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(情報掲載日:2017年8月16日)

人材マネジメントライブラリ

創造的ひらめきを生む「アイデア発想術」

vol.67


イノベーションが求められる現代において、個人や組織には常に新たなアイデアが求められています。「既存の要素の組み合わせ」と言われるアイデアを、どのように創造すればよいのでしょうか。「ゼロからイチを生む発想術とは」「成功するブレインストーミングのコツとは」など、創造的ひらめきを生む手法について解説します。

アイデアとは何か

●アイデアとは既存の要素の組み合わせ

1940年に発行され今も読まれるロングセラーに『アイデアのつくり方』(CCCメディアハウス)という本があります。著者は広告代理店に勤めていたジェームス・W・ヤング氏です。彼は「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」と結論付け、そして「既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、物事の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい」と述べています。要するに、アイデアとは複数の要素の組み合わせから新たな意味や価値を見いだすことにあるというのです。一般にアイデアが生まれるパターンには以下の表のようなものがあります。そこにあるのは、個々のアタマの中で組み合わせの反応が起こるように仕向けて、創造的ひらめきをつくるという流れです。



アイデアが生まれるパターン
アイデアが生まれるパターン
(堀 公俊+加藤 彰『アイデア・イノベーション―創発を生むチーム発想術』日本経済新聞出版社を参考に作成)

●昔からイノベーションに不可欠だった発想力

新たな発想やアイデアが必要とされる場面で、よく使われる言葉にイノベーション(Innovation)があります。「革新」「新機軸」「新結合」といった意味ですが、この言葉を最初に使ったのは米国の経済学者J.A.シュンペーターです。1912年に出版した『経済発展の理論』ではじめて提唱されました。シュンペーターはイノベーションの種類として以下の5つの分類をあげており、「経済が停滞あるいは先細りに陥らないためには、経済状態や精神状態をかき回すかく拌状態が必要不可欠であり、その状態をもたらすものこそイノベーションである」と述べています。

シュンペーターのイノベーション5分類
シュンペーターのイノベーション5分類
(J.A.シュンペーター『経済発展の理論』岩波書店より)

シュンペーターは著書の中で「郵便馬車をいくら連続的に加えても、それによって鉄道をうることはできないであろう」「鉄道を建設したものは一般に馬車の持ち主ではなかった」と述べています。これは「従来のものをいくら繰り返してもイノベーションは起こらない。従来のものにこだわるべきではない」という意味です。今から100年以上も前の時代から、常時、新たなアイデアや発想は求められ続けていると言えるでしょう。

ゼロからイチを生む発想術


●考えるためのタネを生み出す

通常の課題解決では論理的思考といった筋道のある思考が求められます。しかし、アイデアを得るような「ゼロからイチを生みたい場面」においては、突然の思い付きやひらめきを生み出す「無意識的な思考」が必要になります。いったん、論理的思考から外れて、一つの考え方のルールに則って思考を行う「発想術」を使うことは有効な策といえます。以下の表は考えるタネを生む発想術の例です。例えば、「バグリスト」と呼ばれる発想術では不愉快なことや嫌なことを書き出します。「PKディックの質問」では「それは本当なのか」と自問自答し、「なぜなぜ分析」は「それはなぜか」と5回繰り返します。


考えるタネを生む発想術の例
考えるタネを生む発想術の例
(読書猿『アイデア大全――創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール』フォレスト出版を参考に作成)

以上のような考えるタネを生む発想術は、意識の外側にあって気づかない要素を見つけるためには有効な手段といえます。

●発想できる自分なりのルールを持つ

また、人はそれぞれに発想しやすい考え方や方向性のクセを持っています。以下の表は、発想のタネを生んだ後で、発想を広げるときに使えるルールの例です。自分なりに考えを発展させやすいルールを持っていると、物事の別の面が見えたり、見えなかったつながりが発見できたり、ある発想が生まれた背景がわかったりと、自分流の発想ができます。


発想するためのルールの例
発想するためのルールの例

ブレインストーミングの活用法

●事例にみるブレインストーミングのコツ

複数の人数で発想する場面では、広くブレインストーミングが用いられています。ブレインストーミングとは、ひとつのテーマに対して、参加者がフラットな立場から自由に意見を述べ、さまざまなアイデアを得る会議手法です。この手法には、さまざまな考えを持つ参加者が自由にアイデアを出せるために、普段出ないような斬新な発想がたくさん生み出されるメリットがあります。一般的に適正人数は5〜10人程度といわれていますが、これは人が少なすぎるとアイデアが出にくくなり、多すぎると傍観者になる人が出てしまうためです。

以下の表はブレインストーミングの活用が進んでいる企業事例です。どの企業もいかに自由に発想するか、いかにアイデアの数を出すか、いかにアイデアを発展させるかについて工夫しています。互いによい影響を及ぼしあう「創発」の環境が、ブレインストーミングにおいて理想的な環境といえます。



ブレインストーミングの企業事例
ブレインストーミングの企業事例

ルールが少なく、自由度も高いブレインストーミングですが、それだけに失敗してしまうこともあります。その多くは、自由な発言が阻害されたり、ファシリテーターがうまく進行できず場が盛り上がらずに失敗となっています。何度か経験しながら、不備な点は次回修正するといった姿勢が必要になるでしょう。


ブレインストーミングで失敗してしまうパターン
ブレインストーミングで失敗してしまうパターン

アイデアを生む作業は、通常の業務とは思考がまったく異なります。一度アタマを空っぽにして準備するといった工程が必要であり、何度も発想のステップを試行しながら、自分流の発想術を身に付けていくとよいでしょう。そして、アイデアを考える楽しさを周囲にも伝え、共に考える環境をつくることも重要です。互いに触発し合うことが刺激となり、アイデアの創出へとつながっていくでしょう。

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