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(情報掲載日:2014年5月12日)

いまを勝ち抜く人間力

二十四節気、七十二候を楽しむ心のゆとり

VOL.28

「夏至」「立秋」などと1年を24の季節に分ける二十四節気と、それを3等分した七十二候の風物詩を取り入れた書籍、手帳、カレンダー、スマートフォンのアプリが人気を集めています。季節の変化を話題にすれば、ビジネスのコミュニケーションにも役立ちそうです。二十四節気、七十二候の理解を深めて自然と親しみ、心豊かな日々を送る方法についてご紹介します。

二十四節気、七十二候とは

●二十四節気はどのようにしてつくられたか

1年の春夏秋冬について、例えば春は何月何日に始まると暦の上で定めているのが二十四節気であり、3000年前の古代中国で考案されたと言われています。当時は月の満ち欠けに基づく太陰暦で、月の満ち欠けの周期が29日半であるため1年間が太陽暦よりも11日短くなり、実際の季節感とはズレが生じていました。そのため農作物を育てるには不都合で、四季の変化と合わせた暦が必要でした。まずは四季の分け目をいつにするかを決めるため、同じ時刻に地面に棒を立てて太陽の影の長さを測定して記録を取り、太陽の高さを比較する方法が考案されました。
影が最も短い日、つまり太陽の位置が最も高く、昼の時間が最も長く、暑さが盛りを迎える日を「夏至」とし、その反対に太陽の位置が最も低く、夜の時間が最も長く、寒さが極まる日を「冬至」と定めたのです。これを二至といいます。さらにその間をとって「春分」と「秋分」を定め、この二至二分を四季の中間点とし、四季の起点を「立春」「立夏」「立秋」「立冬」としました。以上で二至二分四立の8つの季節の分け目が成立しました。一方、太陽暦、太陰暦ともに1年を12ヶ月としているので、8と12の最小公倍数である24の暦にすると使いやすいという理由で、二十四節気が誕生しました。

二十四節気の骨格となる二至に四立の構造
二十四節気の骨格となる二至に四立の構造

●二十四節気は季節の変化を予想して対応する手がかり

上記のように、二十四節気は昼夜の長短を基準にした二至二分四立を骨格とし、これに暑さ寒さなどの気温の変化を表す節気、雨や雪、霜などの気象の変化を表す節気、物候といって動物や草木の変化を表す節気、そして農事のタイミングを知らせる節気を加えた構造になっています。農耕中心の社会で生活していた古代の人々にとって、二十四節気は季節の変化を予想して農事や行事の計画を立てる手がかりとなりました。例えば「霜降」の時期が近づけば、農作物を霜から守る手立てが必要になると知ることができます。また、「芒種」は稲のように穂のある植物を意味し、この時期に稲は田植えを始め、収穫を終えた麦は種まきの時期を迎えます。

二十四節気の由来
二十四節気の由来

●七十二候は二十四節気を三分割した小さな季節を表す

二十四節気を初候・次候・末候に三分割したものが七十二候です。5日ごとに季節の変化を捉え、風、雷、雨、霞、霜などの自然現象や桃、桜、菜花などの植物、チョウ、ツバメ、カエル、カマキリといった動物や昆虫が織り込まれた風物詩の暦となっています。漢文の読み下し文で表現されており、言葉の意味が分かりやすく、情景が自然と浮かんできます。最近では、七十二候を紹介したスマホのアプリ(※1) が人気を集めています。例えば5月21日になれば「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」が到来したことを知らせてくれて、言葉の意味をイメージしやすい風景写真や絵画、旬の食材、伝統行事などがスマホの画面に表示されるアプリです。利用者からは「日本人が培ってきた繊細な季節感が分かる」、「海外の友人に日本人の美意識を伝えられる」などと好評です。

二十四節気と七十二候(2014年)
二十四節気と七十二候(2014年)
二十四節気と七十二候(2014年)
Facebook「くらしのこよみ」(※1)参照
国立天文台 平成26年(2014)暦要項(※2)をもとに作成

※1平凡社「くらしのこよみ」Google、iPhone向けアプリおよびFacebook版

※2 国立天文台 平成26年(2014)暦要項
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2014/rekiyou142.html

自然と調和して心身の健康を保つ

●七十二候で季節の変化をいち早く取り入れる

七十二候の中に表現されている季節感には、自然の中の小さな変化を見逃さない、研ぎ澄まされた観察眼が発揮されています。例えば春の訪れは、立春初候の「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」に始まり、以後5日ごとに「黄鶯?v(うぐいすなく)」、「魚上氷(うおこおりをいずる)」、「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」と春の訪れを告げる自然の中の出来事の繊細な描写が続きます。
次々に届くこのような春の便りに触れることで、人間もあたかも冬眠から覚めるように活力を取り戻すことができるかもしれません。春になって草木が芽吹き、動物が元気に動き回る姿を見ると、気持ちが清々しくなるものです。
季節の変化をいち早く取り入れることで、身近な人々との会話が弾むきっかけがつかめるというメリットもあります。春にはネクタイやスカーフなどの小物にうぐいす色を使ってみたり、職場のおやつや取引先への進物にうぐいす餅を使うなど、自分の生活に取り入れることにより、心豊かな日々を送ることができるでしょう。また、気の利いたふるまいが人間関係の潤滑油になるかもしれません。

●七十二候が教える旬の素材の健康増進機能を活かす

1月の大寒初候に「款冬華(ふきのはなさく)」とありますが、昔から早春にはふきのとうなどの山菜の風味が尊ばれてきました。「春には苦みを盛れ」という言い伝えがあり、医学的な知識がなかった昔から、山菜の苦み成分がもつ健康機能が知られていたようです。例えばふきのとうにはフキノール酸、ケンフェノール、アルカロイドなどのポリフェノール類が多く含まれて ており、胃を丈夫にして腸の働きを整える働きに優れています。また、フキノール酸は血中のヒスタミンを減らし、花粉症の予防や咳止めに効果があるといわれ、ケンフェノールが発がん物質を除去し、アルカロイドが春のだるさや疲れを解消する働きを持っています。(※3)
旬の素材には、その季節に応じて体調を整える機能があると言われています。七十二候について解説した書籍やインターネット上のコンテンツなどには、旬の素材を使った季節感あふれる料理のレシピも紹介されています。5日に1度更新される七十二候の知識を活用すれば、日々の献立の中に旬の味わいと健康増進機能を取り入れることができます。

※3 女子栄養大学基礎栄養学研究室「KNUダイエット 食材百科事典」
http://co-4gun.eiyo.ac.jp/food%20database/3gun/foods-dic-3-fukinoto.html

季節の変化を体感する小旅行のすすめ

●七十二候に描かれた四季折々の花の旅を楽しむ

七十二候には、3月の春分次候の「桜始開(さくらはじめてひらく)」、4月の穀雨末候の「牡丹華(ぼたんはなさく)」、5月の小満次候の「紅花栄(べにばなさく)」、6月の夏至次候の「菖蒲華(あやめはなさく)」など、花の盛りの時期を知らせるものが多く見られます。1年のうちで限られた期間にしか見られない四季折々の花が咲き誇る観光地、庭園、寺院などへ小旅行に出かけてみるのも一興でしょう。また、花を題材に写真撮影、スケッチ、俳句づくりなどを加えれば、楽しみが倍加します。美しい花を愛でると、心が洗われるようなストレス解消効果も期待できます。

●七十二候にちなんだ「吟行」のすすめ

七十二候に登場する花鳥風月は、俳句の季語であるものが多く見られます。過去の句作に学びつつ、七十二候に描かれている花鳥風月に出会える場所を訪ねる「吟行」も味わい深いでしょう。吟行とは和歌や俳句の題材を求めて名所・旧跡などに出かけることで、その際、過去の名作を読んで予習をしておくと役立ちそうです。「4月の穀雨末候の「牡丹華(ぼたんはなさく)」に関連する俳句には、蕪村の「牡丹散て打ちかさなりぬ二三片」があります。6月の芒種次候の「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」は、腐った草の下でホタルが孵化して現れ始めるという意味ですが、杉風の「しののめにほたるの一つ行く白し」など、ホタルを詠んだ名句を味わいつつ、自作もひねり出してみたいところです。

●七十二候から発想するユニークな旅

七十二候の中には耳慣れない言葉も出てきます。その由来を訪ねる旅というのもユニークで、おもしろいかもしれません。例えば、夏至の末候に「半夏生(はんげしょうず)」という一風変わった言葉が出てきますが、これは夏至から数えて11日目にあたる日です。太陽暦では7月1日・2日ころで、この日から5日間を言います。この時期に「カラスビシャク(漢名:半夏)」という薬草が生えることから名がつけられました。
半夏生の時期には、地域によってさまざまな民間行事があります。稲作農家では、梅雨が明けるこの時期までに田植えを終え、半夏生から5日間は休みとする地方もあるそうです。また、関西では稲の豊作を祈ってタコを食べる風習があり、その風習には、作物がタコの足のように大地にしっかりと根を張ることを祈願するといった意味が込められているそうです。タコには、アミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれているため、蒸し暑さが強まり疲労が増してくるこの時期にタコを食べるのは、栄養面からみても理にかなっていると考えられます。
こんなふうに調べてみると、旅情が募るのではないでしょうか。田植えが終わったばかりの美しい水田の風景を見に遠出するのもいいものです。帰りには、タコを食するというコースはいかがでしょうか。

都会で仕事をしていると、季節感を味わうのは中々難しいものですが、七十二候は季節の小さな変化を先取りして教えてくれて、私たちに自然と調和して心身の健康を保つ知恵を教えてくれます。季節の変わり目は免疫力が低下して体調を崩しやすい傾向があります。また、自然からかけ離れた生活を続けていると心身のバランスを崩し、ストレスに耐える力が弱まっていきます。七十二候が教えてくれる知恵を上手に活用し、心身の健康を保つのはもちろんのこと、花鳥風月を愛でる日本人の伝統的な美意識に触れて、豊かな人間性を培っていきたいものです。

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