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(情報掲載日:2017年10月10日)

人材マネジメントライブラリ

企業導入が進む電子契約

vol.69


近年、法的な環境整備およびセキュリティなどの技術開発が進み、企業で電子契約が導入しやすくなっています。企業は書面契約から電子契約に切りかえることで、印紙税の削減、紙などのコストの削減、業務効率化といったメリットが得られます。電子契約を導入するにはどうすればよいのか。電子契約の概要、導入に必要な要素、企業事例などについて解説します。

電子契約とは何か

●書面契約と電子契約の違い

電子契約とは、電子文書を作成し、インターネット上で交換して電子署名を行うことで契約を締結する契約の手法です。電子契約では署名や押印が電子化され、文書の受け渡し、確認、保管はすべてインターネットを介して行われます。書面契約から電子契約になることで、電子証明書、電子署名、タイムスタンプといったデータ上での証明が必要になります。


書面契約と電子契約の違い
書面契約と電子契約の違い

※1:電子証明書……インターネットの電子商取引などで個人・法人の存在、信頼性、正当性を保証するインターネット上の身分証明書。電子契約では電子証明書を使って、電子署名を付与する。
※2:電子署名……電子文書に付与する電子的な署名。これにより電子データが本人によって作成され、改ざんされていないことを保証する。
※3:タイムスタンプ……電子データがある時刻に確実に存在していたこと、それ以降改ざんされていないことを証明する電子的な時刻の証明書。

●電子契約を導入するメリット

では電子契約の導入には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。印紙税がかからないことで費用の削減ができ、契約書が紙ではなく電子データとなることで先方とのやり取りがインターネット上で行え、コスト削減につながります。また、データ化されることで一般の文書ファイルと同様になり、扱いやすくなって業務の効率化が図れます。他にもコンプライアンスが強化できるといったメリットがあります。


電子契約を導入するメリット
電子契約を導入するメリット

●電子契約をめぐる環境整備

電子契約は、電子帳簿保存法、電子署名法という電子契約に関する法的環境が2000年前後に整備されています。電子帳簿保存法は1998年に施行され、国税関係帳簿書類の全部または一部を電子データで保存することが認められました。同法律の2005年3月の改正では、紙媒体の書類をスキャナで電子化して保存することも認められました。また、2001年には電子署名法が施行され、電子署名が手書きの署名や押印と同等に通用する法的基盤が整備されました。加えて、電子署名やタイムスタンプといった技術開発、インターネット上でのセキュリティ技術が進んだことで電子契約を導入しやすい環境が整備されています。

電子契約は、契約件数が多い建設業界などで見られるようになり、その後は金融、大規模小売業などのBtoB取引へと広がり、大企業の購買部門での導入も行われています。今後はBtoC取引への拡大(フリーランスとの契約など)が予想されています。


電子契約の流れ

●具体的な電子契約の流れ

それでは電子契約はどのような流れになるのでしょうか。A社とB社が電子契約を行う時の流れを示すと以下の図のようになります。実際には取引の信用性を保全する観点から、電子契約を外部のASP(アプリケーションサービスプロバイダ)(※4)企業を活用して行うケースが多く、その場合には契約先にASPの電子契約サービスの加入を依頼する必要も出てきます。


A社とB社における電子契約の流れ
A社とB社における電子契約の流れ
(宮内宏『電子契約の教科書 基礎から導入事例まで』日本法令を参考に作成)

※4:ASP……Application Service Providerの略。アプリケーションサービスをインターネットで提供する事業者。

●税務調査に対応する運用管理体制

電子契約を導入した後については、電子帳簿保存法で定められた運用が求められるため、税務調査に対応する運用管理体制を整備しておく必要があります。


電子帳簿保存法に則った税務調査に対応する運用管理体制
電子帳簿保存法に則った税務調査に対応する運用管理体制
(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会「電子取引データの保存の考え方」※5を参考に作成)

※5:公益社団法人日本文書情報マネジメント協会「電子取引データの保存の考え方」
http://www.jiima.or.jp/pdf/denchohou_kaisetusho_201409.pdf

企業の導入事例と注意点

●企業の導入事例

電子契約を導入した企業ではどのような効果が出ているのでしょうか。事例をみると、契約件数が多いことによる作業の効率化および作業時間の削減、作業ミスの防止を目的に導入されていることがわかります。書面が電子化されたことで事務作業が減り、やり取りがインターネット上となったことで取引先との確認作業もスピーディーになっています。

電子契約の導入事例
電子契約の導入事例

●電子契約における注意点

電子契約における注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。電子契約ではバックデート(日付をさかのぼった契約)ができないこと、電子証明書を適切に保管しておくことが注意点としてあげられます。特に電子証明書を適切に保管し、本人しか電子署名ができない状態にしておかなければ、第三者がそれを使って偽の電子署名で契約した可能性が生まれ、正しく成立した契約と証明できなくなります。

電子契約における注意点
電子契約における注意点

電子契約は紙ではなくデータを扱うだけに、その利用環境の整備が重要になります。契約は相手からの信用があって行えるものであり、契約に何か間違いがあったり、データ交換でミスをするといったことは許されません。契約を正しく行える体制ができているか、データ管理に問題はないかと契約を行う体制に万全を期す必要があります。電子契約では常に契約する相手が安心して臨めるような体制づくりが求められています。

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