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(情報掲載日:2014年2月20日)

いまを勝ち抜く人間力

「休むスキル」で仕事の生産性を上げる

VOL.26

疲れがたまってくると、集中力が落ちて凡ミスをしたり、イライラして人と衝突したりして、良い結果を生み出しにくくなります。「休むスキル」を身につけて、仕事の生産性を上げる方法をご紹介します。

睡眠の質を改善して仕事のパフォーマンスを上げる

●睡眠の大切さとは

疲れをとるには、休むことが先決です。ただ、休み方にも上手な休み方とそうでない休み方があります。休むことには休息、小休止、睡眠など、さまざまな方法がありますが、 まずは、睡眠の取り方を振り返ってみましょう。十分な睡眠を取っているつもりでも、「寝た気がしない」とか「起きづらい」と感じるときもあります。あるいは、床についてもすぐには眠れない、夜中に目が覚めてなかなか寝付けない、朝早く目が覚めてしまうといった症状がある人も少なくないかもしれません。睡眠は疲れをとるだけでなく、注意力や判断力低下の防止、風邪の予防といった免疫機能強化の役割をもち、心身の健康を保つために必要なことです。では、上手に睡眠を取るにはどのような対策があるでしょうか。

●睡眠を取るためのスキルを学ぶ

上手に睡眠を取るためには、厚生労働省の「睡眠障害対処12の指針」が参考になります。①就寝前、②就寝中、③起床、④日中の4項目に整理してみました。いずれも日常生活に関わることで、当たり前の注意点のように思えるかもしれませんが、毎日欠かさず実践し、悪い生活習慣を改めて良い生活習慣へと変えて快眠を実現したいものです。

睡眠障害対処の「12の指針」に学ぶ快眠実現のスキル
睡眠障害対処の「12の指針」に学ぶ快眠実現のスキル
厚生労働省「睡眠障害対処の12の指針」(※1)

●体内時計と生活時間のズレを修正するには

すっきりした目覚めで1日のスタートが快調であれば、その日の仕事に全力投球でき、高い成果を期待できるでしょう。人間の睡眠と覚醒には光が重要な役割を果たし、人間の体内時計の仕組みとホルモンの分泌作用に関係しています。
人間の身体には体内時計があり、1日のリズムを刻んでいます。健康な状態であれば、とくに意識しなくても日中は活動状態になる一方、日没後に暗くなると休息状態に切り替わり、自然な眠りへ導かれます。ところが人間の体内時計の周期は24時間よりもやや長い(※2)ため、1日の生活時間の24時間と比べると少々ズレがあります。このズレを修正してくれるのが朝の太陽の光であり、夜更かししないで寝て、朝、決まった時間に起きて太陽の光を浴びれば体内時計と地球の時計のリズムを合わせることができます。
しかし、体内時計は太陽光でなくとも1,000ルクス程度の人工光の影響を受けるため、深夜残業や夜更かしをして、明るい光の中で活動している時間が長くなれば、体内時計は夜を昼だと勘違いしてしまいます。身体を活動に適した状態に整えようとするため、中々寝付けない、朝寝坊してしまう、昼間眠くてたまらないといった睡眠障害が起こりがちです。また、寝室が明るいままであると熟睡感がもたらされないため、寝室は真っ暗にすることが望ましいと言われています。

●睡眠はメラトニンとコルチゾルの影響を受ける

目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出てきます。「眠りのホルモン」であるメラトニンの分泌が始まり、その作用で深部体温が低下し、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。
夜明けから日中にかけて分泌量が増えるホルモンが、「覚醒のホルモン」であるコルチゾルです。体内時計の司令を受けて副腎皮質から分泌されるホルモンで、生命活動をより活発にする働きをもちますが、過分なストレスが加わると分泌量が増えすぎて、睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。「明日は4時に起きねばならない」といったプレッシャーがかかっているときや、当直のようにいつ起こされるかわからないときには、睡眠中のコルチゾルが増加するという研究結果があるそうです。
このような体内時計とホルモンの働きに着目すると、快眠を実現するには、自分なりのストレス解消法をもち、就寝前には安心して眠りにつける状態にすることが第1です。寝ているときに分泌される成長ホルモンは、身体の修復機能、ストレス耐性を高める機能などがあり、翌日の仕事のパフォーマンスを高めることにつながりそうです。

※1 厚生労働省 睡眠障害対処12の指針
http://www.suimin.net/data/images/guide/guide.pdf

※2 厚生労働省「e-ヘルスネット」
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-039.html

仕事の中にリラックスモードを取り入れる

●呼吸法でリラックスモードに入る

日中は覚醒ホルモンであるコルチゾルの働きで、活動量を増やすことができますが、人間の集中力には自ずと限界があります。「集中モード」と「リラックスモード」を上手に切り換えすることで、気力や意欲の枯渇を防ぎたいものです。とはいえ、手間暇のかかるリラックス法は職場によっては難しいでしょう。
5分程度でできるリラックス法としては、簡単な呼吸調整法が適しています。この呼吸調整法は、集中している状態により交感神経が活性化し早く浅くなっている呼吸を、ゆっくりと深い呼吸に変え、副交感神経を活性化させることにより、リラックスモードに入っていく方法です。目を閉じて、ゆっくりと息を鼻から吸いながら頭の中で数を数えます。吸った息はお腹の底に溜めるイメージで、吸えなくなるまで吸い続けます。もう吸えないというときの数を覚えておき、吐くときはその2倍の時間をかけてゆっくり口から吐きます。口をすぼめ、細い糸を吐くようなイメージで少しずつ続けます。これを2、3回繰り返すうちに呼吸が落ち着いてきて、気持ちがリラックスしてきます。休憩時間はもちろん、難しい商談の前に気持ちを落ち着けるために行ってもいいでしょう。

●食後の休息で消化吸収を高めてから仕事に戻る

リラックスモードのときに活性化する副交感神経は、胃や腸等の消化器官の働きを活発にさせる役割も担っています。
したがって、食後の休息をとってリラックスモードに入ると消化吸収が良くなります。逆に食後すぐに仕事をしたり、デスクでパンをかじりながら仕事をしたりすると、副交感神経よりも交感神経が優位になり、消化・吸収の働きが落ちてしまい、胃がもたれて不快な状態で仕事をすることになるかもしれません。食後の休息をとらないことは人間の生理的メカニズムに反した行動であり、こうした行動を長く続けていると疾病につながるリスクをはらんでいます。

●昼寝の効用とは

昼休み休憩時にオフィスの照明を落とす会社がありますが、これは節電効果ばかりでなく、リラックス状態の質を高める効果があるとも考えられます。目を閉じて静かにしているだけでもリラックスモードに入ることができます。
昼間、ウトウトするのは、夜更かしや昼食の食べ過ぎ、気の緩みが原因と思われがちですが、前の晩に十分な睡眠を取っても、人は昼過ぎには眠くなるのが普通だそうです。人の睡眠には半日周期のリズムがあり、日中も午前10時から午後4時までの間に2時間周期で眠気が訪れ、そのピークが午後2時なので、昼下がりの会議や授業で居眠りしたくなるのは当たり前なのです。とはいえ、会議で居眠りすることはできないので、昼休みを利用した15分程度の睡眠が、仕事の効率を高め、健康にプラスの効果をもたらしてくれます。
ある建設会社では、午後の作業に備えて体調を整え、作業ミスや重大事故を防ぐために多くの社員が昼寝をしています。作業現場の習慣を本社にも持ち込み、昼休みになればソファに横になったり、自席で休んだり、会議室を使ったりして、思い思いの昼寝をしているそうです。

人間関係にも「休むスキル」を

●気を遣いすぎるのを止める

昼寝をする、休憩するといった身体的側面で休むスキルのほかに、精神的側面で休むスキルもあったほうがいいでしょう。気を遣い過ぎて気が休まらない状態が続くと、不眠や胃潰瘍、十二指腸潰瘍といったストレス性の疾患につながるリスクがあります。
周囲の人に気を遣って疲れるのは、配慮が行き届いている証拠とはいえ、行き過ぎると自分がつらくなるばかりです。初対面の人に会う前は落ち着かなくなる、苦手な人には話しかけられない、遠慮して言いたいことが言えずに飲み込んでしまうといった傾向がある人は、要注意です。
自分がどんなに気を遣っても、受け取り方は人によってさまざまです。悪い反応が返ってきても、その原因がすべて自分の行動にあるとは限らないのです。たまたま、相手の体調や機嫌が悪いタイミングに声をかけてしまったなど、相手に原因がある場合もあります。
これはアサーティブトレーニングという心理療法の考え方であり、その根本は、相手を大切にするのと同じくらい自分を大切にするということです。他人に気を遣い過ぎる人は、他者尊重と自己尊重のバランスが崩れ、自己尊重が不足してしまっている状態にあると考えられます。この状態から抜け出るには、自己尊重の度合いを高めるために、自分自身の心のケアをすることが求められます。

●ひとりを楽しむ時間を設ける

他人に気を遣い過ぎて疲れてしまう人は、他人の視線を気にしなくていい場所と時間があれば、気を休めて、自分のケアをすることができるはずです。例えば昼休みには職場の仲間と一緒ではなく、ひとりで行動し、見知らぬ人しかいないカフェでのんびりお茶を楽しむといったことも効果がありそうです。
それだけでは足りない場合は、休日にひとり旅や、映画鑑賞、音楽鑑賞、読書、ひとりでできる運動、マッサージなど、気を遣わない行動を楽しむといいでしょう。家族サービスがあって休日もひとりになれないのであれば、有給休暇を取って自分のケアに当てるという方法があります。これも風邪の予防と同じくらいに大切な健康管理と言えます。

●人間関係を休むことも大切

ビジネス社会では、顔の広い人、人脈を豊富にもつ人ほど大きな成果を上げられるというイメージがありますが、人によっては人脈を広げるための活動が心労をもたらす場合もあるようです。人間関係を休むことが、健康を守るうえでは必要になることもあります。長い人生の中には、人間関係を拡大する時期があってもいいし、人間関係を休み、数少ない友人を大切にして深く付き合うという生き方を選ぶ時期があってもいいでしょう。
年賀状や暑中見舞いを書くときや、名刺を整理するときに、「多すぎるので付き合う人の数を減らしたい」と感じたら、「この人との人間関係を休む」という決断もあり得ます。「3年以上会っていない人との人間関係は休む」といった基準を設けて割り切ってみると、心の負担が軽くなるかもしれません。

人間の体力や精神力には限界があります。限界を超えてしまうと、病気やケガ、仕事上のミスや事故につながり、他人に迷惑をかけてしまうことすらあります。限界の手前で休めば、人間には本来、自然治癒力や回復力が備わっていますから、活動時に必要なエネルギーを回復し、高い生産性を上げる準備が整います。人によって限界のレベルはさまざまでしょう。自分の限界を知り、「そろそろ限界だな」と思ったら、休むスキルを上手に使うことで、ビジネスで高いパフォーマンスを上げ、日常生活では自分らしく生き生きと過ごしたいものです。

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