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(情報掲載日:2020年9月7日)


ニュースや新聞などを通じて日々触れる情報には、経済用語が多く見られます。その中には、知っていたはずなのに忘れてしまう言葉、よく目にするもののはっきりとは知らない言葉、新しく使われ始めた言葉など、説明できそうでできないような言葉もあります。社会情勢をしっかりと把握するためにも、正しく再確認しておきませんか。

●GDP(国内総生産)とGNI(国民総所得)

「GDP」とは、Gross(合計)Domestic(国内)Product(生産)の頭文字を取った言葉で、「国内総生産」と訳します。
一国の国民全員が一定期間に国内で新しく生産したモノ・サービス・付加価値の総額を表し、単位は円です。国の経済規模を示すもので、経済の見通しを図る目安として知られています。統計値は、内閣府によって四半期ごとに発表されます。
GDPには「名目GDP」と「実質GDP」があります。名目GDPは、市場価格に生産数量を掛けて合計したもの、実質GDPは、名目GDPから物価変動による影響を取り除いて算出したものです。経済成長率を見る際には、生産の増減が把握しやすいために実質GDPが重視されています。

「GNI」とは、Gross(合計)National(国民)Income(所得)の頭文字を取った言葉で、「国民総所得」と訳します。
一国の国民全員が国内外で新しく生み出した所得の総額を表し、単位は円です。労働収入や日本企業の海外での収益、外国株式・債券への投資による配当・金利収入など、海外からの所得をGDPに加えた総額です。GDPと同じように、名目GNIと実質GNIがあります。
グローバル化が進んで国外で働く人が増加したため、国民が海外で得ている所得も加えた方が国の経済の状況をより適切に表すと考えられ、2000年から導入された指標です。

●円高と円安

ある国の通貨と別の国の通貨の交換比率を「為替相場」と言い、その中で、円と海外通貨との交換比率を「円相場」と言います。交換比率は、各国の経済成長率やインフレ率など経済情勢に応じて変動します。
円の価値が海外通貨に対して高くなって円相場が上昇することを「円高」、低くなって円相場が下降することを「円安」と呼びます。ドルを例にすると、1ドル100円だったものが、1ドル80円になると20円の円高、1ドル130円になると30円の円安となります。
円高になると、海外から輸入する原料や商品を扱う企業はコストを低減できるため、輸入量が増え、消費者は輸入関連の品を安く購入することができます。ガソリン価格や電力料金は下がり、海外旅行の費用も安くなります。
円安になると、輸出された日本の商品は海外での価格が下がるため、海外の消費者は安く購入することができ、輸出量が増えます。海外から来日する観光客が増え、観光業界の売上は伸びます。

●インフレとデフレ

「インフレ」とは、インフレーションの略で、モノやサービスなどの価格が継続的に上昇する状態のことを指します。
「販売価格が上昇するために企業の売上が増える→そこで働く従業員の給料が増える→それによって購買意欲が増す→消費が増えると企業の売上が増える」という循環が生まれます。これまで1杯100円だったコーヒーが200円に値上がりするような状態になるため、相対的に通貨の価値は下がることになります。
また、インフレの循環が急激に進んで、短期間で物価が高くなる状態を、「ハイパーインフレ」と呼びます。

「デフレ」とは、デフレーションの略で、モノやサービスなどの価格が継続的に下落する状態のことを指します。
「販売価格が下落するために企業の売上が減る→そこで働く従業員の給与が減る→それによって購買意欲が減る→消費が減ると企業の売り上げが減る」という循環が生まれます。これまで1杯100円だったコーヒーが50円に値下がりするような状態になるため、通貨の価値は相対的に上がることになります。
また、デフレの循環がどんどん進んで、物価の下落が続く状態を、「デフレスパイラル」と呼びます。

●日経平均株価とTOPIX

「日経平均株価」は、日経平均、日経225、Nikkei225とも呼ばれている、日本の株式市場の現状を表す代表的な指標です。東証一部に上場している1700を超える銘柄の中の225銘柄の平均株価で表され、単位は「円・銭」になります。取引が行われている時間帯の5秒ごとに日本経済新聞社が発表しています。
225銘柄には、業種のバランスをとりつつ、売買される数量の多いものが選ばれ、年に一度の見直しによって入れ替えが行われます。近年はIT系企業が採用される傾向があります。

「TOPIX」は、Tokyo(東京)Stock Price(株価) Index(指数)の頭文字を取った言葉で、「東証株価指数」と呼ばれます。日経平均株価と並ぶ指標とされており、東証一部に上場している全銘柄を対象にして算出した株価指数で表され、単位は「ポイント」です。1968年の時価総額(株価と発行済み株式数を掛け合わせた総額)を「100」とした時の、現在の時価総額を示しています。

日経平均株価は「平均値」であるため株価の高い銘柄の動きに大きく影響され、TOPIXは「時価総額」であるため企業規模の大きな銘柄の動きに大きく影響される、という特徴があります。

●買いオペと売りオペ

物価を安定させるために、日本銀行は市場に流れる通貨量や金利を調節するという金融政策を行なっています。その一つが「公開市場操作」というもので、「買いオペ」と「売りオペ」の2種類があります。オペは「オペレーション」の略で、「操作」という意味です。

買いオペは、日本銀行が民間金融機関から債券や手形を買い取ることによって、市場の通貨量を増やすという政策です。
通貨量が増えると、金利が低下してお金が借りやすくなるため、住宅や設備などへの投資が増え、生産量の上昇、収益の向上、雇用環境の改善、購買意欲の増加など、経済の活性化が期待できます。デフレからの脱却に向けて、景気の底上げを促進する際に実施されます。

売りオペは、買いオペの逆になり、日本銀行が民間金融機関に債券や手形を売ることによって、市場の通貨量を減らすという政策です。
通貨量が減ると、金利が上がってお金が借りにくくなるため、投資や購買意欲が鈍化すると考えられます。インフレを抑制して、景気の過熱をコントロールする際に実施されます。

●フローとストック

「フロー」と「ストック」は、経済活動を把握する代表的な概念です。
フロー(flow)は、流れ・流動を意味し、一定の期間内に行われたモノやお金の流れを示します。「モノやお金のやりとりがどれぐらいあったのか」を知ることができます。
経営者や会計担当者などの会話でよく使われる「キャッシュフロー」とは、実際のお金(キャッシュ)の動きを指し、お金の流出をキャッシュ・アウト・フロー、お金の流入をキャッシュ・イン・フローと言います。
ストック(stock)は、蓄え・存在量を意味し、フローの結果として、ある時点で保有しているモノやお金の量を示します。「モノやお金がどれぐらい増えたのか(減ったのか)」を知ることができます。

企業が経営状況を把握するために作成する財務諸表のうち、特に重要なのが「損益計算書(PL)」「貸借対照表(BS)」「キャッシュフロー計算書(CS)」です。企業のフローは「損益計算書(PL)」「キャッシュフロー計算書(CS)」、ストックは「貸借対照表(BS)」で表されています(※)。
:テンプナレッジマガジンvol.93「会計の基礎知識を学ぼう」
https://www.tempstaff.co.jp/magazine/ningenryoku/vol93.html新しいウィンドウが開きます


●ベーシックインカム

「ベーシックインカム」とは、最低限の生活を送るために必要な金銭を、収入や家族の状況に関わらずすべての国民に対して政府が定期的に支給する政策のことです。
主な目的は貧困や経済格差対策ですが、誰でも最低限の所得保障が受け取れるために、自分がやりたいと思っていた仕事や趣味にチャレンジしやすくなるという効果もあります。それによって個々人の生活の満足感が高まり、幸福度が増すと考えられています。
また、生活保護の支給の場合は、行政窓口での相談や審査という時間と手続きが必要になりますが、ベーシックインカムの場合は無条件で支給されるため、行政コストの削減につながります。

既に、アメリカ、カナダ、フィンランドなどの一部地域では、実験的にベーシックインカムが導入されました。その結果、生活に関する不安の減少、労働意欲の向上、所得水準の上昇、メンタルヘルスの悩みの減少、犯罪率や子どもの死亡率の減少、子どもの学業成績の向上、貧困レベルの改善など、一定の効果が表れています。

●サブスクリプション

「サブスクリプション(subscription)」は、もともとは、定期購読や年間購読を意味する言葉です。「サブスク」と略されてよく使われていますが、商品やサービスを一定期間に定額で提供するというビジネスモデルを意味します。
消費者は、契約期間中に定められた商品やサービスの範囲であれば、何度でも利用することができます。代金を支払う対象は、商品やサービスの単位や数量ではなく、利用できる期間です。代表例に挙げられるのが、音楽配信サービスや動画配信サービスで、近年、国内外のさまざまなサービスが増えてきました。

このモデルが生まれた背景には、所有せずに必要な時だけ商品やサービスを利用したい、といったライフスタイルの変化や、SNSやスマートフォンなどの普及があります。サービスを提供する企業にとっても、月や年単位の契約であるために安定した収益が確保できる、利用するほど得をするために顧客を増やしやすい、利用状況などのデータを新サービスに活かせる、などのメリットがあり、飲食店、衣料品、クルマ、ソフトウェア、家具、と多様な業界での展開が見られています。

●フィンテック

「フィンテック(Fintech)」とは、Finance(金融)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけることで生まれた革新的な動きを指します。金融機関が担ってきたサービスに、IT企業が開発した技術を活用することによって、便利な新サービスが次々と誕生しました。
例えば、スマートペイメント(スマートフォンなどによるキャッシュレス決済)、クラウドファンディング(インターネット上での不特定多数からの資金調達)、ロボアドバイザー(AIによる最適な資産運用方法の提案や助言)、仮想通貨(暗号技術を使い取引履歴を管理し合うブロックチェーンによってインターネット上でやりとりのできる財産的価値)などがあります。

金融サービスの普及が進んでいなかった国々でも、スマートフォンを使ったサービスの利用が広がっており、今後もフィンテックによる経済活動の活性化は進んでいくと考えられています。

経済用語は数多くありますが、少し立ち止まって言葉の意味を確かめておくと、情報を深く理解することができ、仕事にも役立ちます。会話の中にもスムーズに使えるようになり、コミュニケーションの質もレベルアップします。日頃から気になっている経済用語はありませんか。

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