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(情報掲載日:2019年11月11日)


複雑化・多様化する社会の中で、限られた時間内で問題を解決していくことは簡単ではありません。そこで大切になるのが、素早く問題の本質を見抜き、解決へとつながる問いを立てていく「シンプルシンキング」です。複雑な問題をどのようにしてシンプルな問いに変換するのか。その手法について学びます。

●なぜ問題は複雑になってしまうのか

シンプルシンキングとは、一般的に問題の本質を捉え、具体的な行動へと導く問いを立てながら解決策を考える手法を指します。一つの仕事に対して多くの人が関わり、多くの情報が使われ、多くの要求が生まれるいま、問題が複雑化することがあります。複雑な問題を複雑なままに考えていると、答えを出すことは難しくなります。そこで本質に迫るシンプルな問いを見出すことができれば、具体的に解決するための手法の発見へとつながり、何から手を付けるべきかという優先順位も見えてきます。複雑な問題に対するときは、問題の要素を分解し、答えが出せるシンプルな問いに変えることが重要なのです。

●問題解決を成果につなげるために、どんな手法を取るべきか

問題解決でもっとも重要なことは、良い問いを設定することです。『考える力とは、問題をシンプルにすることである。』の著者である苅野進氏は「良い問題とは『解くことができる』『解いたら効果が出る』という2つの条件がそろったもの」と述べています。問題設定がうまい人とは「欲しい結果を手に入れるために、より簡単な作業=問題を見つけ出す人」であり、逆に下手な人は「回り道や複雑な作業=問題に取り組んでしまい、結果を逃したり、多大なコストを支払ってしまう人」です。良い問題設定ができれば無理とムダがなくなり、最短距離で成果に結びつけることができるようになります。

●問題そのものについても考えてみる

複雑な問題を目の前にすると、思考が混乱し、感情まで乱れてしまうことがあります。複雑な問題に対処するときには、自分が臨むべき問題であるのかを冷静に判断し、ロジカルに対処しなければなりません。意識すべき考え方は次のような項目です。問題に取り掛かる前に、問題そのものを冷静に見つめてみることが重要です。

冷静に問いに対処するためのシンプルシンキング

(大嶋祥誉『マッキンゼーで学んだ感情コントロールの技術』青春出版社を参考に作成)

●5W1Hを自在に組み合わせて発想を広げる

シンプルにして本質的な問い、多面的な問いを生み出す手法には5W1Hがあります。5W1Hはさまざまな場面に汎用的に使え、6項目の組み合わせであることから使い勝手もよく、本質に迫るうえで効果が高い手法です。コンサルタントの渡邉光太郎氏は、これらの軸を自在に組み合わせて、柔軟な問いを立てて発想を広げることが重要だと述べています。

良質な問いを生み出すための5W1H
(渡邉光太郎『シンプルに結果を出す人の5W1H思考』すばる舎を参考に作成)

場面ごとの5W1Hの活用例は次のようになります。すべての軸を使うのではなく、分解したり組み合わせたりして活用します。

場面ごとの5W1Hの活用例
(渡邉光太郎『シンプルに結果を出す人の5W1H思考』すばる舎を参考に作成)

問いを生み出すうえで大事なことは、解決できる問いを見つけ出すことです。例えば、最初は簡単に取り組めて、短期間で成果が出るものから手を付けるという進め方もあります。複数の問いがある場合でも、一つを解決することで他への波及効果が望めることがあります。その効果を考えて優先順位を付けるようにしましょう。

●一歩下がると違う世界が見えてくる

イノベーションに詳しいジャーナリスト、ウォーレン・バーガー氏が偉業を成し遂げた人の共通点を探ったところ、疑問を抱き、質問をすることが抜群にうまいことに気付いたと語っています。以下は彼がまとめた問いを深める思考の3ステップと、鋭い「なぜ?」を生み出すコツです。一歩下がって見てみること、問いを発展させて思考を広げることが本質に迫るコツといえそうです。

問いを深める思考の3ステップ

(ウォーレン・バーガー『Q思考―シンプルな問いで本質をつかむ思考法』ダイヤモンド社を参考に作成)

鋭い「なぜ?」を生み出すコツ

・一歩下がって、視点を変えてみる
・他の人が見えていないものがないかを探してみる
・現状の前提条件を疑ってみる
・前後の関係を見極め、条件や問題について考えを深めてみる
・今抱いている疑問そのものを疑ってみる

(ウォーレン・バーガー『Q思考―シンプルな問いで本質をつかむ思考法』ダイヤモンド社を参考に作成)

どんなに複雑に見える問題でも、その中の本質を捉えて問題を解決するには、一歩下がって視野を広く持ち、「そこにどんな問いが立てられるのか」「どの問いが本質的なのか」を見抜いていく必要があります。複雑化する社会においては、個々がシンプルシンキングを行うことで、より本質に迫る問いを生み出す力を養うことが求められています。

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