフェやバーのようなゆったりとくつろぐ店でもなされていますが、同じ飲食店であっても、定食店やファストフードの店では、活気を出し人の行き来を促すために白く明るい照明が選ばれています。
このように照明は、空間を照らす機能だけではなく、人の心理に働きかけたり場の雰囲気を作る機能としても、活用されています。

●明るさ・色などによる光の分類と違い

照明の光は、明るさ、色、エネルギーの3つの指標で表されます。よく知られているのが、単位面積当たりに入る光の量を表す「ルクス(lx)」、数値が低くなるほど赤く暗くなり高くなるほど青く明るくなるという色温度を表す「ケルビン(K)」、消費電力を表す「ワット(W)」です。
これらの中でも色温度は、自律神経系に働きかけて人の心理や感覚に大きな影響を及ぼします。色温度は低い方から、電球色、温白色、白色、昼白色、昼光色と分類され、日常的な蛍光灯やLED照明には、主に電球色(オレンジ色)、昼白色(ナチュラルな白色)、昼光色(青白い色)の3つが使われています。
色温度の低い電球色は、副交感神経を刺激して気持ちをリラックスさせ、逆に、色温度の高い昼光色は、交感神経を刺激して体や脳を覚醒させることが分かっています。一般的な効果としては、電球色は暖かみや落ち着きを与え、昼白色は明るく生き生きと活動的な雰囲気を作り、昼光色はすっきり涼しげな印象を出して集中力を高める、とされています。

●急速に普及したLEDのメリット

赤崎氏、天野氏、中村氏の日本人三氏が発明し、ノーベル物理学賞の受賞で知られている青色LEDを、既に発明されていた赤色と緑色のLEDと混合することで明るい白色の光が実現され、ここ数年で一気に電球や照明器具にLEDが普及しました。LEDはLight Emitting Diode(ライト・エミッティング・ダイオード)の略で、日本語では発光ダイオードと訳されます。LEDがろうそくやガス灯、白熱電球、蛍光灯に続く「第4世代の光」と評されるほど画期的な光だと言われる理由はいくつかあります。
第一に、白熱電球の約10倍という寿命の長さ、約10分の1という電気代の安さ、CO2(二酸化炭素)排出量の少なさという特徴が挙げられます。省エネへの貢献度の高さから、オフィスでの付け替えも進んできました。他にも振動や衝撃への強さ、スイッチのオンオフの多さに対する耐久性の高さ、室温や気温に左右されない安定した明るさ、というメリットがあり、パソコンやスマートフォン、タブレットの画面でも採用されています。
さらに注目したい特徴は、LED単体だけでさまざまな色や光の強さが調整でき、複数の照明を使う必要がない点です。その都度、LEDの色や明るさを調整すれば、仕事のオンとオフなど用途に応じて使い分けることができる機能的な照明を作ることができます。

オフィス空間に適した照明

●多くのオフィスで使われている照明は何色?

オフィス空間にはどんな照明が適しているのでしょうか。明らかに言えるのは、暗い照明は仕事の生産性を落とすことです。中でも青白く暗い光は、陰気でじめじめした雰囲気を作り、働く意欲を削いでしまうと言われています。また、古い蛍光灯などのちらつきのある光は、意欲を低下させるだけでなく、頭痛や目の疲れなどの健康被害を起こすケースもあるので注意が必要です。
逆に、明るすぎる照明も仕事にはマイナスとなります。長時間明るく青白い光の下にいると、緊張感が続く状態になり、集中力が低下したり目が疲れやすくなるのです。また、明るくなるほど、人間の感情の起伏が大きくなる現象も報告されています。例えば、照明が明るいほど、ポジティブな言葉や物をよりポジティブに、ネガティブな言葉や物をよりネガティブに受け止め認識するようになるのです。そのため、重要な判断や選択が必要な時や、大切な交渉を進める時には、冷静で理性的な言動がとれるよう、あまり明るい照明の下で過ごすべきではないと言われています。
これらのことから、多くのオフィスでは、太陽の光で言うと昼間の色と明るさに該当する昼白色の照明が採用されています。

●仕事の内容による照明の使い分け

仕事内容によって、さらに照明を使い分けた方がいいという研究が進んできています。例えば、計算や定型の書類作成といったルーチンワーク的な「既存のものを手際よくこなす仕事」をする場合には、頭を覚醒させる働きの高い、白く明るめの光の方が効率がよいと言われています。企画書作成やブレインストーミングといった「クリエイティブにアイデアを考える仕事」では、発想を促す働きの高い、オレンジ色で少し暗めの光の方が向いていると言われています。また、相手の緊張感をほぐして和やかな雰囲気で見聞きしてもらいたいようなプレゼンテーションや発表の場では、スクリーンに映し出す資料はくっきり見える明るい光に設定しつつ、部屋の照明はオレンジ色系の少し暗めの光を使うといったバランスが好ましいと言えます。
ところが、同じフロアで働いていても、個人個人が取り組んでいる仕事は一定とは限りません。そこで、オフィス全般の照明とデスクスタンドを組み合わせた照明方式「タスク・アンビエント照明」の導入に関心が高まりつつあります。その日その時の自分の仕事にとって快適な照明環境を、机上の個人の照明を使って自在に調整するというものです。一人ひとりの仕事の効率を高めると同時に、天井のライトでフロア全体をすみずみまで明るく照らす必要がなくなるため、省エネにも繋がります。この導入によって、3割ほど消費電力が低減した例も見られるほどです。

●ブルーライトから目をいたわる方法

ブルーライトとは、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイやLED照明に多く含まれている光です。紫外線に次ぐ強さのエネルギーを持っていることから、目の疲れや痛みなど眼球へのダメージが考えられ、視界のかすれやぼやけ、頭痛にも影響すると示唆されています。過剰に浴びると、睡眠障害、うつ病、肥満、疾患の発症リスクが高まるとも言われています。
ブルーライトから目を守るために、専用の眼鏡が作られるようになり、着用する人が増えてきました。他に、パソコン、スマートフォン、タブレット端末の画面に貼り付けて目を保護するフィルムもあります。
パソコンやスマートフォンの画面の設定自体を変更することも、ブルーライトから目を守るには有効です。設定画面を開くと、機種によって幾つかの調整項目があります。例えば、輝度(明るさ)を下げる、コントラスト(明暗の差)を下げる、リフレシュノート(1秒あたりの画面の表示回数)を高める、といった調整によって、ある程度ブルーライトを防ぐことが可能です。また、WordやExcelなどのファイルの背景色を、明るさの強い白ではなく淡い色へと設定を変えるだけでもブルーライト対策になります

リラックスタイム向きの照明

●夜も明るい生活は身体に悪影響

太陽の日照リズムに対する人間の体内リズムは、古代から続く深い関わりを持っています。例えば、日の出の光を浴び、光が脳に伝わると、セロトニンという物質が分泌されて、精神的にも肉体的にも活動的な状態になります。逆に、日が沈んで光が暗くなると、メラトニンという物質が分泌され、リラックスして眠りが促されます。
ところが、現代の生活環境では、夕暮れのオレンジ色の光を浴びて安らぎ、次第に眠りにつく、といった日照リズムが阻害されています。夜になっても明るい光の刺激が室内外にあふれて、心身を休息させる時間を持ちにくくなっているため、体内リズムが乱れがちになってしまいます。
そのため、帰宅後に家でのんびり過ごす時間には、暖かみのあるオレンジ色系の照明を少し暗めにつけて、体内リズムを整えるよう心掛けたいものです。壁や床を照らす間接照明も、光が和らぐため休息に向いています。また、炎のゆらめく光には、癒しや落ち着きを与える効果があると言われています。電気を使わずにキャンドルの明かりで過ごすひとときもたまにはいいかもしれません。

●リラックスが仕事を効率化させる関係

室内にオレンジ系の照明をつけリラックスして過ごしているつもりでも、寝る直前までスマートフォンを眺めていたり、パソコンを見たりしていては意味がありません。画面からブルーライトの強い光を浴び続けている状態になるため、脳はリラックスできなくなるからです。すると、目が冴えて眠りに落ちるまでに時間がかかり、レム睡眠(深い眠り)の時間が短くなってしまいます。この状態が長く続くと体内リズムが崩れ、リラックスした時間が持てないだけでなく、心身の疾患を引き起こす可能性も指摘されています。
また、セロトニンとメラトニンの分泌量は基本的に比例するという関係性から、リラックスした時間を持たなければ頭が冴えた仕事向きの状態には入りにくくなる、と言われています。すなわち、質のよいリラックス時間が質のよい仕事をもたらす、というわけです。せめて寝る1時間程前からはスマートフォンもパソコンも閉じて、オレンジ色系の暗めの光の中で過ごすようにしたいものです。

●朝の目覚めにブルーライトを活用

夜の睡眠前には遠ざけたいブルーライトも、朝には有効だと言えます。なぜなら、人間の体内リズムでは、朝日の青白い光によりスイッチが入り目覚めが促されるからです。青白い光を浴びると、眠気が素早く解消されて頭が仕事モードに切り替わります。そんな体内リズムを利用して、日の出の光の変化をタイマーにより再現し、自然な目覚めを導く照明器具も既に商品化されています。その他、朝から夜の時間帯に応じてディスプレイの明るさを自動的に調整するアプリケーション、フロア全体の照明をさまざまに制御する装置も開発されています。照明には工夫と活用の余地がまだまだ多く残されていると言えそうです。

このように照明の効用を知って、シーンや時間帯による使い分けを取り入れれば、オフの時間にはよりリラックスでき、オンの時間にはパフォーマンスをより向上させることが期待できます。さらにオンとオフの相乗効果もありますから、いっそう充実した毎日のためにも、照明を役立ててみてはいかがでしょう。

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