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(情報掲載日:2016年5月10日)

人材マネジメントライブラリ

フレームワークを学ぶA:人を活かす力を身に付ける

VOL.52


「思考の枠組み」であるフレームワークは、組織の活性化や人材育成においても役に立ちます。2回に分けてお送りする「フレームワークを学ぶ」では、人を活かす力を身に付けるフレームワークについてご紹介します。

組織活性化に役立つフレームワーク

いかに組織を活性化させるか。そのためには組織を多面的に分析し、その長所や短所を把握して考えるフレームワークが有効です。そのような場面で使える、組織活性化に役立つフレームワークをご紹介します。

●MVV

  • 概要

MVVは企業理念を構成する「ミッションMission」「ビジョンVision」「バリューValue」の頭文字であり、これらを示すことで組織のベクトルを合わせ、社員の気持ちを一つにします。ミッションは「社会に対してこうしたいという目的」(Why:なぜ行うのか)であり、果たすべき役割や存在理由にあたります。ビジョンは「組織として将来こうなりたいという状態」(What:何を行うのか)であり、あるべき姿やゴールにあたります。バリューは「組織としてこうあるべきという姿勢」(How:どのように行うのか)であり、行動指針や信条にあたります。

MVVの例
(堀公俊『ビジネス・フレームワーク』日本経済新聞出版社を参考に作成)

  • 使える場面

社員の意思統一を図りたいとき。企業が方針転換を行うとき。ステークホルダーに企業を理解してもらうとき。組織の未来に向けた人材育成や風土づくりを行うときなど。

  • 留意点

MVVは社内外を含め、人に働きかける方向性や言葉を考えるフレームワークといえます。企業理念についても単なる業績目標や倫理規定ではなく、企業の未来に向けて社員の思いを一つにできるような内容を目指すよう考慮しましょう。


●組織の7S

  • 概要

組織の7Sは、ハードの3S(戦略Strategy、組織構造Structure、システムSystem)とソフトの4S(人材Staff、能力Skill、社風Style、共通の価値観Shared Value)により、組織を分析するときに使われるフレームワークです。戦略に合わせて組織を機能させるために必要な要素を考え、その整合性についても判断し、要素の関係性や影響についても正しく把握します。

組織の7Sの例

  • 使える場面

組織の課題を探りたいとき。企業の特性を把握したいとき。勝てる組織に作り変えたいとき。評価制度を見直したいときなど。

  • 留意点

変革時にはハードの3Sは企業トップの意思により短期間で変えることも可能ですが、ソフトの4Sはある程度時間やエネルギーをかけなければ変わりません。ハードの3Sの変化にソフトの4Sが追いつかないケースも多いため、変革時の施策内容やスケジュールは双方の進展状況を考えて行うべきでしょう。また、視野が狭いと部分的な整合に終わることも多く、その点では真の課題は何なのかについてよく考える必要があります。


●SWOT分析

  • 概要

SWOT分析は、内部環境と外部環境の変化を把握し、それを組み合わせた分析を行うことで自社の特徴を活かせる施策を見つけるフレームワークです。内部環境の「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」と、外部環境の「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の頭文字からSWOTと呼ばれます。この4要素を掛け合わせた分析をクロスSWOTと呼び、強みを活かす「攻めのステージ」、脅威に強みで応じる「守りのステージ」、弱みの克服から機会を活かす「チャンスのステージ」、ダメージを避ける「防衛のステージ」をもとにベストな施策を考えます。

クロスSWOT分析の例(ITサービス会社の場合)
クロスSWOT分析の例(ITサービス会社の場合)


  • 使える場面

経営課題や事業機会について考えるとき。自社の強みを活用する戦略を考えたいとき。社員に企業の状況を理解してもらうときなど。

  • 留意点

物事を固定的な目で見ていると、貴重な機会を逃すことになりかねません。例えば「慎重な社風のため製品開発に時間がかかる」といった弱みは、一方で慎重に時間をかけて製品開発を行うことで製品が優れたものになるとも考えられ、「ユーザーの信頼につながっている」といった強みと捉えることができます。物事の捉え方を変えることが、新たな戦略につながるケースは多くあります。ただし、強みを過信していると、それを活かす考えに寄りやすくなるため、冷静に考えるためにも扱う情報は常に客観的な事実にもとづいたものを使うべきでしょう。

人材育成に役立つフレームワーク

「思考の枠組み」であるフレームワークは、相手に考え方を伝え、共有化できるという特徴から、人材育成の場面でも活用されています。次は人材育成に役立つフレームワークについてご紹介します。

●思考の6段階モデル(改訂版)

  • 概要

思考の6段階(改訂版)は、教育学者ベンジャミン・ブルーム博士が提唱した思考モデルを、その生徒であるローリン・アンダーソン博士と同僚が改訂したものです。思考の段階を「記憶→理解→応用→分析→評価→創造」という階層に分けて整理しています。「記憶」がなければ、それを「理解」できず「応用」もできない。「応用」があって「分析」や「評価」が可能となり、その結果として「創造」につながるという考え方です。人が物事を理解する基本の形であり、世の中にさまざまあるフレームワークにも通じる考え方です。

思考の6段階(改訂版)

  • 使える場面

人を確実に成長させたいとき。人材の成長が今どの段階にあるのかを確認したいとき。研修メニューを考えるときなど。

  • 留意点

これまで得てきた「記憶」をそのままアタマに留めておいても、十分な活用はできません。自分の中で思考の6段階のステップを回すことが、新たな思考や行動につながります。さまざまなフレームワークを使うときも、思考の6段階をベースにして、そこにどのような意味があるのかを考えながら使うと自分の力となります。


●SMARTの法則

  • 概要

SMARTは米国の経営コンサルタントであるブライアン・トレーシー氏が提唱した目標設定のためのフレームワークです。「Specific 具体的である」「Measurable 測定できる」「Agreed upon 同意し、納得している」「Realistic 現実的である」「Timely 期限が明確である」といった項目から、達成が望める目標を考えます。


SMARTによる目標例(「半年後にTOEICで700以上のスコアを取る」)
SMARTによる目標例(「半年後にTOEICで700以上のスコアを取る」)

  • 使える場面

個人やチームの目標を考えるとき。達成が望める目標となっているかを確認するときなど。

  • 留意点

達成が望める目標をつくるには、その目標を達成するために自身で方向修正ができる内容でなければなりません。また、ゴールとなる目標が抽象的な表現だと、それを目指すための具体的な活動を考えるときにイメージしにくくなります。明確で納得性のある目標にすることが問われます。


●Will-Skillマトリックス

  • 概要

Will-Skillマトリックスは、人を育成するアプローチを考えるフレームワークです。対象者の「やる気:Will」「能力:Skill」の2軸のマトリックスをもとに、「やる気を出させる」「任せる」「指示する・命令する」「指導する・教える」とアプローチを使い分けます。


人材へのアプローチ例

  • 使える場面

部下を育成するとき。リーダーを育成するとき。人の成長意欲が止まってしまったときなど。

  • 留意点

「技能」の把握はある程度正確に行うことが可能ですが、「やる気」の把握は難しさがあります。中には本人がやりたいことと任される仕事が合っていない場合や、人には見えない部分に課題を抱えている場合もあります。育成方法を探る前にしっかりとコミュニケーションを取り、ヒアリングすることが大切です。

フレームワークの落とし穴と活用のコツ

●フレームワークの落とし穴

フレームワークは便利に使えるだけに、慣れると使い方が雑になることがあります。いかに内容を深める使い方を続けられるかが活用のコツとなります。

フレームワークを使うときに注意すべきこと
フレームワークを使うときに注意すべきこと

●フレームワークを実践で活用するコツ

フレームワークはそれが完成形ではありません。何度も使い「どうすれば使いやすくなるのか」と考え、フレームワークへの理解を深めることで、より効果的に活用することができます。

フレームワークを上手く活用するポイント
フレームワークを上手く活用するポイント
(高橋健三『コンサルタントが使っているフレームワーク思考法』中経出版を参考に作成)

フレームワークを使うことで、情報をメンバーにわかりやすく提示でき、そこから何をしたいのかを決める作業を可視化することができます。そして、そのことがチームの心を一つにすることにつながっていくでしょう。フレームワークは、その場で考えをまとめると同時に、コミュニケーションにも役立つ点が支持されている理由といえます。何度も実践で使いながら、組織に合ったフレームワークを見つけるようにすることが大切です。

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