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(情報掲載日:2017年7月10日)

人材マネジメントライブラリ

新人の成長を促すフォローアップ手法

VOL.66


新人が入社して数ヶ月も経つと、仕事に対する疑問や不安が生まれ、なかには壁にぶつかってしまう新人もいます。そんな新人には早めに、これまでの仕事を振り返り、悩みを解消するフォローアップを行うことが必要です。新人にやる気を出させて、成長を促すフォローアップの手法について解説します。

なぜフォローアップが必要なのか

●大卒は1年目で1割、3年で3割が離職する現状

厚生労働省の調査(※1)によれば、入社1年目で大学卒は12.8%、短大卒は18.9%、高校卒は20.1%が離職し、入社3年目までに大学卒は31.9%、短大卒は41.7%、高校卒は40.9%と3〜4割の人が離職しています。大学卒をみると24年卒32.3%、23年卒32.4%と常時3割程度の人が離職しており、入社してから3年間は新人のフォローアップが必要な時期ともいえます。


学歴別卒業後3年以内離職率(平成25年3月卒業者におけるデータ)
学歴別卒業後3年以内離職率(平成25年3月卒業者におけるデータ)
(厚生労働省「新規学卒者の離職状況」※1 より)


次に大学卒の離職の理由をみると、厚生労働省の「平成25年若年者雇用実態調査」をもとに労働政策研究・研修機構が行った調査(※2)によれば「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」(男37.4%、女35.6%)、「仕事が自分に合わない」(男30.8%、女28.8%)、「人間関係がよくなかった」(男22.7%、女28.6%)、「ノルマや責任が重すぎた」(男22.5%、女26.2%)となっています。仕事内容や待遇とのミスマッチ、職場の人間関係が大きく影響していることがわかります。早期離職を避けるには、新人が今どのような状態にあるかを把握し、企業全体や職場でのフォローアップで新人を支援する必要があります。


3年未満での離職の理由(大学・大学院卒・初職が正社員)
3年未満での離職の理由(大学・大学院卒・初職が正社員)
(労働政策研究・研修機構「若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状:『平成25年若年者雇用実態調査』より」※2 より)

●フォローアップの目的

一般に新人は、最初の1ヶ月程度は研修期間ということもあり不満は出にくいのですが、3ヶ月程度経つと少しずつ仕事を覚え、部署や周囲の人との関係性やその人の性格がわかり始め、6ヶ月ほど経って仕事に慣れてきたころから不満が出やすくなる傾向にあります。職場によっては入社半年程度で一人立ちとなるケースもあり、不満をためて離職という事態を招かないためにも、早いうちからのフォローアップが求められます。

フォローアップの目的には以下のようなものがあります。基本的な流れは新人個々の声を聞き、振り返りの中で自分が目標通りに成長しているかを確認させ、そこからなりたい自分を確認し、やる気につなげます。個人の成長には差があるため、研修においてもひとくくりで対応するのではなく、個別にみていく必要があります。

フォローアップの目的

・入社からこれまでに学んだことの振り返り、および課題の抽出
・仕事への不安、悩みの解消
・モチベーションの維持・向上
・仕事に必要な知識や技術の習得


※1:厚生労働省「新規学卒者の離職状況」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000140596.pdf

※2:労働政策研究・研修機構「若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状:『平成25年若年者雇用実態調査』より」
http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/documents/0171_06.pdf

人事や教育部門によるフォローアップ


●フォローアップ研修

新人の入社から数ヶ月後〜1年後に行うフォローアップ研修には、さまざまな効果があります。不安な時期に同期で集まり、互いの状況を知って情報交換できることは一体感、連帯感の醸成につながります。また、研修の内容は仕事の振り返りから新たな知識の習得まで幅広いメニューが考えられます。研修では、ある程度ほめながら意欲向上に結びつけることが大切です。また、フォローアップ研修は人事や教育部門にとって「能力のバラツキを平準化できる」「辞めたい新人に対してフォローができる」「研修を通じて新人の状態を確認できる」「新人の状態から職場の課題を把握できる」といったメリットがあります。


フォローアップ研修の効果
フォローアップ研修の効果


研修の内容
研修の内容


●人事や教育部門によるフォローアップ面談

職場の上司・先輩ではない第三者である人事や教育部門の人が、新人に個別に話を聞くフォローアップ面談にはいくつもの利点があります。一つ目は、同じ部署の人間ではないことで話がしやすい点です。第三者は仕事に関わっていないので気兼ねせずに意見が言えます。二つ目は本人に不満がある場合にはガス抜きの効果がある点です。上司では話しにくい仕事への不満や不安が言いやすくなります。三つ目は面談を行うことで新人の本音が人事や教育部門に伝わり、職場の課題が把握され、今後の施策に反映してもらえる点です。

面談は目標設定や業務の区切りとなりやすい3ヶ月ごとのタイミング時(入社3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年)に行うことが有効です。面談の流れは「1. 面談の目的を伝える→2. 本人の現状を確認→3. 今本人にとってどうなることがよいのかを確認→4. ありたい姿に近づくために何をすればよいかを共に考える→5. 本人の行動への意欲を確認」のように進めます。

●メンター制度

新人ごとに指導役を決め、主にメンタル面をフォローするメンター制度の導入が近年目立っています。OJTは部署内の先輩が教育係となりますが、メンターは別の部署から選ぶことが多く、第三者の立場でアドバイスすることが求められます。ただし、導入後に「指導に時間が割けない」「メンターの力量によって関与の度合が違う」「メンター教育が十分にできない」などの課題も出ており、いかに形骸化させずに、企業側が本気でサポートを行うかが問われています。

職場でのフォローアップ

●上司によるフォローアップ面談

普段仕事に忙しくしていると職場では業務以外の会話がなくなり、新人は悩みがあっても話す相手がいないという状況になることがあります。上司が聞き役となるフォローアップ面談は、普段思っている疑問や不安を吐き出してもらう貴重な場となります。上司がフォローアップ面談を行うメリットとしては、「仕事の細部にわたるフォローが可能」「職場における期待がリアルに伝わる」「上司との人間関係の構築に直結する」などがあります。

普段は話さないようなプライベートなことも含めて話しながら、新人からは今何を思っているのか、何が気になっているのか、何を目標にしたいのかを聞き出し、上司は業務や職場での役割で期待していることを伝えます。今の気持ちを伝え合うだけでも信頼を深めることにつながります。


フォローアップ面談の例
フォローアップ面談の例


●職場での新人育成の環境づくり

企業で人が育つために必要な要件としては、「職場で成長することの魅力が伝えられている」「どんな能力が評価されるのかが明確」「周囲の期待が伝わっている」といったものがあります。これらを満たす職場をつくるには、以下のような環境づくりが有効です。職場の人間は新人を受け入れていることが伝わる行動を心がけながら、新人との接触を増やし、新人が何を考えているかをできる限り知ることが育成のヒントとなります。


新人が育つ環境をつくる方法
新人が育つ環境をつくる方法

新人のフォローアップでもっとも大切なことは、新人の本音を聞くことにあります。そのためには職場だけでなく、人事や教育部門の手も借りながら、全社をあげて新人と接触する機会を増やす必要があります。入社から間もない大事な時期を逃さず、しっかりと新人のフォローアップを行って、新人が存分に活躍できる環境を整えていきましょう。

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