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(情報掲載日:2016年9月12日)

人材マネジメントライブラリ

ゲーム研修を活用する

vol.56


近年の企業研修では、座学の知識習得だけでなく実際に行動することで学びを得る「ゲーム研修」を取り入れる動きが見られます。ゲーム研修とは、ビジネスで起こりうる場面を盛り込んだゲームを体験することで、仕事に必要な経験や技術を身に付けていく学習スタイルです。その概要やメリット、活用法について解説します。

ゲーム研修とは何か

●注目されるゲーム研修

近年の企業研修の傾向として、知識の習得は個別でも行えるものとしてその比率を下げ、人が集う場でしか行えない実践や経験の場としてゲーム的要素を取り入れる例が目立ってきています。特に新卒採用におけるオリエンテーションや新人教育といった若手向けの研修では、仕事に必要な経験や技術とは何かを示すプログラムとして活用されています。

ゲーム研修とは、ビジネスで起こりうる場面を盛り込んだゲームを体験しながら、仕事に必要な経験や技術を身に付ける「体験型学習」といえます。ゲーム研修は、ゲームの要素があることで研修そのものを楽しめるうえに高い教育効果が望め、実施がしやすいといったメリットがあります。


ゲーム研修のメリット
ゲーム研修のメリット


●期待できる研修効果

ゲーム研修は受身になりがちな座学研修とは異なり、自ら行動してゲームに参加することで、職務や組織の原理原則、対人関係の背後にある考え方といった仕事に必要な考えを理解することができます。また、自ら動くことで主体性・自発性・創造性を磨くことができ、複数名で行うことでチームワークやコミュニケーション能力の向上を図ることもできます。

期待できる研修効果
期待できる研修効果



ゲーム研修の進め方と代表例

●ゲーム研修の種類と進め方

ゲーム研修は目的別に、導入、コミュニケーション、リーダーシップ、フィードバック、コンセンサス、問題解決、意思決定、創造性開発、組織活性化、チームワーク、チームビルディングなどさまざまな種類があります。所要時間は10分程度のものから3時間程度かかるものまであります。一般的には「目的の説明→手順とルールの説明→グループ編成→ゲームの実施→グループごとの振り返り→全体でのゲームの振り返りと分析→グループでの反省、感想」といった形で進めます。


●ゲーム研修例

ここで代表的なゲーム研修の例をいくつかご紹介します。


○自分プレゼン、インタビューゲーム(導入、コミュニケーション)

東京都で義務教育初の民間人校長となった藤原和博氏が推奨する、初対面において相手にインパクトのある印象を残すプレゼンテーション研修です。最初はインパクトのある「つかみが取れる」自己紹介を考えます。自分の紹介要素の中で忘れられなくなる情報(例:容姿が誰かに似ている、名前が珍しい、趣味が変わっている、こんな失敗談があるなど)を探し、そこにストーリーを加えるなど演出を加えると効果的です。

次はインタビューゲームです。二人一組で互いに質問者と回答者になり、相手との間に印象深い共通点がないかをヒアリングの中で見つけます。忘れられないくらい印象的な共通エピソードを見つけることで、相手に強い印象を残すことができます。例えば、プラス要素だけでなく、失敗や挫折した経験などマイナス要素での共通点が見つかれば、その印象度はより強くなります。


ゲームの概要
ゲームの概要


○ジャンケン・ゲーム(チームワーク、リーダーシップ)

チームワークやリーダーシップを醸成するゲームです。参加者が2チームに分かれ、以下のルールにもとづいて代表者が10回ジャンケンをし、その勝ち負けによる得点で競います。実際にやってみると、どちらかが決めておいた「協定」を破ったとたんに信頼関係が崩れて疑心暗鬼になったり、一度裏切ると信頼回復が難しくなったり、ジャンケンで何を出すか意見が分かれたりするようになります。チームとしての方針を決める過程でチームワークやリーダーシップについて学ぶことができます。


主なルール
主なルール

(日経連広報部『研修ハンドブック』日本経営者団体連盟広報部を参考に作成)

○NASAゲーム(問題解決、意思決定、コンセンサス)

アメリカの社会心理学者ジェイ・ホール氏が考案したゲームで、優先順位におけるコンセンサスを取る体験ができる研修です。以下の任務に対し、個人で手元にある15種類のアイテムの優先順位をつけ、理由を考えておきます。個人の答えと考えた理由を発表し、チームとしての答えを決める話し合いを行います。その中で、相手を説得して同意を得たり、異なる意見をまとめたり、コンセンサスを得る体験をしながらチームの最終的な答えを決めます。NASAの模範解答と比較し、誤差の点数の小さいチームが勝ちです。多くの場合、対話によってより正解に近づくことから、対話の重要性が実感でき、個々の問題解決力やチームにおける意思決定力・コンセンサス力が身に付きます。また、限られた資源を使っていかに状況を切り開けるかといった、土壇場での発想力を鍛える効果もあります。

任務とアイテム
任務とアイテム
(参考:NASAの模範解答は重要度の高い順から、8→12→9→2→15→3→14→4→10→13→6→7→5→11→1)


○マシュマロチャレンジ(チームビルディング、創造性開発)

TEDカンファレンスでも紹介された有名なゲームで、チームビルディングやPDCAサイクルの学習に役立つ研修です。4人1チームで以下の材料を使い、18分以内に自立式のタワーを作り、高さを競います。実際に行ってみると、計画よりも試行錯誤が重要だと気付いたり、役割分担の難しさに気付いたりと実作業の難しさを実感できます。また18分という短時間では、「挑戦→失敗→見直し」といったサイクルを素早く何度も繰り返すことが成功への近道ということが理解できます。


材料とルール
材料とルール


効果的なゲーム研修の実践法

●インストラクターの心得

ゲーム研修は熱中しすぎると教育目的から外れて、ただ楽しんで終わりとなりかねません。研修効果はインストラクターの手腕にかかっています。研修を楽しませつつ、その目的を常に意識させることがポイントです。

ゲーム研修でインストラクターが注意すべきこと
ゲーム研修でインストラクターが注意すべきこと
(田中久夫『すぐできるすぐ効く新選教育研修ゲーム』日本経団連出版を参考に作成)


●研修後の有効なフィードバック

ゲーム研修後も学習効果を継続させるためには、研修を忘れさせない工夫が必要です。以下のようなフィードバックを行うことで、効果を最大限持続させることができます。


学習効果を継続させるコツ
学習効果を継続させるコツ
(ブライアン・コール・ミラー『2人から100人でもできる! 15分でチームワークを高めるゲーム39』ディスカヴァー・トゥエンティワンより)


ゲーム研修は、ビジネスで起こりうる場面をゲーム内に再現し体験することで、実際にビジネスで必要な経験や技術を身に付けさせることができます。また、企業が理想とする仕事の形や考え方を示せるメリットもあります。マンネリ感を抱く人が多い年代層や停滞感のある部署でも、ゲーム研修をうまく導入すればそこに大きな変化が期待できます。研修の幅を広げる意味も含め、一度ゲーム研修を導入してみてはいかがでしょうか。

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