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(情報掲載日:2013年10月21日)

いまを勝ち抜く人間力

こころの知能指数EQ活用法

VOL.22

EQとはEmotional Intelligence Quotient(感情的知能指数)のことで、IQが高い人よりもEQが高い人のほうがビジネスで成果を上げるという説が90年代後半に日米で大ブームを巻き起こしました。いま再び、EQは変化の激しい時代に勝ち残るために必要な人間力であるとして注目を集めています。自分のEQを知ることで、ビジネスの成果を上げる方法をご紹介します。

「こころの知能指数=EQ」とは何か

●対人関係や感情のコントロール法に重点を置く基準

EQは、学業成績などの知的能力を示すIQ(知能指数)に対抗して命名されて以来、広く知られるようになりました。もとは、米国でハーバードのビジネス・スクールのようなエリート校を出ているのに社会的成功を収めることができない人間の研究から始まったと言われています。アメリカでEQブームの火付け役となり、日本語に翻訳されて大ベストセラーになったダニエル・ゴールマン著『EQ――こころの知能指数』によると、EQとは次のような能力を示すものです。

・衝動をコントロールし、快楽をがまんできる能力
・自分の気分をうまく整え、感情の乱れに思考力を阻害されない能力
・他人に共感でき、希望を維持できる能力

IQが知的能力つまり「頭の良さ」を表す指数であるのに対し、EQは対人関係や感情のコントロール法に重点を置いた「こころの働き」を表す指数といえます。IQが高いタイプとEQが高いタイプを男女別に比較したアメリカの研究によると、次のような傾向が観察されたそうです。

ダニエル・ゴールマン著『EQ――こころの知能指数』より作成

ダニエル・ゴールマン著『EQ――こころの知能指数』より作成

EQは、初めて紹介された1990年代以上に重要になってきていると言われます。その理由として、第1に変化のスピードが加速する中で、過去の知識や体験が通用しづらくなっているからでしょう。第2に予測が難しい経営環境の中で、明るい見通しをもち、ストレスやプレッシャーに負けることなく、多様な価値観をもつ人々と折り合いを付けながら仕事をする能力がますます重要とされていることも影響しています。
アメリカの多くの企業ではEQを基準にした採用試験を実施し、研修にも取り入れています。日本でも最近、ストレス耐性とEQの見極めに特化した採用適性検査が開発されています。ストレス耐性とEQが高い人材は、企業を取り巻く激しい環境変化に順応し、高い成果を上げることができるというものです。
また、年間9,000社以上の企業が採用試験の際に利用している有名な適性検査がこのほど改訂され、性格について測定する際の着眼点として従来の行動、意欲、情緒の3つの側面加えて「社会関係的側面」が追加されました。これは、「厳しい状況や困難な課題に直面したときに、周囲との関係の中でどのようなふるまい(行動)をとりやすいか」を示すものだそうです。これもEQ的な要素を取り込んだものと考えられます。

EQを測定する基準とは

●EQとは感情の識別・利用・理解・調整の能力

EQ理論を開発したピータ・サロベイとジョン・D・メイヤーは、EQを「自分自身と他人の気持ち・感情を観察し、それぞれを区別し、その情報を使用して自分の思考と行動を方向づける能力」と定義し、その感情的能力について4つの領域に整理しています。

EQとは感情の識別・利用・理解・調整の能力

(1) 感情の識別
EQを発揮するには、最初に「いま、自分はどんな感情をもっているか」について、自分に問いかけることが重要なポイントになります。感情を識別するには、うれしい、悲しい、つらい、わくわくするといった、感情を表現する言葉をたくさん持つことが必要になってきます。

(2) 感情の利用
やる気に満ちているときと、気分が落ち込んでいるときでは、同じ仕事でも違った結果になります。「この仕事が好きだ」「何としても達成したい」という情動を利用すれば、高い成果につながっていくはずです。つまり、否定的・消極的なものの見方を、肯定的・積極的なものの見方に変えていくことが、「感情の利用」のポイントになります。これをリフレ−ムといいます。
一方、対人関係においては、相手に深く共感することによって、「何とかしてあげたい」という情動がわき起こり、それが具体的な行動につながります。つまり、共感という感情の動きを利用することによって、対人関係がスムーズに運びます。

(3) 感情の理解
人間の感情は、さまざまな特性を持っています。この特性を理解することがEQの発揮に結びつきます。感情は突然生まれ、心臓がどきどきするなどの生理的な変化をもたらします。また、感情は何らかの変化や出来事に対する反応です。感情の現れ方はその人の価値観に影響されます。「何よりも時間に正確であるべきだ」という価値観をもっている人は、遅刻してきた人に対して怒りを感じるでしょう。そして、感情は私たちの思考能力や知的活動に影響します。イライラしているときや、不安に襲われているときには、正しい判断を下すことは難しいでしょう。このような感情の特性を理解することにより、次のステップの「感情の調整」が可能になります。

(4) 感情の調整
「感情の調整」とは、自分の感情を調整・操作する能力です。たとえば、未経験の仕事を与えられて不安な気持ちになっていると自分で感じとったとき、不安な気持ちをそのままにしないで、「未経験だから面白そうだ」というように「おもしろがり精神」をもって、自分がとるべき行動を決定します。


●自分のEQのレベルを知る

子どものころの学習によってある程度決まってしまうIQに比べると、EQは生涯にわたって開発することができると言われています。自分のEQを測定することによって、いままで気づかなかった自分の長所や短所の把握につながるかもしれません。
下表は、EQの4つの領域に関するセルフチェック表です。それぞれの設問について、ほとんどできない(1点)、あまりできない(2点)、普通(3点)、できるほうだ(4点)、よくできる(5点)の5段階で回答してみてください。

高山 直 著『EQ入門』より作成

高山 直 著『EQ入門』より作成

結果の見方としては、各領域30点満点のうち、25点以上が「きわめて高い」、20〜24点が「高い」、11〜19点が「普通」、10点以下が「低い」というのが判断の目安になります。EQの4つの領域について、高い人と低い人では次のような言動の違いが現れるそうです。

高山 直 著『EQ入門』より作成

高山 直 著『EQ入門』より作成

EQを高めるには

●感情を識別する訓練をする

EQを高めるには、まずは意識を変え、行動を変えるようにして、その積み重ねで習慣を変えていくことが必要であると言われます。EQの4つの領域別にどのような訓練をすればいいのかについて、ポイントをご紹介します。
まず、「感情の識別」能力が低得点だった人には、下表のような自分および周囲の人の「感情を識別する訓練」が効果的なようです。

感情を識別する訓練
感情を識別する訓練


●自他のポジティブな行動をモチベートする訓練をする

2番目の「感情を利用する」力を高めるには、自分および周囲の人の感情を利用することによって、ポジティブな行動をモチベートする訓練が効果的なようです。

自他のポジティブな行動をモチベートする訓練
自他のポジティブな行動をモチベートする訓練


●感情が湧き起こる要因や感情の変化を捉える訓練をする

3番目の「感情を理解する」力を高めるには、内省、さまざまな人との対話、映画や文学作品を通じて、人の感情がどのような状況や要因で生じ、どのように変化していくかについて理解を深めていく訓練が効果的なようです。

感情が湧き起こる要因や感情の変化を捉える訓練
感情が湧き起こる要因や感情の変化を捉える訓練


●ユーモアのある行動につなげる訓練をする

4番目の「感情を調整する」力を高めるには、ちょっとした遊び心をもって、ユーモアのある行動につなげる訓練が効果的なようです。

ユーモアある行動につなげる訓練
ユーモアある行動につなげる訓練

EQを高めるには、日ごろの心がけと訓練が大切です。根気よく続けて自分が変われば、周囲の人の見方や態度も変わり、コミュニケーションがスムーズになります。その結果として、チームワークや商談がうまく運び、仕事のうえで成果を出すことが期待できそうです。

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