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(情報掲載日:2020年2月10日)


2020年4月から残業規制が中小企業にも適用されるなど、時短推進において会議やミーティングにかける時間の短縮が企業で検討されています。時間をかけずに効率のよいチーム運営をしたいときに活用できるのが短時間ミーティングです。時間を短くして頻度を増やすことで、リアルタイムに現状把握ができ、仕事の軌道修正もしやすくなります。短時間ミーティングの具体的な活用法について解説します。

●1年間で会議に費やす時間は、部長級で年間434.5時間

普段私たちは会議やミーティングにどれだけの時間をかけているでしょうか。「パーソル総合研究所・中原淳(2017-8)」調査によれば、社内会議・ミーティングに費やす年間の時間は、メンバー層154.1時間、係長級301.2時間、部長級434.5時間でした。1日8時間労働で換算すると部長級の人は年間54.3日分をすべて会議に費やしている計算になります。

1年間に社内会議・ミーティングに費やす時間

(パーソル総合研究所・中原淳(2017-8)「長時間労働に関する実態調査(第1回・第2回共通)」を参考に作成)

また、同調査で会議・ミーティングがムダと感じている割合をみると、メンバー層で23.3%、上司層で27.5%と約4人に1人はムダだと感じています。同調査でムダと感じる要因について聞いたところ、影響度の高い順に「会議後も何も決まっていない」「終了時刻が伸びる」「些細な議題で会議を開く」でした。会議では話し合うべき項目だけに絞り、実のある決定を行い、時間をムダにすることなく終わらせることが求められています。

会議・ミーティングがムダだと感じている人の割合

(パーソル総合研究所・中原淳(2017-8)「長時間労働に関する実態調査(第1回・第2回共通)」を参考に作成)

●時短だからこそ活きる短時間ミーティング

働き方改革の一環として、2019年4月から大企業の長時間労働の規制が行われていますが、2020年4月から中小企業も適用となります。そこで注目されるのが普段多くの時間を割いている会議やミーティングです。ここにかかる時間をいかに短くするか。その支援策として活用できるのが短時間ミーティングです。話し合う内容を絞り込んでかかる時間を短くし、逆に頻度を増やすことで、これまでと同等かそれ以上のコミュニケーションを生み出します。メリットには「ムダを省ける」「変化に合わせられる」「信頼関係を構築できる」といったものがあります。

短時間ミーティングを活用するメリット

・話す内容を今話すべき実践的な内容に絞り込むことで、ムダのない会議運営ができる
・現場の変化に合わせた対応ができ、軌道修正がしやすくなる
・対面接触の回数が増えることで、互いに信頼関係が構築される
・頻度を増やすことでフィードバックが増え、効果的なチーム運営がしやすくなる
・頻度を増やすことで、部下の行動を随時確認できる


短時間ミーティングが既存の会議の代わりにならないとしても、意見収集、方向性の集約などに活用することで、本番の会議のスムーズな進行と時間短縮につなげることができます。

※1:パーソル総合研究所・中原淳(2017-8)「長時間労働に関する実態調査(第1回・第2回共通)」
https://rc.persol-group.co.jp/column-report/201812130003.html

短時間ミーティングは、企業ごとにその実情に合った形式を考えることが求められます。ここではいくつかの実践的な手法を紹介します。

●現場に合った施策を生み出す「15分ミーティング」

ミーティングコンサルタントの矢本治氏が推奨しているのは、現場のメンバー主体で頻度を増やして何度も行う15分ミーティングです。15分ほどの短いミーティングを週1回以上行い、以下のステップを繰り返しながら、より実践的な施策を考えていきます。コツは過去ではなく未来視点に立ち、前向きなコミュニケーションを心掛けて成果にこだわることです。

15分ミーティングのステップ

(矢本治『みんなが自分で考えはじめる「15分ミーティング」のすごい効果』日本実業出版社を参考に作成)

●全社員の意見を引き出す「5分ミーティング」

これはある食品包装の資材企業が考えて実践し効果が上がった手法です。社員が活発に意見を言える会議にしたいと、全員が順番に1人20秒で発言していく5分ミーティングを発案。結果、社員から活発な意見が出て、改善点が浮き彫りになり、業績を大きく伸ばしています。この5分ミーティングの効果は、「会議・ミーティングへの参画意識が高まった」「皆が本音で語るようになった」「発言が活発になり、派閥意識がなくなった」「短く簡潔に話すスキルが身に付いた」など多くのメリットが挙げられています。

5分ミーティングのルール

・参加者は5〜6人程度
・毎回、司会・書記・タイムキーパーを決める
・発言は1人20秒以内。発言時間はタイマーで測る
・全員が順番に発言し、5分になるまで何周でも発言を繰り返す

●部下とのコミュニケーションを深める「1分ミーティング」

企業コンサルタントであり、行動科学マネジメントに詳しい石田淳氏が推奨しているのが1分ミーティングです。毎日、部下全員と1分間の会話を行うという声掛けに近いものですが、それをルール化することで部下の行動や価値観が常に把握できるようになります。メリットとしては「報連相が自然と生まれる」「信頼関係が生まれる」「マネジャーも成長することができる」など、互いの関係性のベースとなるものを築くことができます。

1分ミーティングのルール

・上司が部下全員と毎日1回、1分間ずつ話をする
・場所はどこでも可
・会話における主な質問は「今日は何するの」
・相手の名前を呼び、目を見ながら話す
・成果に直結しないと思うような内容には相づちを打たない

(石田淳『仕事も部下の成長スピードも速くなる 1分ミーティング』すばる舎を参考に作成)

●短時間ミーティングを習慣化する

短時間ミーティングの習慣化の目的は、話しやすいルールを定めて、そこで話した内容が実践で役に立ったという実績をつくることです。それには、まず短時間ミーティングの頻度をある程度増やした形で始めることが重要です。話した内容が実践で活かされた事例をつくり、習慣化されたサイクルの中で精度を高めることが求められます。

短時間ミーティングの習慣化を成功させるコツ


●既存の会議・ミーティングをダイエットする

会議・ミーティングの時間短縮を考えるときは、短時間ミーティングを始めるだけでなく、同時に既存の会議・ミーティングのダイエットも行わなくてはなりません。そこで重要なのは「説明時間の短縮」と「事前の決定事項の遵守」です。「説明時間の短縮」ではほぼ説明に終始する会議は廃止してメールで代行。説明が多い会議では事前に資料を配り、会議時間を短くします。「事前の決定事項の遵守」では、会議前に「目的・ゴール」「議題・時間配分」「参加者の役割」「会議ルール」を決め、共有しておきます。

短時間ミーティングの運営は、仕事で「何が重要か」「何がムダか」「何から手を付けるべきか」「どこに視点を置くべきか」などをリアルタイムに決定し、それが正しいかの検証を繰り返していく作業といえます。変化を前提にして話し合い、検証によって信頼関係を築く。短時間ミーティングの実践は、その繰り返しの中にいかに変化を織り込んでいけるかが成功への分かれ目となります。

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