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(情報掲載日:2017年6月12日)

人材マネジメントライブラリ

プロセスを成果につなげる「KPIマネジメント」

VOL.65


「KPI=重要業績評価指標」は、目的に対してキーとなる重要なプロセスが適切に実行されているかを計測する指標です。KPIマネジメントとは、この指標を活用して効率的に組織を運営する手法です。近年は、企業において実施するPDCAをより効率的に運用する手法として注目されています。有効なKPIをどう設定し、具体的にKPIマネジメントをどのように行うのか。その具体的なやり方について解説します。

KPIとは何か

●プロセスの指標「KPI」とゴールの指標「KGI」

KPIはKey Performance Indicatorの略称で、「重要業績評価指標」と呼ばれます。KPIとは、目的に対し、それを達成するために有効かつ重要なプロセスが適切に実行されているかを計測する指標です。KPIが目的に対する過程や進捗をみる指標であるのに対し、目的(ゴール)そのものを達成できたかを計測する指標としてKGIがあります。KGIはKey Goal Indicatorの略称で、「重要目標達成指標」と呼ばれます。KGIには誰もが等しく判断できる具体的な数値と時期が設定されます。KGIとして使われる指標例には、売上額や利益、成約件数、顧客獲得数などがあります。

KPI とKGIの関係を営業部門の例で示すと以下のようになります。例えば、営業部門で新規顧客の獲得が課題となっている場合、KGIに「新規顧客を50社獲得」を掲げ、その目的達成に至るプロセスとしてのKPIには「電話アポイント件数」「アポイントからの商談件数」「商談からの新規契約件数」などが考えられます。


営業部門におけるKGI、KPIの例
営業部門におけるKGI、KPIの例



●KPIを導入するメリット

ではKPIを導入するメリットは何でしょうか。まず、KPIによりプロセスが見える化され、事業の進展・進捗が把握できます。メンバーから見れば、自分がどのような行動を取れば職場の目的達成に貢献できるのか明確にわかり、それがモチベーションの向上につながります。また、KPIによって個人の評価も明確になり、その視点は人材育成にも活かすことができます。KPI導入によりこれらのメリットを十分に活かしたマネジメントが可能になります。

KPIを導入するメリット

・共通の指標ができることで、社内や部門、メンバーの意思統一が図れる
・部門、チームごとにKPIを設けることで、事業における業務の進展・進捗を明確に示せる
・「達成すべきこと」「達成までにやるべきこと」を具体的に示すことができる
・プロセスがうまく進捗しているかがタイムリーにわかる
・メンバーは、自分がどんな行動を取れば職場の目的達成に貢献できるかがわかり、モチベーションの向上につながる
・評価基準が客観的になり、公平な評価を行うことができる
・的確なKPIで次の目標を明確に示すことでメンバーが目標達成に集中し、達成意欲を刺激することで、個々に成長を促す



●PDCAの工程におけるKPIの役割

KPIマネジメントはPDCAサイクルにおいても効果的な役割を果たします。PDCAの各工程におけるKPIの役割には以下のようなものがあります。PDCAのプロセスごとにKPIを設定することで、各々の工程で行うべき業務が明確になり、その工程がPDCAの中で果たすべき役割をメンバーに認知させることが可能になります。


PDCAの各工程におけるKPIの役割
PDCAの各工程におけるKPIの役割
(松原恭司郎『ROE重視のKPIマネジメント教本』日刊工業新聞社を参考に作成)

導入・運用のポイント


●KPIを決定する際に考えるべき要素

ではKPIを決めるうえで考えるべき要素とは何でしょうか。KPIの決定には以下の表にあるように「S・M・A・R・T」が重要といわれます。KPIは、誰が見ても測定でき、それを行う意義が理解でき、皆で目的に向かって進んでいると実感できるものにしなければなりません。そして、業績につなげるためには、「業務量」と「業務効率」の観点からKPIを考える必要があります。


KPIを決定する際に考えるべき要素
KPIを決定する際に考えるべき要素


●KPIマネジメントの流れ

KPIを活用し、効率的に組織運営を行う手法であるKPIマネジメントは、どのように行うのか。全体的な流れは以下のようになります。最初にKGIを設定し、次に業務プロセスを分解します。分解された業務プロセスに沿って、「S・M・A・R・T」および「量と効率」の観点からKPIを考え、アクションが起こせるレベルまで落とし込みます。ここでは「経営目標→部門目標→個人目標」と内容を連動させることもポイントとなります。実行後は定期的なチェックと、より効果的なKPIについて考え、見直しを行います。


KPIマネジメントの全体的な流れ
KPIマネジメントの全体的な流れ

KPIマネジメントで失敗しないコツ

●失敗してしまう要因

KPIを設定したマネジメントを行いながら、結果的に失敗するケースもあります。その時に考えられる要因には以下の表のようなものがあります。KPIも「設定→実施→検証→改善」といったひとつのサイクルのうえで成り立つものであり、そのどれが欠けても実効性のある施策にはなりません。


KPIマネジメントが失敗してしまう要因

・KPIを用いても、結果ばかりに注目してしまい、プロセス管理の改善に目が向かない。
・KPIの設定時に、納得して行動できるようなアクションレベルに落とし込みができていない。
・KPIの設定をしても、実際の運用場面になった時にKPIによる管理を行えていない。
・KPIの振り返り活動を行わず、KPIの妥当性の検証や問題点の把握ができずに形骸化させてしまう。

(大工舎宏、井田智絵『KPIで必ず成果を出す目標達成の技術』日本能率協会マネジメントセンターを参考に作成)

●KPIマネジメントで失敗しないコツとは

ではどうすればKPIマネジメントでの失敗を防げるのか。KPIはプロセスを改善していく手法であり、「KPIの実践が目標達成につながる」という共通認識を組織の全員が持っていなければなりません。組織におけるKPIの導入の理想は、全員がKPIについて深く理解し、達成する意欲を持ち、進展・進捗の状況もできる限りリアルタイムで共有することです。そのような状況をつくるために、マニュアル作成や情報の見える化といった作業が重要になります。KPIを導入し、KPIマネジメントを実践することは、組織の一体感の醸成にもつながり、中長期的な組織力の向上にも寄与します。


KPIマネジメントで失敗しないコツ
KPIマネジメントで失敗しないコツ
(大工舎宏、井田智絵『KPIで必ず成果を出す目標達成の技術』日本能率協会マネジメントセンターを参考に作成)

KPIをどのように設定し、どのように運用すべきなのか。その答えのひとつといえるのは「目的の達成に向けて、いかにメンバーがひとつになれるプロセスをつくれるか」ということです。目的を達成するプロセスに、組織として一丸となれるプロセスを連動させる。KPIマネジメントは、効率的に組織を運営し、目的の達成に向けてメンバーが有効な行動を取れるように導けるマネジメント手法といえます。

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