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(情報掲載日:2020年1月10日)


多くの偉人が「志」の大切さを説いていますが、「志」がどのように生まれ、育つのかについてはあまり聞くことがありません。仕事における「志」とは社会への貢献、そして自身の働く意欲へとつながるものです。どうすれば自分の「志」が見つかり、それを大切にしていけるのか。「志」のある社員の育て方を学びます。

●志=世の中に貢献し、自身の成長を支えるもの

志とは「ある方向を目ざす気持ち。心に思い決めた目的や目標。または、心の持ち方。信念。(デジタル大辞泉)」という意味です。では仕事における志とは何か。仕事とは世の中に対して何らかの貢献をし、それによって生計を立て、自身を成長させるものです。そこで持つべき志は「自分が世の中に貢献できるものは何か」という問いへの答えであり、自身の成長に向けては「自分は何のために働くのか」という問いへの答えと言えます。そうして生まれた志は、自身の仕事人生そのものを支えられる存在となっていきます。

●仕事における志がもたらすメリットとは

仕事は自分自身が行うものですが、組織や周囲からみれば一つの役割という側面も持っています。そのため仕事における志が目指すものは、「自分自身」「周り」「将来」において意義のあるものとなります。また、仕事において志を持つことのメリットは「自身の精神的支柱」「周囲への旗印」「成し遂げたいものとのズレを示すアンカー」であり、すべてにおいて志は自身が目指すものに対する絶対的な規範となるものです。

仕事における志によって目指すもの


仕事において志を持つことのメリット

・困難を乗り越えて学び、成長し続けようとする精神的な支えとなる
・自身がリーダーシップを発揮し、人を巻き込んでいく際の旗印となる
・仕事を通じて成し遂げたいものとのズレがないかを確認する際のアンカーとなる

(グロービス経営大学院、田久保善彦『志を育てる 増補改訂版: リーダーとして自己を成長させ、道を切りひらくために』東洋経済新報社を参考に作成)

●志に影響を与える「実体験」と「仮想体験」

仕事における志に影響を与えるものはさまざまありますが、その要素は大きく実体験と仮想体験に分かれます。実体験とは自分が目指すものを明らかにしてくれるような強烈な体験であり、仮想体験とは先人の深い考えを知り、その思いに共感することから得られる体験です。誰しも自分の体験で思い当たるものがあるはずであり、それが自身の志を探るヒントとなります。 仕事における志に影響を与える要素の例

(グロービス経営大学院、田久保善彦『志を育てる 増補改訂版: リーダーとして自己を成長させ、道を切りひらくために』東洋経済新報社を参考に作成)

●志に近い概念であるパーパス

パーパス(Purpose)は一般には「目的、意図」の意味ですが、企業が経営戦略やブランディングで用いる場合には「存在意義」という意味で用いられ、そこには組織の価値観や社会的な意義が含まれています。近年、社会と企業の関わりが注目され、社会課題の解決に企業が取り組むことへの期待も高まっており、注目度が増しています。企業では従業員満足度や業績を高める原動力としても活用されています。企業のビジョンやミッションを定義する際の根幹となる概念と言え、志と非常に近い意味を持っています。

●強みや特徴から存在意義が生まれ、誇りにつながる

通常、企業・組織・個人のパーパスを各々設定して、仕事における行動の決定や物事の判断の指針とします。パーパスの内容は組織や個人の強みや特徴から設定されるケースが多くなります。存在意義という意味であるため、パーパスを用いることは、働くことの誇りや意義につながりやすく、組織が一体感を持ちやすくなるというメリットがあります。また、個人、組織、そして企業のパーパスに共通点を見い出せれば、各々のパフォーマンスが上がり、幸せを感じられるようになるというメリットもあります。

パーパスを用いるメリット

・自社の存在意義が明確になり、唯一無二の存在として認知されやすくなる
・長期的なビジョンや戦略がぶれにくくなり、一貫した姿勢を持つことができる
・社員の組織への求心力を高め、働く意義や誇りを感じやすくなる
・社会における自社の存在意義が明確になる
・浸透することで戦略の遂行がスムーズになり、スピードも速まる
・社会動向の変化に柔軟に対応しやすくなる
・社内および社外のステークホルダーからの信頼や共感を高めることができる

●客観視や自問自答を経て、志を育てていく

志は一度で納得のいくものができるということがあまりありません。何度も目標を設定し、達成への取り組みを経験しながら、客観視や自問自答という段階を経て、少しずつ育てていくものです。志が成長することで個人の自律性や社会性が高まり、より人に必要とされ、人に高い価値を提供できる人材になることができるでしょう。志には伝染する特性もあるため、一定期間ごとに個々の志について複数で話し合う機会を設けるようにすると、よい影響を受ける機会も増えます。

志を育てるサイクル

(グロービス経営大学院、田久保善彦『志を育てる 増補改訂版: リーダーとして自己を成長させ、道を切りひらくために』東洋経済新報社を参考に作成)


●パーパスを導入する手順とは

パーパスを設定するときの鉄則は、組織の中でも影響力の高い人から取り組ませることです。経営層→管理職→部下という順番に、宿泊研修の形式でパーパスを策定するワークショップを行います。流れは「@チームビルディング→A現状を振り返り、パーパスを策定する目的や要件を定義→B自社の強み・特徴を発掘→C個人のパーパスを策定→E個人のパーパスを持ち寄って組織や企業のパーパスを策定」。個人のパーパスを明確にし、どんな仕事をやりたいのか、どんな組織をつくりたいのかといったことを明らかにします。それから個人のパーパスを持ち寄って、それと照らし合わせながら組織・企業のパーパスを改めて考えます。

●日々、言葉に触れることで浸透していく

志やパーパスは普段から口にしたり、目にすることで浸透していきます。例えば、志やパーパスの言葉を経営計画や日々のマネジメントに反映させていくことも大事です。また、日々の仕事の中で志やパーパスに関連したエピソードなどを発表し合う機会を設け、深掘りして詳細に定義していく作業も意味があります。そうすることで社員一人ひとりが納得できる志やパーパスが育っていきます。

自社は何のために存在するのか、自分は何のために働いているのか。これらを言葉することで見えてくるものがあります。志やパーパスを社内の共通言語にして、社員同士で思うことを自由にぶつけ合ってみませんか。それが志のある社員を育てることにつながるでしょう。

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